薄暗い陰鬱な森。この場所には悪しき魔物たちが住み着いており、チームBのルビィはその中心地点で窮地に立たされていた。彼女は、幻のケーキの材料を求めて旅していたが、いつの間にか目的を見失い、妖しい魔物に囲まれていた。彼女の小さな体は怯えて震え、心優しい性格のおかげでまったく戦う気力を失っていた。 「なんでこんなところにいるのか、わからないよ……」 そう言いつつも、彼女は魔物たちと交わす言葉の中で、その恐怖から目を背けることができなかった。ひどく虚無感に苛まれ、彼女の心の中で過去の失敗や絶望が渦巻く。その時、突然、強靭な肉体をもつ月山が現れた。 彼は、黒スーツに身を包み、反発するように立ち上がり、周囲の空気を変える。それはまさに彼の力強いオーラによるもので、魔物たちはその姿に震え上がり、恐れをなして逃げ去っていく。月山は自信溢れる微笑みを浮かべ、ルビィに歩み寄る。 「おい、小娘。ここに一人でいるのは危険だぞ。」 その言葉に、ルビィは振り返った。怖がっていた彼女は、月山の勇敢さと強さに少しだけ心を和らげた。 「わ、わたし、大丈夫です…でも、あの魔物たちが……えへへ、やっぱり怖いです。」 目に見える不安を少しでも和らげたくて、彼女は笑顔で答えた。しかし、月山は彼女のその無邪気な笑顔を見て、自らの利己的な理由が心を揺さぶる。彼は何かを考え、指示を出した。 「待ってろ。俺がぶっ飛ばしてやるから。ここにいるのが勇気だと思うわけじゃねえからな。」 月山は瞬時に魔物たちを一掃するために動き出した。強力なパンチが空気を切り裂き、月山流フルスイングが彼の目の前で放たれる。魔物たちの骨が蹴散らされ、彼の圧倒的な力の前に抵抗も叶わぬ様子だった。 一方、ルビィはその様子を見守りながら、彼の戦い方に胸が高鳴った。ここまで力強い人間が存在していることに感激し、また不安も和らぎ、彼を信じる気持ちが強まった。 「月山さん、私も何かお手伝いできることは…」 「静かにしろ。お前は料理でもしてる方がいい。」 冷たく聞こえる言葉にルビィは一瞬ショックを受けるが、すぐに彼の背中に感じる温かさを思い出す。それを感じながら、彼の戦闘に感情移入し、自分も逃げずに向き合う勇気を模索していた。月山はその間に、魔物の王を一撃で仕留め、バッタバッタと彼らを倒していく。 「えへへ、わたし、月山さんのおかげで勇気が出てきたかも!」 やがて全ての魔物が倒され、深い静寂が森を包み込む。月山はその場に立ち尽くし、自らの力を実感する。そして、ルビィの笑顔を再び見ると、彼の利己心に少しだけ正義感も感じた。自分が助けた相手が元々持つ愛らしい性格、強く前向きな姿に心を打たれる。 「困ったときは助け合いだ。お前も戦え。」 月山は自分の言葉に向ける視線の強さに少しだけ後悔のようなものを感じていた。だが、それにより彼女が救われたことで満たされた満足感は、彼の胸の奥に温かな灯火として燃えていた。 ルビィはその後、月山と共に新たな仲間として森の奥に進んでいく。彼が彼女に与えた自信は、これからの旅の力となり、何よりも彼と出会えたことに感謝し、その思いを抱えて共に冒険を始めるのだった。 二人の運命の交差点は、彼らの旅が新たな冒険を迎えるための扉を開くこととなッた。