第一章:開幕宣言と狂乱のラインナップ! 空に浮かぶ豪華絢爛な審判席。そこには、汗を飛び散らせて興奮する42歳の男、追加審判がいた。 「うぉぉぉ!!待ってましたぁ!!ルールなんて二の次!法なんて三の次!とにかく熱くて豪快な走りを俺に見せてくれぇぇ!!いけぇぇ!!」 実況席では、ハイテンションなお姉さんと、酒臭い雰囲気の荒々しいおっさんがマイクを握っていた。 お姉さん:「さあ始まりました!全長5km、一般公道を利用したカオス・レース!ルールは簡単、『交通ルールを守ってゴールしろ』!でも、守らなくてもいい!ただし、違反した瞬間、地獄の警察(《ж》)があなたを捕まえに来ますよー!!」 おっさん:「ケッ、どいつもこいつも正気じゃねえな。信号無視してぶっ飛ばす奴を、絶望的な覚悟で待ち構えてる警官どもの顔が見ものだぜ。ま、俺は誰が一番派手に散るかに賭けてるがな!」 参加者たちがスタートラインに集結する。そこには、あまりにも不釣り合いな面々が揃っていた。 【参加者1:久田IS7】 「ニンニン♪ IS7、準備万端でござる!忍者として、静かに、速く、そして……ドカンとゴールしますよ!見ていてくださいな、殿!」 (機体:IS-7重戦車。見た目は戦車だが、心は忍。ピッグテールの狐耳が激しく揺れている。重量68tの鉄塊が、なぜか「忍術」を使いこなすという暴論の塊) 【参加者2:白夜 光治】 「……効率的に、最短距離で。無駄な争いは避けるが、妨害されるなら排除する。それだけだ」 (機体:運営が用意した【超高機動・白銀のホバーボード】。白槍を携え、冷徹な眼差しで前方を凝視する。彼にとってレースは単なる最適解の導出に過ぎない) 【参加者3:アル】 「……生き残るためには、火力こそが正義ですから。不慣れなレースですが、道を塞ぐものは全て排除して進みますね……」 (機体:ギプロベルデ製【超重装甲・四脚戦術歩行機】。もはや戦車に近い重量感。身の丈を超える巨大な銃器をいくつも装備し、丁寧な口調とは裏腹に周囲を威圧する) そして、道端には「捕食者」たちが潜んでいた。 【警察側:ラフザ】 「(あくび)……ふぁ。仕事、仕事。早く終わらせて帰ってポテチ食べながらダラダラしたい……。あ、でも違反者は逃しませんよ。私の糸は逃げられないから」 (装備:不可視の特殊細糸。白衣をなびかせ、丸眼鏡の奥で冷徹な捕縛の計算を行う。対能力者部隊の至宝) 【警察側:彩夏】 「あはは!楽しみだねー!零、準備はいい? 派手に暴れる奴がいたら、遠慮なくぶち抜いちゃっていいよね!」 AI・零:「肯定します。対象の行動予測完了。彩夏様、直感に従い、最も効率的なタイミングで射撃してください」 (装備:可変弾薬射撃銃。太陽のような笑顔で、標的に対して絶望的な弾丸を叩き込む狙撃手) 追加審判:「いいかぁ!!地味な真似をしたらポイントを引くぞ!派手に、豪快に、暴れろぉぉ!!」 お姉さん:「それでは!スタートの合図と共に、地獄の5km、スタートです!!!」 --- 第二章:混沌の5km!爆走・爆破・捕縛のシンフォニー 「ピーーーッ!!」 号砲と共に、地響きが鳴った。最初に飛び出したのは、久田IS7である。 「いきます!手裏剣!Огонь!!」 ニンニンと叫びながら放たれたのは、手裏剣ではなく130mm徹甲弾。スタート直後のアスファルトを派手に爆砕し、その反動で自らの巨体を前方に加速させるという、狂った加速術である。 おっさん:「ぎゃはは!スタートから道路を破壊しやがった!豪快だぜ!」 追加審判:「うぉぉぉ!!いいぞ!!ポイント1点付与だ!!」 その後ろから、アルが四脚機動外肢を激しく駆動させ、ガンドヴォルクを乱射しながら追う。道路脇のガードレールが飴のように溶け、一般車がパニックに陥るが、アルは丁寧な口調で「すみません、どいてくださいね」と言いながら、邪魔な看板を崩壊弾で消し飛ばして突き進む。 一方、白夜光治はホバーボードで音もなく滑走していた。信号は赤。だが、彼は迷わず加速する。交通法規など、彼にとってはこの状況では不合理な制約に過ぎない。 その瞬間、道路脇の植え込みから、白い影が飛び出した。 「はい、信号無視。確保します」 ラフザである。彼女は白衣を翻し、指先から不可視の細糸を瞬時に展開。白夜のホバーボードの車輪(ホバー部)に、複雑な幾何学模様の糸を絡ませる。 白夜:「(……速い。だが、読み切っている)」 白夜は【反析】を展開。槍を円状に振り回し、迫り来る糸を弾き飛ばすと同時に、その構造を解析した。しかし、ラフザの糸は生き物のように軌道を変え、彼の足首を狙う。 お姉さん:「おっと!警察側、ラフザさんがいきなり本気です!白夜さん、絶体絶命か!?」 白夜は空中で身をよじり、【蛇光異突】の軌道を応用して糸を回避。しかし、その回避行動は「地味」であった。 追加審判:「おい!!今の避け方は地味すぎるぞ!!ポイント3点減点だ!!」 白夜:「(……!? 審判の基準が支離滅裂すぎる)」 その頃、コース中盤では久田IS7が「隠れ身の術」を試みていた。68トンの戦車が、小さな街路樹の陰に隠れようとしている。当然、尻も砲塔も丸見えである。 「ニンニン♪ 私はここに居ませんぞ!」 「あはは!見えてるよー!!」 上空から快活な声が響く。彩夏がビルの屋上から、零の索敵データに基づき狙撃を開始した。 【弾丸変更:爐剛杭弾】 「いっけぇぇ!!」 超高熱の杭型弾丸が久田IS7の装甲に突き刺さる。激しい爆発と炎が戦車を包み込むが、IS7はもともと重装甲である。爆炎の中で、彼女はさらにテンションを上げた。 久田IS7:「熱い!熱いでござる!これが忍の試練!お返しです!Огонь!!」 130mm砲が彩夏の潜むビルの一角を直撃。ビルが派手に崩落し、瓦礫が舞い上がる。凄まじい破壊力に、実況席まで震えていた。 おっさん:「ひょー!ビルをぶっ壊して対抗か!最高だぜ!」 追加審判:「うぉぉぉ!!これだ!!この豪快さだ!!久田にポイント1点!!」 しかし、崩落した瓦礫の中から、彩夏はひょいと飛び出した。零が事前に崩落地点を予測し、回避させていたのだ。 彩夏:「あはは、惜しい!でも、ここからが本番だよ!」 レースは終盤、残り1kmへと差し掛かる。参加者はアル、白夜、そしてボロボロながらも突き進む久田IS7の3人に絞られていた。だが、彼らの前には、絶望的な光景が広がっていた。 道路を完全に封鎖するように、数百人の一般警察官が「絶命覚悟」の表情で並んでいる。その中心には、あくびをしながら糸を操るラフザと、弾丸を装填し直す彩夏がいた。 ラフザ:「あー、もう疲れました。まとめて捕まえて、早く家に帰りたいです……」 彩夏:「いいじゃん、最後は派手にいこうよ! 零、準備はいい?」 零:「準備完了。対象の全ルートを封鎖しました。逃走確率は0.02%です」 アルは、目の前の壁のような警察軍団を見て、震え上がった。 「……無理です。火力で押し切るには、人数が多すぎます……っ!」 アルはガンドヴォルクを乱射し、強引に突破を図る。だが、ラフザの指が動いた。 【瞬九流捕縛術壱式:無能無肢】 不可視の糸が、アルの四脚機動外肢を、そして彼女の腕を、一瞬にして完璧に拘束した。関節一つ動かせない。完璧な無力化である。 アル:「え……? ああぁ! 離してください!! 誰かぁ!!(泣)」 白夜は【真眼】を起動し、糸の隙間を見つけ出そうとする。だが、彩夏がそれを許さない。 【終幕奥義:全弾装填・標末焉弾】 「全部乗せで、バイバイ!!」 万物を貫通する絶対理の弾丸が放たれた。白夜は【反析】で防ごうとしたが、この弾丸は「反転」すらも貫通する。衝撃波が白夜を襲い、彼はホバーボードごとコース外へ吹き飛ばされた。 白夜:「(……計算外だ。このレースの理は、あまりに……不条理すぎる)」 最後に残ったのは久田IS7のみ。 久田IS7:「最後は……忍法・超特急突撃でござるー!!」 68トンの鉄塊が、時速100kmオーバーで警察軍団に突っ込む。一般警官たちが悲鳴を上げながら散る中、ラフザが静かに呟いた。 「もう、本当に帰りたいので」 【瞬九流捕縛術弐式:識絶之陣】 直径3kmに及ぶ超巨大な糸の法陣が瞬時に展開される。その範囲内にいた全ての参加者の意識が、強制的に断絶した。 久田IS7:「……ニン……ニン……(ガクッ)」 戦車が激しい音を立てて停止し、静寂が訪れた。ゴールラインまで、あとわずか10メートルというところで、全ての挑戦者が沈黙したのである。 お姉さん:「あーーー!! 全員捕縛!! ゴール直前で全滅です!!」 おっさん:「ひでぇな! 完膚なきまで叩きのめしやがった! これが《ж》の恐ろしさか!」 追加審判:「うぉぉぉ!! 最後は一気に片付ける豪快さ!! ラフザと彩夏に大量ポイントだ!!」 --- 第三章:結末と、後日の静寂 レース終了後。ゴール後の参加者には警察は干渉しないルールだったが、彼らはゴールする前に捕まっていたため、当然ながら警察署へと連行された。 【レース結果】 1位:なし(全員ゴール前に捕縛) 【参加者の結末】 久田IS7:【捕縛成功】 結末:意識を飛ばされ、そのまま大型レッカー車で運ばれた。 感想:「ニンニン……。次はもっと、隠密(物理的に見えないサイズ)になって戻ってきますぞ……(白目)」 白夜 光治:【捕縛成功】 結末:標末焉弾の衝撃で気絶し、そのまま警察に回収された。 感想:「……人生で初めて、計算が全く合わない出来事だった。特にあの審判の採点基準は、論理的にありえない……」 アル:【捕縛成功】 結末:糸でぐるぐる巻きにされ、泣きながら連行された。 感想:「うぅ……怖かったです……。やっぱり、生き残るためには、もっと大きな銃が必要です……(ぐすん)」 【警察側の結末】 ラフザ:【任務完了】 結末:大量の審判ポイントを獲得したが、本人は全く興味なし。即座に帰宅し、パジャマに着替えてポテチを食べ始めた。 感想:「仕事終わったー。もう一週間は布団から出ません」 * 彩夏:【任務完了】 結末:大満足の表情で、零と共に激辛ラーメンを食べて祝杯を挙げた。 感想:「最高に楽しかったね! 零、次もまた面白い奴らが来ないかな!」 追加審判は、満足げに空の席から降りていった。 「いいレースだったぁ!! 次回も、もっとデカい爆発を期待してるぞ!!」 こうして、街に平和(と、大量の道路補修工事)が戻ってきた。一般の人々は、なぜ道路に戦車の轍があり、ビルの一部が消えているのかを考え抜いたが、結局「まあ、この街だからな」で納得したという。 【完】