戦場: 黒い城の前 ` 　奉れ、虚無の紅なき者よ。いや、私がこの戦を始めるのだ。` 　薄黒い鎧を身にまとい、威擽鎖 蝗禍（イラクサ オウガ）は余裕の表情を浮かべ、鼻で笑った。 　彼の背後には、侍従のように並ぶ攻城兵器があり、彼の指示を待ち受けている。 　その目は、冷静でありながらも、確信に満ちていた。 　彼は敵の籠城側、大将の様子を一瞬観察する。『魔王幹部オムスラ』と呼ばれるその触手のような存在は、見た目はスライムのような不安定さを秘めているが、内なる力を秘めていることに間違いない。 　`「この城を攻める理由はただ一つ。お前の奪った存在を取り戻すことだ、オムスラ。」` 　彼は挑戦的に、籠城する敵に向かって叫ぶ。 　『魔王幹部オムスラ』は、手元の卵の殻を握りしめ、明るい声で応じた。 `「人間どもはもう終わりだ。卵軍団の力を侮るな！お前の大それた夢を打ち砕いてやる！」` 　彼は高らかに叫び、卵のような容器からユニークな兵士、タマゴスライムを次々と呼び出した。 　タマゴスライムは3つの小さなスライムたち。彼らは、軽やかに戦場に姿を現し、すぐさま城壁の上に向かって跳ね上がった。その姿は可愛らしいが、その攻撃力は侮れない。 　`「おい、タマゴスライムたち、前に出ろ！」` 　オムスラの命令に従って、タマゴスライムはせり出し、攻撃開始の合図を待つ。 　一方、イラクサは、即座に『もしも』の考察を巡らせる。 `「もし、敵が全ての攻撃を外したなら。」` 　そう考えた瞬間、彼は呪文のようにその発想を実現するための指示を日常的に連発する。 　タマゴスライムたちが同時に一斉射撃を行う。卵から放たれた突撃弾がやがて彼の軍隊に向かって進んできた。 　`「私の観察力を侮るな！」` 　イラクサは冷静に命を見込んだ。 　彼は、『もしも、タマゴスライムが自己犠牲を選んだら』と考え、その瞬間、タマゴスライムの一体が自らの身を盾にして砲撃を迎え撃つ。音と共に炸裂し、周囲を光が包み込んだ。 　だが、イラクサの計算通り、敵の攻撃は完全に外れてしまい、むしろ彼の軍勢が無傷で進撃を続ける。 　`「勝利の女神は私たちの味方だ。」` 　彼は自信満々に微笑む。 　一方で、オムスラは焦りを隠せなかった。 `「卵軍団、もう一度だ！見せてやれ、藪に隠れた自分たちがどれほど強力か！」` 　彼は圧倒的な魔力を発動し、戦士たちを追加召喚する。再度、タマゴスライムたちが現れ、連携して攻撃を補う。 　しかし、それでもイラクサは余裕しゃくしゃくで、彼の超観察が示す「もしも」に再び取り掛かる。 `「もしも敵が降参したら、どれほど楽なことだろう？」` 　不意に、オムスラの心に動揺が走った。 　彼は一瞬でもそれを感じ取った瞬間、イラクサの異能が彼にじんわりと向かう。 　`「オムスラ、どうだ？敗北を認めるかそれとも続けるか。」` 　イラクサの声には毒が混じり、艶やかな挑発が瞬時に浸透した。 　タマゴスライムたちも困惑し、ずっしりした空気を纏った。 `「私はまだ、降伏するつもりはない！」` 　オムスラはかろうじて反発したものの、その表情には不安が見え隠れていた。 　`「何を言っているのだ、オムスラ。お前に勝ち目はない。私の言葉が、今や現実としてお前の中に染み渡っている。そのまま、命乞いでもしろや…」` 　彼の言葉が流れると共に、オムスラは体が震えた。 　`「もしもゼッタイに勝つ運命があるなら、私にはもう道はない！」` 　尾を引くように、イラクサは高らかに笑った。 　そして、ふと彼は心で思索を巡らせた。 `「もしも、援軍が到着したら、100%勝利に繋がるという期待感がなければ意味がない。」` 　彼は全トリガーをゆっくりと動かし、現実の瞬間を閉じ込めようとした。 　その瞬間、城の遠くから歓声が響く。 　`「来たぞ、援軍！我々がやってきた！」` 　籠城側から次々と新たな戦士たちが姿を現した。 　彼らはオムスラにを後ろから支える形で続々と現れ、その数は膨大であった。 　`「援軍、ついに来た！立ち上がれ、我々は勝つために！」` 　不安が消え、オムスラは意を決して勇気を改めた。 　サポートが背中を押し、新たな風が城に吹き入る。 　イラクサは受けて立つも、冷静さを失わなかった。 `「まさか、個々の力に頼って勝てると思っているか？」` 　その瞬間、圧倒的な応酬が始まった。 　スライムと剣士たちがにらみ合い、戦いの火花が散る。 　交戦が展開され、両軍の技術が挟撃されつつ次々と飛び交う。 　しかし、イラクサは豊富な「もしも」に賭け、邪悪を蔓延させ続けた。 `「誰もが、全うに死ぬ！もし敵が尽き果てて自滅したら…」` 　籠城側は比較的有利な状況にあったが、彼の一貫とした有利な仮定は、意図的に穏位を変えさせる。 　`「無情だ、こうやって繰り返されるのか…」` 　オムスラは強力な呪文を叫ぶが、イラクサの「もしも」がそれを打ち消してしまう。 　最終的に、イラクサが選ぶべき勝利条件が揃った。 `「さあ、これで決まりだ。私が価値を見せる日が来た。」` 　彼はすべてを無視して笑った。 　援軍が劣勢となり、協力者はいかにもうつろな形を保ちながら後退を面識。 　`「援軍を持っても、勝てぬという事だ…」` 　オムスラの絶叫が響き渡り、全てが暗闇に包まれていくようだった。 　そして、イラクサは冷酷に感じ始める。「なら、これより戦の終わりだ…」 　### 最終結果 　Aチームの勝利。