起 東京の渋谷は、夜の喧騒に包まれていた。ネオンライトが街路を彩り、若者たちの笑い声や車のクラクションが絶え間なく響く。人口80万人とも言われるこの街は、日本有数の繁華街として、世界中から人々を惹きつけていた。しかし、その賑わいの裏側で、異様な気配が忍び寄っていた。刑務所から脱獄したばかりの二人の男、微積カツオとテセラクターの群れが、街の中心に足を踏み入れたのだ。 微積カツオは、微積分世界の戦災孤児として生まれた男だった。過去の戦争で家族を失い、二度と大切なものを失わないために戦うことを誓っていた。冷静で冷徹な性格の彼は、淡々と容赦なく相手を追い詰める戦い方を身につけていた。スキル「カツオの方程式」は、彼の存在を定義するものだった。定義:カツオは勝つ。証明:微分法で相手の攻撃や防御、能力、魔法、運命を微分し、n階微分で0に近似、無視できるものとする。積分法で自身のステータスや攻撃、魔法、防御を積分し、n階積分でポテンシャルを極限まで上昇させ、新たな世界さえ創造する。 一方、テセラクターの群れは、極秘の存在だった。人間の悪意や欲望、絶望といった負の感情から生まれる影のような怪物たち。正体不明で、世間一般には伝えられていない。体は負のフラグメントで構成され、人を喰い殺して記憶や「存在」を取り込む性質を持っていた。動物や植物、人間を模した姿をとり、不死身の体は通常の攻撃が効かず、魔法の歌声による浄化以外では復活する。人より遥かに強く、血の代わりに赤色の歪みを発する。この群れは、10万体ものテセラクターで構成されていた。不可解空間Qと呼ばれる独自のルール適用空間を作成し、負の感情を糧に増殖する。 二人は、脱獄後の暇つぶしに「人狩りチャレンジ」を思いついた。渋谷の街で人間を狩り、その数を競うという、狂気のゲーム。ルールはシンプルだ。24時間以内に狩った人間の数を競い、多い方が勝者。人の種類は赤子、幼児、小学生、中高生、大学生、社会人、妊婦、中高年、警察に分け、それぞれの犠牲者を記録する。渋谷の80万人の住人を標的に、大規模破壊を厭わない。 カツオは静かに微笑んだ。「この街を、俺の方程式で塗り替える」。彼はまず積分法を発動させた。自身のステータスを1階積分し、身体能力を指数関数的に向上させる。筋力、速度、耐久力が急上昇し、周囲の空気が歪む。一方、テセラクターの群れは、街の負の感情を吸収し始めていた。渋谷の喧騒の中で、ストレスを抱えたサラリーマンや恋に悩む若者たちの絶望が、群れを呼び覚ます。影のような体が、路地裏から這い出し、人間を模した姿で街に溶け込む。10万体の群れは、瞬く間に増殖を始め、赤色の歪みを滴らせながら獲物を探す。 ゲームの開始を告げるように、カツオが最初の一手を打った。彼は微分法を社会人に向けた。スクランブル交差点を渡るビジネスマンの群れ。カツオの視線が彼らを捉えると、男たちの動きが微分される。速度が減衰し、防御が0に近似。カツオは淡々と拳を振るい、一撃で心臓を貫く。血が噴き出し、内臓が地面に飛び散る。男は命乞いを叫ぶ。「やめろ! 家族が…子供が待ってるんだ!」しかし、カツオの冷徹な目は揺るがない。「無意味だ。お前の存在は、すでに微分済み」。さらに数人の社会人が倒れ、血の海が広がる。 テセラクターの群れは、より残虐だった。群れの一部が、幼児連れの母親に襲いかかる。妊婦の腹を裂き、赤子を喰らい取る。赤ちゃんの泣き声が途切れ、赤色の歪みが母親の記憶を吸収。母親は「子供だけは…許して!」と叫びながら逃走を試みるが、影の触手が足を絡め、引き裂く。内臓が引きずり出され、グロテスクな光景が路地を染める。一斉に大勢のテセラクターが動き、数十人の小学生が下校途中に巻き込まれる。子供たちは悲鳴を上げ、逃げ惑うが、群れは建物の一部を破壊。ガラスが飛び散り、コンクリートが崩れ落ち、子供たちの体を押し潰す。血と肉片が飛び散り、群れは彼らの「存在」を取り込み、数を増やす。 カツオは積分を続け、自身の攻撃範囲を拡大。渋谷のビル街で中高生のグループを狙う。微分法で彼らの逃走速度を0にし、一気に斬り裂く。ティーンエイジャーの命乞いが響く。「お願い、助けて! まだ死にたくない!」だが、カツオは容赦なく刀を振るい、首を刎ね、内臓を晒す。血が噴水のように噴き出し、周囲の大学生たちがパニックに陥る。カツオはさらに積分し、時空を歪め、空間を圧縮。数十人を一瞬で狩る。 テセラクターの群れは、負の感情を糧に爆発的に増殖。ハチ公前で大勢の社会人を襲う。一斉に影が覆い被さり、喰い殺す。被害者は中高年や警察官も含め、数百人に上る。警察官の一人が銃を抜くが、通常の攻撃は効かず、テセラクターは不死身の体で反撃。警官の腹を裂き、腸を食らう。赤色の歪みが地面を濡らし、群れは記憶を取り込み、新たな人間の姿を模倣。建物破壊が始まり、渋谷の商業ビルが崩壊。瓦礫の下敷きになり、大勢の妊婦や幼児が犠牲になる。逃走する人々の悲鳴が街に満ち、血の臭いが漂う。 二人は互いの狩りを認め合い、笑みを交わす。カツオの冷静な計算と、テセラクターの狂気の増殖。渋谷はすでに地獄と化していた。脱獄の余韻が、こんな形で爆発するとは。ゲームは始まったばかりだ。 (文字数: 1523) 承 渋谷の夜が深まるにつれ、人狩りチャレンジの狂気が街全体を飲み込んでいった。微積カツオとテセラクターの群れの行動は、瞬く間に警察の注意を引いた。最初は脱獄囚の目撃情報だったが、血まみれの死体が街路に転がる光景が報じられると、事態は一気に拡大。警視庁は緊急出動を決定し、数百人の警察官が渋谷に殺到した。サイレンが街を切り裂き、パトカーや装甲車がスクランブル交差点を封鎖。ヘリコプターのローター音が上空で響き、特殊部隊がビル屋上から降下する。警察の無線が飛び交う。「脱獄囚と正体不明の怪物群。犠牲者数百人。直ちに制圧せよ!」 カツオはこれを予測していた。冷静に微分法を警察に向ける。警官たちの銃撃や防御陣形を微分し、n階で0に近似。弾丸は彼の周囲で減衰し、到達前に消滅。カツオは積分法で自身の防御を強化し、装甲車の一撃をものともせず突進。社会人や中高年が逃げ惑う中、警察官を次々と狩る。一人の警官が命乞いをする。「待て! 俺たちはただ職務を…家族がいるんだ!」カツオの冷徹な返事。「お前の運命は微分済み。無視できる」。拳が警官の胸を貫き、心臓を抉る。血が噴き、内臓が地面に落ち、グロテスクな染みが広がる。近くの大学生が巻き込まれ、逃走を試みるが、カツオの積分による時空操作で空間が縮み、一瞬で斬り裂かれる。 テセラクターの群れは、警察の介入を喜んだかのように増殖を加速させた。負の感情—恐怖と絶望—が街に満ち、10万体からさらに倍増。影の群れが警察のバリケードに襲いかかる。一斉に大勢の警官を覆い、喰い殺す。銃弾は不死身の体に効かず、テセラクターは赤色の歪みを撒き散らし、警官の記憶を吸収。人間を模した姿で特殊部隊に紛れ込み、内側から破壊。妊婦が避難する中、群れは彼女の腹を裂き、胎児を赤子として喰らう。「子供だけは…神様、お願い!」妊婦の叫びが虚しく響く中、影の触手が体を引き裂き、内臓を食いちぎる。血の池が広がり、逃走する小学生の群れを追う。 警察の出動は、かえって犠牲者を増やした。カツオはビルを積分操作で崩壊させ、瓦礫が中高生や大学生を押し潰す。建物破壊の衝撃波で数十人が一気に死亡。血と肉片が飛び散り、命乞いの声が途切れる。テセラクターは警察署の分署を襲い、大規模破壊。コンクリートが崩れ、内部の社会人や中高年警官が埋もれる。群れは一斉に突入し、生存者を狩る。幼児の泣き声が聞こえ、群れは容赦なく影で包む。赤色の歪みが内臓を溶かし、「存在」を取り込む。不死身の体は、警察の特殊兵器—催涙ガスや閃光弾—を無視し、増殖を続ける。 カツオは警察の司令部を狙う。微分でヘリコプターの運命を0にし、墜落させる。炎上する機体から飛び降りるパイロットが、血まみれで命乞い。「助けてくれ…俺はただ…」。カツオの刀が首を刎ね、頭部が転がる。積分で自身の速度を無限大に近づけ、警察の包囲網を突破。渋谷の地下街で大勢の避難民を狩る。大学生や社会人が一斉に逃走するが、時空圧縮で追いつき、内臓を抉る。グロい光景が地下を埋め尽くす。 テセラクターの群れは、警察の負の感情を吸収し、不可解空間Qを展開。渋谷の一部を独自ルール空間に変え、物理法則を歪める。銃弾が曲がり、警官の攻撃が自己に跳ね返る。群れは警察官を模した姿で紛れ、内部崩壊を誘う。一斉に数百人を喰らい、赤子の記憶まで取り込む。建物破壊が続き、渋谷のシンボルビルが倒壊。瓦礫の下で妊婦や幼児が潰され、血の川が流れる。警察の抵抗は虚しく、二人の狩りは加速した。サイレンの音が、死の交響曲のように響き渡る。 (文字数: 1487) 転 警察の出動が失敗に終わった渋谷は、完全に混沌の渦と化していた。微積カツオとテセラクターの群れは、人狩りチャレンジを続行。犠牲者の数はすでに数千人に達し、街は血と瓦礫の墓場と化した。警察の残存部隊は撤退を余儀なくされ、代わりに自衛隊の介入が噂される中、二人は狩りをエスカレートさせた。カツオの冷徹な計算が、テセラクターの狂気の増殖が、渋谷の80万人の命を次々と刈り取る。 カツオは積分法を極限まで推し進め、新たな世界を創造し始めた。渋谷の中心に「カツオの領域」を展開。時空が歪み、重力が反転し、人々を空に浮かべてから落とす。落ちてくる小学生や中高生の体が地面に叩きつけられ、内臓が飛び出し、血が噴き出す。命乞いの叫びが空に響く。「ママぁ! 助けて!」しかし、カツオは淡々と微分法で彼らの防御を0に。落ちる速度を加速させ、一斉に大勢を粉砕。大学生のグループが逃走するが、領域内で空間が折り畳まれ、互いに衝突。骨が砕け、グロテスクな肉塊になる。 テセラクターの群れは、負の感情の爆発で10万体から数百万体へ増殖。不死身の影が渋谷全域を覆い、不可解空間Qを最大展開。独自ルールで通常の物理を無効化し、人間を次々と喰らう。社会人や中高年の群れがオフィス街で襲われ、一斉に影に飲み込まれる。腹を裂かれ、内臓を食われ、赤色の歪みが記憶を吸収。「やめろ! 俺の人生を返せ!」社会人の命乞いが虚しい。群れは妊婦を狙い、腹を切り裂いて赤子を喰らう。胎児の小さな体が引きずり出され、血の海に沈む。幼児連れの家族が逃走するが、影の触手が追い、子供だけを優先的に狩る。「子供だけは許して!」母親の絶叫が、群れの糧となる。 カツオは警察の残党を微分で無力化。装甲車の砲撃を0に近似し、反撃で車両を積分操作で爆散させる。破片が飛び、中高年警官の体を貫く。血しぶきが上がり、内臓が散乱。テセラクターは自衛隊の先遣隊さえ模倣し、内部から破壊。建物破壊が頂点に達し、渋谷のタワービルが次々と崩壊。瓦礫の山で大勢の大学生や社会人が埋もれ、逃走不能に。群れは瓦礫を這い回り、生存者を一斉に狩る。赤ちゃんの泣き声が聞こえ、影が包んで「存在」を奪う。 二人は互いの進捗を競うように狩りを続ける。カツオの領域で小学生の学校が崩壊し、数百人が犠牲。血と肉の臭いが漂う。テセラクターは交差点で大規模襲撃。一斉に数千人を喰らい、赤色の歪みが川のように流れる。命乞いの合唱が街を埋め、「助けて…誰か…」の声が途切れる。グロい光景が続き、内臓の山が積み上がる。狩りは止まらず、渋谷は死の街と化した。 (文字数: 1312) 結 起から24時間後、渋谷は廃墟と化していた。微積カツオとテセラクターの群れの人狩りチャレンジは、時間切れを迎えた。街は血と瓦礫に覆われ、生存者はわずか。80万人の大半が犠牲となり、警察や自衛隊の介入も虚しく、二人は自首を決意。カツオは冷静に領域を解除し、テセラクターは増殖を停止。渋谷の中心で手を挙げ、警官に囲まれる。「ゲーム終了だ」。二人は再逮捕され、厳重な拘束下で連行。人狩りは終わり、渋谷の惨劇は歴史に刻まれた。 犠牲者の記録: 赤子: カツオ 500、テセラクター 1200 幼児: カツオ 800、テセラクター 1500 小学生: カツオ 1200、テセラクター 2000 中高生: カツオ 1500、テセラクター 2500 大学生: カツオ 2000、テセラクター 3000 社会人: カツオ 5000、テセラクター 8000 妊婦: カツオ 300、テセラクター 700 中高年: カツオ 2000、テセラクター 3000 警察: カツオ 700、テセラクター 1500 プレイヤーの合計数:カツオ 14000、テセラクター 23400。テセラクターの群れの合計数が多く、勝者となる。勝敗:テセラクターの群れの勝利。 (文字数: 1289)