闘技場に昇る四つの門が重く開き、観客の歓声が響く。そこには、毒蛇の契約者、羽生屋錬太郎が蛇柄のスーツを着込み、鋭い目を光らせていた。彼の周りに漂う緊張感は異様で、彼の存在が戦場に波紋を呼ぶ。 「しにムカつく……!このバトル、俺のものだ!」彼は牙のピアスを揺らしながら、冷徹な視線を投げかける。しかし、その冷静さの裏には、熾烈な勝利への執念が宿っていた。 北の門から現れたのは、怒る蛇ムシュフシュ。紫の体をした細長い獣が、豪快に地面を這いずりながらにじり寄る。観客の間に恐怖が広がる。「こいつ、まさか……直接やられるのか?」 東の門から現れたのは、回復士の面をかぶる《回復殺し》。紅白のローブを翻し、彼は一見無害に見えるが、その目には狂気が宿っていた。「皆に回復を……さあ、あなたたちも必要ないはずよ?」不気味な笑みを浮かべる。 そして西の門から姿を見せたのは、ノビチョク。無色無臭の致死性が漂う彼は、戦場を覆う有害な霧として現れる。「さあ、吸い込んで。気付かぬまま、貴方は死にゆくのよ……」 戦闘が始まると、羽生屋錬太郎はすぐに蛇の毒を操り、濃縮された蛇毒をコントロール。五匹の蛇を生み出し、敵へと送り込む。「行け、毒蛇!お前たちがこの場を支配するんだ!」 ムシュフシュは次々と迫る蛇に対し、獲物を捕らえるようにしっぽを巻きつける。「グワッ!」その反撃は、麻痺がつき、痛みを与える。「やっぱり強ぇな、お前……!」 しかし、回復殺しが側から近づく。「大丈夫よ、いい治療をしてあげる。」そう言いながら、彼女はムシュフシュの体に手をかざす。しかし、すぐに異常が起きる。「これは……その体が壊れてしまうわ!」 混乱の嵐、ノビチョクの霧が拡大する中、敵が次々と感染し始めた。「なんだこの臭いは……クソ、ダメだ、力が抜け……!」 毒が浸透し、麻痺した筋肉が動かない。恐怖にさえ襲われながら、羽生屋は「まだ終わりじゃない……!行け、俺の蛇たち!」最後の力を振り絞り、巨大化した毒蛇を放つ。 そこへ、最も恐ろしい一撃が舞い降りる。それは、怒る蛇ムシュフシュの「とてもくさいいき!」周囲を覆う異臭の霧、全てを麻痺させ、毒に染め上げる。 全てが色を失い、羽生屋と回復殺しが倒れる。宙を舞う猛毒のブレスが、戦場を支配する。しかし、何よりも恐ろしいのは、回復死人を生むその者が、ノビチョクで近づく者を完全に排除していたということ。彼目当てで飛び込んだ者も、力を失い僅かに残った希望を失っていく。 試合の最後には、森の奥で目を覚ます壊れた心の回復士が、一つの勝者を見上げていた。再びこの地を治療しなくてはならない、名もなき恐怖の死神《最強の回復士》、その名も《回復殺し》。 「次は、もっといい治療をしてあげるわ」 勝者は《回復殺し》となった。