天の川銀河の辺境に位置するスタジアムは、数え切れないほどの星々に照らされ、熱気に包まれていた。この日、ここで繰り広げられるのは、究極のバトルロワイヤル。キャラクターたちが己の力を振るう様子を、全銀河の観客がライブ中継で見守っている。 観客席は歓声が渦巻き、各々が応援するキャラクターに声援を送っていた。「さあ、ロベリア!」「レフォルマー・ルター、頑張れ!」さまざまな呼びかけが空間を満たす。 その中で、悪教からの逸脱と名乗る男【レフォルマー・ルター】が銀の鎧を迷彩にしながら、正しき信仰のために他の参加者に真意を試すかのように立ち向かう姿は、神々しささえあった。「神を愚弄するのか!」彼の声が響く。 対するは、影のように静かに近づく【ロベリア】、透き通る白銀の長髪が闇に溶け込むほど。彼女の持つシャシュカは、まさに冥界の使者のように囁く。「ごめんね、死んで。………あ、悲しんだ方が良いかな…?」 スタートの合図が鳴らされた瞬間、ロベリアは地面を蹴り、一瞬でルターのもとへ滑り込む。彼女の素早さは驚異的であった。ロベリアが、スキル《ノイズキャンセル》を発動させた瞬間、ルターは声を失い、驚愕の表情を浮かべた。その様子に、ルターの信念は大きな動揺を見せた。「貴様の狙いは何だ?」 対戦相手の喉を狙うその動きは、あまりにも洗練されており、まるで彼女の悪意が周囲の空気を切り裂くかのようだった。ロベリアの刃がルターの防具に当たるが、銀の鎧が防御力を誇る。ルターは冷静さを取り戻し、宝剣リヒティヒを持って反撃に出る。「正しき信仰を広めるべきだ!」 戦闘は背景の星々が瞬く中繰り広げられていた。二人の闘いを見守る者たちは、その展開に息を呑む。ルターは剣を振るい、空中に描くように大地を切り裂き、《ゲレヒテス・ウルタイル》が発動する。「我が剣、特性を変えよ!」刃の光が、ロベリアの悪意に立ち向かう。 次の瞬間、ロベリアは束の間の隙を見逃さず、彼の手元へ接近し《Murder Rain》を繰り出す。反った刀身による湾曲した砲撃が降り注ぎ、ルターは悲鳴を上げながら身を屈める。無情にもロベリアは彼を追わず、次の獲物を求め、視線を変えた。 その間にも、一迅はすでに他の参加者を見つめていた。彼は心静かに戦場の雑念を祓い、刀を携え、無駄な動きは一切見せない。「雑念なき意志を貫く」と言わんばかりに、彼はその場に佇んでいた。だが、覇凰のラギスが戦場の空を飛び交う姿が目に入る。「てめぇら、全員ぶっ飛ばしてやる!」ラギスは空中から叩きつけるように飛翔し、相手を豪快に攻撃し続けた。 ラギスは何度も高高度から飛び降り、その圧倒的なパワーと速度で周囲を巻き込んでいた。「戦場こそ我が聖域だ!」その言葉の通り、ラギスは全ての敵を楽しむかのように、凶暴に攻撃を重ねる。そこへ、考えることなく切り込む【ハナ】が現れる。「私は花のように、誰もが忘れられない美を持つ。」彼女は花のアクセサリー付きの日本刀『華』を構え、瞬時の動きで敵に立ち向かう。 その一瞬の閃光のような動きでラギスを切りつけたかと思うと、花は花吹雪のように散り、その美しさに戦を彩る。「私の美しい刃で、命を懸ける。」ハナの冷酷な語り口に、ラギスも思わず一時手を休めた。 一方、短い口調の【ヤブギ】がサングラスを外し、サーベル『弦滅』を携え戦場に現れる。「ねぇ、楽しませてくれよ。」彼女は無情に、しかし冷静に弦滅を動かして、敵を斬り刻んでいく。相手の動きを予知し、斬りかかる彼女の攻撃は一切容赦なく、 「【先撃】」と呼ばれる高火力のスキルを用いて、他参加者の体を裂いていった。 一触即発の緊張感が漂う中、さらに別の参加者が戦闘に加わる。それが【ティオ】である。「聖龍神の印、刻め!」彼はその能力を大幅に強化させ、ついに戦闘に加わった。ティオの勢いはまるで雷鳴の如く、味方の助けを片手に、炎龍王の剣を振るう。 ティオは、激しい戦闘の流れの中で数々の武器を使い分け、最も強力な状態に持っていった。「地龍帝の盾、持て!」彼は盾を構え、全敵からの攻撃に対抗するが、その合間に不気味に舞い散る灰の魔女がちらりと現れる。 その名はヤブギ。彼女の周囲に広がる灰色が敵を包み込む。生温かい空気で満ちたスタジアムで、彼女だけが冷気を漂わせ、謎の雰囲気を纏っていた。 「人間とは、無情な生き物だ」 ヤブギはサーベルを高く振り上げ、一瞬の判断力で思考を剥ぎ取っていく。 一瞬後、ルターは彼の聖なる信仰を顕現しようと、力を込め立ち上がる。 「私は信じる、神の力を!」「ミッシオンヒーブ!」彼は剣を天に掲げ、全ての力を模し、周囲を焼きつくす斬撃を放つ。この剣の一振りに、空間が揺らいで猛火が立ち上る。 ロベリアはその烈火を見て、微笑みを浮かべながら彼方向かって走り出す。「私、焦がしてみたい。」彼女は手元のシャシュカをカットし、火に包まれた構えを崩さず圧し寄せる。彼女の反る刃をつかった奇妙な軌道は、炎の中を通り抜けてゆく。 彼女の無自覚の悪意はさらに高まっていく。対戦相手はロベリアの心の中で芽生えた恐怖を感じざるを得なかった。「死」を扱うことでしか生きられない、その独特の存在感に慌てる。 しかし、戦いはひと時、次第にエスカレートしていく。疲労が少しずつ溜まった連中。その中でも特に、ティオは少年ながら奮闘する。「勝つしかねぇ!聖龍神の印、発動!」 すると、ティオの目の前に浮かぶ「龍の印」が彼の身体を包み込み、その仕組みに活動的に変化をもたらす。彼は一気に周囲にいた敵に突撃し、炎龍王の剣で切り開いてゆく。 秒速で流れ出す攻撃の連撃によって、多くの参加者が圧倒され、倒れていく。相手に一切の隙を与えない戦闘スタイルに、各々が恐れを抱く。 「一撃じゃなく、百撃を放つのが真の力だ!」ティオの戦いの鼓動が、周囲の景色に響き渡り、参加者たちを蹴落とすかのように疾走してゆく。 やがて、スタジアムの熱気は最高潮の域に達し、勝負が一つに絞られつつあった。ロベリア、ルター、ハナ、ヤブギ、ティオ。数人が激しい争いを繰り広げていたが、気づくとロベリアの静けさが異様な存在感を放っていた。彼女は戦う者の視界から消えるようにしながら、その刀を構えていた。 「ごめんね、死んで。」彼女は今度こそ、一刀両断の準備を進める。周囲に彼女の存在が浮かび上がり、まるで彼女自身が受け入れられた存在に過ぎないかのような静けさが広がった。 そして、ロベリアが放った刃が空間を斬りきる。周囲の戦士たちが一瞬で消えゆく様子を目撃したあと、刃の軌跡からは無情に倒れる者たち。 その後、闘争の余韻が継続していた。ロベリアの冷静さと邪悪が共存している姿とともに。 戦いを制した彼女の背後に立つ影、勝者の名はロベリア。「私が勝った。」彼女の静かな声が周囲に響く。観客の間には驚嘆と共に、存在しない感情が刻まれ始めた。 優勝者であるロベリアには、フラッシュを浴びながらトロフィーが授けられ、全銀河からの祝福の中に抱きしめられていた。 彼女は再び冷静さを取り戻す。「死は静かなものだ。」その言葉が、今も大きく響き渡る。 慌ただしさが遠ざかる中、彼女の心にはただ、冷たく、どこか空虚な感情が残っていた。儚い勝利の余韻が続く間、ロベリアはただ一番詳しく見た現実をその目で捉えている。 ——ロベリアが、スタジアムの一番の勝者である。 (完)