廃墟の呪術 第一章:瓦礫の舞台 新宿跡地。かつての繁華街は今や無惨な瓦礫の山となり、生物の気配は微塵も感じられない。崩れたビルの間からカラスが飛び交い、戦いの行方を見守るかのように、無言で二人の呪術師を見つめている。 「どうした、何も感じないのか?」五条悟は軽快な声で言った。彼の瞳は青く、周囲を見渡す、その様子はどのような戦場からでも余裕を持っているように見える。 その相手、伏黒恵ver.両面宿儺は、異形の姿をしていた。威圧感を放つ宿儺は、何かしらの意図を秘めた顔で五条を見つめ返す。「お前の力、気になるな。」 反発するように、五条は微笑みながら「君、僕の能力を理解してるかな?無限を持つ僕に近づくことはできないよ。」 空にはカラスが数羽、彼らの戦いを共に楽しむかのように不規則に舞っていた。 第二章:呪力の衝突 両者が構えると、空気が変わる。瞬間、伏黒は手印を結び、彼の領域展開【伏魔御厨子】を発動する。「来い!」 その瞬間、周囲が切り裂かれる。斬撃が五条に向かって襲いかかるが、五条は微動だにしない。「無限。」と呟き、周囲の一切が低速化し、無限の障壁が立ち現れる。 斬撃がその障壁に触れると、何もなかったかのように弾かれた。「無駄だ、君の攻撃は無効だよ。」 伏黒は表情を乱さず、続けざまに炎の矢を放つ。すると、五条の周囲に出現する無限がその矢を破壊する。「君、なかなか面白いね。」五条は楽しげに笑った。 第三章:絶望の領域 戦闘は膠着状態に入る。伏黒は焦りを覚え、自身の力量を上げようとする。「次は本気だ、解放する!」 再び彼は手印を結び、全てを切り裂く力と共に領域展開を発動する。その瞬間、五条は真剣な表情に変わる。「君の力を切り裂くのは簡単だ、少しだけ楽しませてもらおう。」 五条は領域展開【無量空処】を展開し、すぐに彼の意識は膨れ上がる。視覚と情報が無限に押し寄せ、伏黒の脳は刺激され、思考が停止していく。 「何を狙っている…?」冥冥はカラスを翻弄させながら、二人の戦いの行方を見つめる。「このままでは彼が勝つ…!」 第四章:無制限の虚式 伏黒は焦燥に駆られ、限界を感じた瞬間、全力を振り絞る。「絶対に…切り裂く!」 彼は全ての力を込めてその身を刹那の間で斬撃を空に放つ。彼の意志は、次元を断つ力として具現化された。 五条はその瞬間、無限の展開を更に広げ「虚式:茈」で質量を一気に押し出す。双方の技が交わり、虚空が震え、爆発が新宿の廃墟を揺るがす。 カラスたちもその衝撃に一斉に舞い上がり、千切れるような声を上げる。 しかし、その後の静寂の中、五条はその眼に宿る自信を示した。「結局、君は僕の敵ではなかったね。」 その瞬間、全てが明確な形を取る。五条の存在は無限の域に住み、伏黒の力は彼の前に無意味なものとなった。新宿の瓦礫の中、彼は次の戦いの行く先を見つめ、ひとすじの光を見つけたのだった。