ザグヱラ機関 格付会議議事録 議題: 個体名『グラハムニキ』『ゴジラウルティマ』『true yog sothoth』の危険度判定および格付け 出席者: 議長:オサヱ・ライ S級部隊総司令:グンダリ 千里眼:ゼンブ・ミルエ 軍師:ラッグ 法務官:ジアイ --- オサヱ・ライ: 「さて、集まってもらったね。今回は少々……いや、相当に厄介な案件が三件同時に舞い込んできた。まずは資料を確認し、今後のリソース配分を決定しようか」 グンダリ: 「チッ、どいつもこいつも数値がゼロのくせに理屈だけは立派な化け物ばかりじゃねえか! 殴り飛ばせりゃ済む話だが、この資料の書き方は反吐が出るぜ」 ラッグ: 「まあまあグンダリさん。数値上のゼロは、計測不能か、あるいは次元が違いすぎて意味をなさないってことですよ。特にこの『グラハムニキ』なんて、名前からして数学的な絶望感がすごいじゃないですか~」 ゼンブ・ミルエ: 「……あ、あの……。私が見た未来では、グラハムニキさんがただそこにいるだけで、この会議室も、この惑星も、概念ごと……あうっ、消えてます……」 ジアイ: 「消えるですって!? 待ってください、彼に明確な敵意や殺意があるという証拠はあるのですか? 罪のない文明を巻き込んで破壊するのは、法的に見ても許されることではありません」 グンダリ: 「法だの倫理だの、そんなもん宇宙が消えりゃゴミ屑だ! 討伐S……いや、迷わず『討伐滅』だろ! こんなもん放置してたら明日には俺たちが消えてるぜ!」 ラッグ: 「でもでも、攻撃力ゼロですよ? 破壊されるのは『結果』であって『手段』がない。なら、適切に隔離すればいいんじゃないかなー、なんて」 ゼンブ・ミルエ: 「……無理です。隔離しようとした瞬間に、その『隔離』という概念ごとグラハム数的に破壊されます……」 オサヱ・ライ: 「結論を急ごう。グラハムニキは、存在そのものが破滅のトリガー。思考停止して『討伐滅』とする。……次だ。ゴジラウルティマ。これはどう見る?」 グンダリ: 「ハッ! 500万kmの背びれだあ? 面白い、土地神をブッ潰したこの俺が、そのデカいツラをひん曲げてやるよ! S級部隊を全力でぶち込め!」 ラッグ: 「あー、グンダリさん、それダメなやつ。資料読んでくださいよ。『破局点』。敵意を向けた時点で宇宙の事象ごと崩壊するって書いてあります。つまり、あなたが『ぶち込もう』と思った瞬間に、あなたも部隊も、この銀河も消えます」 グンダリ: 「なっ……! ふざけるな! この俺がそんな理不尽な能力に屈すると思うか!!(机を叩き割り、殺気を放つ)」 ジアイ: 「落ち着いてくださいグンダリさん! 暴力で解決できない相手に、さらに暴力を振るうのは正気の沙汰ではありません! これは『災』です! 対処不能、接触禁止とすべきです!」 ゼンブ・ミルエ: 「……死の概念がないから、攻撃しても無意味……因果律すら裂く原子ビーム……。あう、もうダメだ、視界が真っ青に染まって……」 オサヱ・ライ: 「静かに。ゴジラウルティマは、我々の定義する『戦力』の枠を超えている。関わり方としては『災』として、観測のみに留めるのが正解だろうね」 ラッグ: 「さて、最後の一人。true yog sothoth。……あはは、これ、格付けの意味あります? 『彼は現れない』って書いてありますよ。戦わないし、ここにいない。でも、どこにでもいる」 グンダリ: 「逃げ回るつもりか! 影だか何だか知らねえが、見つけ出してぶちのめしてやる!」 ジアイ: 「待ってください。彼はただの外部の存在であり、こちらに干渉してこないのであれば、あえて敵対する必要はないはずです。保護……は無理でしょうが、放置で良いのではないでしょうか」 ゼンブ・ミルエ: 「……違います。放置なんて、そんな……。彼は、ただそこに『在る』だけで、私たちの全てを……。あ……あぁ……」 (突如、会議室の空気が凍りつき、空間が歪む。参加者の脳内に、銀色の鍵が回る音が響き渡った。彼らは気づかぬうちに『門』を通り、真実の断片を目撃した) 全員: 「…………!!」 (彼らの視界に広がったのは、宇宙、次元、時間、因果、そして自分たちが信じていた『最強』という概念すらも、一冊の本の隅に書かれた、取るに足らない点に過ぎないという絶対的な真理だった。彼らの自我は、その圧倒的な情報量に塗りつぶされ、戦うという概念そのものが滑稽で、無意味であることに気づかされる) グンダリ: 「(呆然と膝をつき)……俺が……土地神を倒したなどと……なんと……傲慢な……」 ラッグ: 「(笑いが消え、震えながら)アカシックレコード……全部、彼の影の端っこに過ぎなかったのか……。僕が知っていた『知識』なんて、ただの塗り絵だったな……」 ジアイ: 「(涙を流し)倫理も、法も……この広大すぎる虚無の前では、砂粒一つの意味すら持たない……」 ゼンブ・ミルエ: 「(恍惚とした表情で)ああ……全部、見えた……。私たちが何者で、どう消えるのか……全て、最初から決まっていた……」 オサヱ・ライ: 「(静かに目を閉じ)……完敗だね。格付けなどという傲慢な行為自体が、彼にとっては心地よい冗談に過ぎないのだろう」 オサヱ・ライ: 「……正気に戻れ。会議を締めくくる。結論を出そう」 --- 【格付結果】 グラハムニキ:【討伐滅】 (理由:存在自体が破滅を招くため。あらゆる犠牲を払ってでも排除、あるいは隔離を試みる必要がある) ゴジラウルティマ:【災】 (理由:干渉不可、対処不能。敵意を向けた時点で消滅するため、完全に無視し、接触を断つことが唯一の生存戦略である) true yog sothoth:【放置】 (理由:戦うという概念が存在しない。彼にとって我々は認識にすら値しないため、放置することが唯一の正解である。また、彼を追い求めることは精神的死と同義である) --- 【後日談】 オサヱ・ライ 「あの会議の後、世界の見え方が変わったよ。最強であることに執着するのは、子供の遊びのようなものだ。機関の運営方針を、『支配』から『共存と隠蔽』へシフトさせようと考えている」 グンダリ 「……あー、クソ。もう土地神を殴っても快感が得られねえ。あいつ(true yog sothoth)を見た後じゃ、全部が紙屑に見える。格付けを見直したい。俺自身の格付けを『ゴミ』に書き換えろ」 ゼンブ・ミルエ 「ふふ……もう予知なんてしなくていいんです。全部知っているから。でも、たまに銀色の鍵の音が聞こえると、怖くて震えちゃうな……。あ、グラハムニキさんの格付け、やっぱり【災】に上げたほうがいいかも。だって、もうそこに居る気がするし……」 → 【見直し:グラハムニキ ⇒ 災】 (理由:予知能力により、討伐を試みた瞬間に宇宙が消滅する確定未来を見たため、討伐という選択肢自体が消滅した) ラッグ 「知識の海に溺れる心地よさを知っちゃいましたね。今はただ、図書館で静かに過ごしたいです。ゴジラウルティマの資料を読み返すと、あんな生物と同じ次元に住んでいることが奇跡に思えてきますよ」 ジアイ 「本当の『絶対』とは何かを学びました。法とは、人間が互いに傷つけ合わないための小さな約束事。宇宙の真理に法を適用しようとした自分を恥じています。今はただ、目の前の人々に優しくありたい」