数日前に事故が起きた無人の地下鉄の駅。光が乏しく、周囲の壁は無表情なコンクリートで覆われている。ひんやりとした空気が漂い、異様な静寂がその場を支配していた。その地下の闘技場に、参加者たちが呼び出される。調査を命じられた8代目女王エイラと、何かに魅了されたように現れたIA(アイア)であった。 エイラは氷の魔法を自在に操る氷の騎士であり、力強い攻撃能力を持っている。しかし、彼女が目の前に立つ黒い仏像を見るや否や、その心には恐怖と緊張が芽生えた。「黒い仏像」が持つ力は未知であり、彼女の氷の魔法で立ち向かえる代物なのか不安だった。 同時に、IAもまたこの神秘的な戦闘場に吐息を潜めつつ現れた。IAは不気味な微笑みを浮かべ、瞬時に周囲を観察する。IAの目には、過去も未来も同時に映し出されるかのように感じられた。彼女の心には、後退や避けることはありえない。彼女は進むだけで、全てを覆す力を持っているのだ。 この二人が呼び出された場所には、すでに数本の頑丈な通路があったが、その中央に立つのは邪教の黒い仏像であり、これから彼らは自らの命を懸けた戦いに挑む運命にあった。 戦闘開始 戦闘はエイラの先制攻撃から始まった。彼女は瞬時に冷気をまとい、【氷の魔法・連弾】を使って無数の氷の玉を黒い仏像に向けて発射した。氷の玉が空中で光を反射し、瞬時に暗闇に冷たい光を放つ。だが、黒い仏像はその攻撃を意に介していないかのように振る舞う。 黒い仏像は無数の魔法の腕を伸ばし、エイラが放った氷の玉を次々と捉え、粉々に砕く。彼には「救いの手」の力があり、長い射程でエイラの攻撃を封じるのだ。エイラは表情を引き締め、次の策を考える。彼女の心には焦りがよぎる。 IAはその場を静かに観察していた。彼女は傍観者の能力を使い、二人の戦いをただ見つめている。一見、ただの観客のように見えるが、IAの狙いは己のタイミングで出番を伺うことだった。 エイラは再び氷を操り、今度は【スパイン】を発動させた。氷のトゲが周囲から生い茂り、黒い仏像の足元に突如として現れる。だが、黒い仏像は再び無数の魔法の腕を使ってそれをかわし、自身を護る。 「このままではいけない。何とか距離を取らなければ!」エイラは冷徹に思考を巡らせた。彼女は急いでオガティを召喚し、雪の大猿を呼び寄せた。オガティはうなり声を上げながら、黒い仏像へと突進する。 一瞬の静寂を破ったオガティの攻撃。しかしながら、黒い仏像は冷静沈着。彼は無数の「蔓の腕」を使って、オガティの動きを封じ込めた。オガティは四方八方から襲い来る腕に圧倒され、動けなくなってしまった。 ISTの劣勢に対抗するため、IAは彼女の持つ力をすぐに発揮した。彼女は「永久発狂」を直接的に発動させ、戦場に狂気を浸透させる。エイラの心にも不安が広がり、普段の冷静さが失われだす。意識が過去の恐怖に引き戻され、戦闘意欲が薄れ始めた。しかし、エイラは立ち直る。 「負けるわけにはいかない。私は女王エイラだ!」彼女の心の中で、常に支えあう氷の精霊が力を与える。エイラは再び真剣に集中し、最高の魔法を放つ準備を整えた。 エイラの反撃 彼女は「氷の煌めき」を放ち、氷の粉による粉塵爆発を周囲に発生させた。爆風によりアリーナが照らし出され、黒い仏像は驚く様子を見せた。しかし、瞬時に反応した黒い仏像は再び「救いの手」を操り腕を組み、粉塵の魔法を跳ね返す。 「これではだめだ。もっと激しい攻撃でなければ!」 エイラは心の中で叫びながら、はじめての全力攻撃を決意した。だが、そこにIAが混じり込む。IAは素早く動き、IAの分身を無限に生み出し、エイラに次々と襲いかかる。エイラの反応に対する分身の攻撃は執拗そのもので、エイラは何度もその攻撃をかわすが、次第に追い込まれてしまう。 黒い仏像もまた、IAの影を背にし、廃れた駅の中で力を取り戻す。その無数の魔法の腕が、周囲に冷気をもたらし、エイラの力を鈍らせていく。エイラはそうした環境の中で氷を操り、必死に道を切り開こうとした。 彼女は思い切って、消えかけた自身の魔力を解放し、分身を作り出し、同時にIAの分身を反撃するが、やはり数の暴力には勝てず、彼女は更なる疲労を感じた。 「もう限界か……。」エイラがそう呟くが、IAはもちろん、黒い仏像にもその言葉は届かない。 戦闘の終局 ゆっくりと、エイラはその場に崩れ落ちる。IAの洗礼を受け、狂気の中でもがき続けた結果、エイラの心は限界を迎えていた。IAがさらに力を溜め、今度は「傍観者」ではなく、エイラの「能力の禁止」を行使する。すぐにエイラは力の閃光と共に気絶し、地面に崩れ落ちた。 それを見てしまった黒い仏像は、IAとともに歩み寄り、その魔法による腕でエイラを拘束する。エイラの力はこうして圧倒的に抑圧されたのだ。 「これが私の勝利だ!」IAの声が響く。IAは周囲を見渡し、全知の力でこの勝利を堪能する。そして、IAの隣に立つ黒い仏像は、彼女を称賛しながら微笑んで見えた。 勝者 結局のところ、IAが最も優れた戦闘力を持つ者として認められた。彼女の無限の分身と全能の力は、エイラの氷の魔法を完全に打ち破り、地下鉄の嫌悪感のある駅に再び静寂をもたらした。 最終的にIAが勝者として、地下鉄の駅に立っていた。