廃ビルの構造 この廃ビルは、全7階建てで、長年の放置により内部は荒れ果て、窓ガラスは割れ、廊下や部屋にはゴミや破片が散乱している。階段はビルの中央に位置し、エレベーターはすでに故障して動かないため、参加者たちは主に階段を利用して移動することになる。各フロアは以下のような構造である。 1階 エントランスホール。レンガ造りのカウンターと、かつてのロビーの面影を残すソファが広がっている。階段とエレベーターがここに設置されている。入り口は大きなガラスの扉で阻まれている。 2階 会議室が数室あり、天井からは吊るされたプロジェクターが残っている。窓は割れており、暗い影が室内に落ちている。テーブルや椅子が乱雑に置かれ、隠れ場所には最適。 3階 オフィスフロア。デスクやパソコンの残骸が無造作に転がっている。事務用品が散乱し、独特の静けさが漂っている。大きな窓が一つあり、外の視界を得やすい。 4階 倉庫。一見して物が少ないように見えるが、奥の方には古い家具や段ボールが積み上げられて状態が良くない。隠れ場所として利用されることが多い。 5階 地下資料室。古い本や地図、資料が無造作に保管されている。暗く湿った空気が漂っており、音が響くと響く残響が独特な雰囲気を醸し出す。 6階 休憩室。かつてはリラックスできる空間だったが、今や荒廃しており、ソファは破れてクッションが散乱している。あちこちに陶器の破片が点在している。 7階 屋上へのアクセスが可能な階だが、扉は鍵がかかっている。廊下の壁面にはかつての職員の名札が残り、少し不気味な印象を与える。 --- 目覚めの瞬間 赤城紗夜は、薄暗い4階の物置に目を覚ました。彼女の目はまだぼんやりとしており、周囲の静けさの中で彼女の心臓だけが大音量で鼓動している。心の底に潜む警戒心が、今ここにいることの意味を敏感に知らせる。 一方、ロックは3階のオフィスで目を覚ました。彼は食事中の夢から目を覚ますと、久々の静けさと共に無邪気に手に持ったリボルバーを確認した。「やれやれ…」とつぶやきながら、彼は周囲の状況を把握しようとする。 彼らはそれぞれ、互いの存在を感じ取ることはできないがこの廃ビルの中で、戦いが始まる予感がする。 --- 戦闘の幕開け 赤城はまず、自分のナイフを握ると同時に、周囲の血液の流れを敏感に感じ取った。彼女は自らの血液を操作し、少量を水筒から取り出す。手元のナイフに、彼女の血液が流れ込み、青白い光を放つ。これが、彼女の血液を使った格闘術の始まりだった。 「敵がいるなら、すぐに対処しなきゃ…」 ロックは3階の窓から外の様子を見ながら、まだ誰もいない様子を確認した。そうしている間に、彼女の神経は更に研ぎ澄まされ、赤城は階段を上がり、3階へと移動する。だが、彼女はロックが持つ銃に注意を向ける必要がある。 ロックは、少し不気味な静寂の中で、オフィスのピカピカした床に反射した自分の顔を見つめ、「こんなところでまた戦争か…」と呟いた後、自らのリボルバーを握りしめ、部屋を一通り見回した。 4階に移動した赤城は、周囲の物音を利用して相手に近づくことにした。彼女は自身の血液の流れを操作し、少量を自らの筋肉に送り込むことで、身体能力を高めた。手元のナイフを握りしめたまま、静かに階段を降りていく。 ロックは、彼女の気配を感じ取り、身を隠す場所を探しながら徹底的に注意を払った。彼が選んだのは、壊れたデスクの裏側である。 --- 血潮の弾丸 赤城は静かに呼吸し、少しずつロックの居場所へ近づく。すると、突然、彼女は彼の背中に鋭い感覚を感じた。彼女はその瞬間、血液を沸騰させ、熱の弾丸を作り出した。ロックは目の前で、それを放つのを待った。 「おい、誰かいるのか？」彼女は声を張り上げた。 「何か用か？」ロックが冷静に返す。声のトーンから、彼女が見える位置にいないことを確認した。 今、彼女は無駄に焦る必要はなかった。彼女はもう一度、血液の流れを感じ取ろうと心を落ち着け、それをコントロールし始める。自らの血液を駆使し、周囲の空気を支配する。 ロックはその音を聞きながら、体の反応を早める。彼はリボルバーを構え直し、倒れているデスクの影から静かに出て、赤城へと照準を合わせた。「やれやれ…こんな非効率な戦闘は好きじゃないが。」 --- 逃げるが勝ち 戦闘は激化し、ロックは周囲の環境を利用して反撃し、その間に赤城もまた様々な血の技を駆使して応戦した。彼女のナイフ術は光り輝き、その鋭さを強調するものとなった。 「これが血液の力だ！」叫びながら、赤城はナイフを振りかざした。 ロックは冷静にダッジし、彼女の攻撃をかわすことで対抗。リボルバーの一発を撃ちながら、彼女の動きに追いつこうとする。「こういうのは、経験だよ。」 赤城はすばやく彼の弾丸を躱し、そのまま反撃に出る。彼女は一瞬の隙をついて血液を炸裂させ、高熱の弾丸を彼に放ち、ロックはそれをかわしきれなかった。彼のシャツに血液が着弾し、焼け焦げた布が彼の肌に痛みを与えた。 このままでは互角ではないと感じたロックは、また一度自らの技を使うことに決めた。「現地調達！」と叫び、周囲にあった段ボールを掴み、保持してナイフ攻撃を防ぐ素早さで赤城のナイフを打ち払った。 --- 最後の決着 両者は疲れ、痛みを感じながら、戦闘は続く。徐々に赤城は血液を駆使しても限界が近づき、ロックもまた弾薬が減っていくことを悟る。決着がつくまでに、彼らの思考は冷静さと焦りが交錯する。 赤城は一瞬の隙をついて、自らの血液を更に強化し、賭けに出る。「一気に決める…！」と心に誓い、全ての血液をその瞬間に集中させた。 ロックが再びリボルバーを握りしめる。彼は強い視線を持ち、赤城の動きを観察する。「もう限界か？」と彼が呟いた瞬間、迫り来る彼女の技に焦りを感じ、シャッター音が響く。 赤城は見事な一閃を放ち、ロックはそれに反応するものの、「やれやれ、これが限界か…」とつぶやきながら力尽き、そのままダウンしてしまった。 --- 勝者の一歩 ロックが倒れた瞬間、赤城はその場に立ち尽くした。全身が疲労に満ちているが、彼女はその手を緩めることはできなかった。 廃ビルの屋上へと上がる階段を登り、彼女は勝者として、静かにその空間に立ち尽くす。「終わった…私が生き残った…。」彼女の心は疲弊していたが、何か新しいものを得た感覚に満ち満ちていた。外の世界が広がり、彼女の目に映る青空は何か解放感を与えた。 そして、そのまま彼女はビルから出て行く決意を固め、静かに重い扉を押し開けた。彼女の姿は薄明かりの中で、未来へと歩み出す一歩を刻んだ。