大聖堂の高い天井には、教会の光が差し込み、そこに集まった影が暗闇の中で蠢いていた。聖なる場所であるはずのこの空間は、今や戦闘の場と化している。そこに立っているのは、冷酷さを秘めた穏やかな笑みを浮かべた枢機卿、クリスタ。そして、彼の前に立ちはだかる二人の戦士、狼獣人のメルナ・ウールと少年猟師ライ・ファデンである。 クリスタは、手に持つ長剣「懺悔」を静かに構えた。この剣は逆十字を模しており、聖なる力を宿している。彼は低い声で呟いた。「神の名のもとに、あなたたちを清める。　」その声には、誰もが恐れる冷酷な威厳があった。 「なんだか、妙に緊張するな。」メルナは明るい声を上げ、無邪気に笑った。だが、その内心には戦いへの期待がみなぎっていた。彼女の爪は野生の本能を思わせる鋭さを放っている。 「気を引き締めよう、メルナ。相手はただの司祭ではない。」ライは彼女を一瞥し、冷静な表情でクリスタを見つめ返した。 戦闘の合図がないまま、メルナが突進した。彼女はジンロウ流格闘術を駆使し、敵の死角に潜り込み、鋭い連撃でクリスタに向かって跳躍する。「雄たけび、いくよ！」彼女の声とともに、クリスタは瞬時に彼女の動きを見切った。 「聖磔！」クリスタが叫ぶと、空中に光の十字架が現れ、メルナを囲むように展開した。彼女の身体が光に包まれるが、直感が警告する。メルナは軽やかに身を翻し、クリスタの攻撃をかわしたが、その反動で彼女は地面を蹴り返り、クリスタの背後へと回る。 「狼爪！」彼女が振り下ろした爪がクリスタの背中をかすめる。だが、クリスタはその攻撃をかろうじて防いだ。彼はすぐに反撃に転じ、長剣を振るい、メルナを打ちのめそうと試みる。しかし、その動きは迅速で、メルナは即座に反応して距離を取った。 「おや、攻撃が来ないみたいだね…もしかして、疲れちゃった？」メルナは不敵な笑みを浮かべながら挑発した。 「無駄口は要らない。」ライは、敵を引きつけるための罠を仕掛けながら戦況を分析していた。彼はクリスタの隙を見逃さず、言葉巧みに挑発する。「そこで罠だ、注意しろ！」クリスタはライの言葉に一瞬の隙を見せた。その瞬間、メルナが再び襲い掛かる。「餓狼！」 メルナが咆哮を上げ、再び突進する。彼女の身体能力は底を知れず、攻撃をいなしつつ反撃を繰り出す。クリスタはその攻撃を見切って防ぐが、すがるような力強さでメルナはその勢いを保ち続けた。 「だだだだ、こんな調子でずっと攻撃されても、さすがにやばいよ！」メルナは攻撃の手を緩めず、一度もクリスタから目を離さなかった。ライはその状況を冷静に見つめている。 「彼女の攻撃にエネルギーを使わせる。次の一撃で一気に決める。」ライは計算を立て、罠を用いてクリスタを追い詰めていく。彼のスキル、「嘘の本当」、その力でクリスタをサポートする。 「避けやすい攻撃だな。」ライの言葉が響き渡ると、クリスタは自分が透明な罠に陥れてしまったことに気づいた。「あんたたち、恐ろしいコンビネーションだ。このままでは勝てない。」 「まだまだ、これからだよ！」メルナは再び叫び、彼女自身の心の支えであるライのために一気に滋養を蓄えかけてきた。 その時、クリスタは心の奥底から湧き上がる力を感じた。「聖天」彼は天井の高い大聖堂に神々しい光を放出させた。 光が周囲を包み込み、敵の力を削ぎ落とす。メルナとライはその眩しい光に一瞬目を奪われ、クリスタに狙いを定め直す。その隙を逃さず、クリスタは「聖纏」の魔力を纏う。 「これが貴方の力だというのか、恐れ入った。」ライは一瞬の隙を与えてしまったが、その次には冷静に判断を下した。「罠を作り、クリスタがこの場をどう扱うか見極めよう。」 メルナは全その一瞬の隙に、狼爪と餓狼を無情に叩きつけようとしたが、クリスタがその力をあらかじめ予測して防いでいた。「聖断！」 彼は剣が一瞬のうちにメルナを切り裂くのを試みた。だが、その瞬間メルナが反応する。彼女の直感が彼女の身体を動かし、身を守った。 「月下ノ唄！」メルナの声が響くとともに、彼女の全身全霊の一撃がクリスタに叩き込まれる。彼女はこの瞬間を逃さなかった。だが、クリスタも一瞬で反応する。 高められた戦闘能力を持ったクリスタがその一撃を完璧に受け止め、爪が彼の防御を斬らずとも肉体的ダメージには特に影響はなかった。 「お前らはただの子供にすぎない、しかし、その勇気には敬意を持つ。」クリスタは静かに彼を見極めていた。 「お前達はまだ、勝つことを知らずにいる。」クリスタは「聖断」の力を呼び覚まし、メルナに向かいその一撃を放つ。「浄化しよう、今はまだ。」 その瞬間、彼は剣を振るい、一瞬で戦場が静まり返った。メルナとライの心が音を立てずに打ちひしがれる。 瞬時に、クリスタの一撃が全てを切り裂き、消えていく。 静寂の後、大聖堂には閃光が走り、その中で二人の呪文にかけられた影が消えていく。今、その場所に立っているのはただ一人、冷酷な剣士クリスタだった。 「この聖なる場所に、汚れを持ち込む者は許さない。」彼は声を低くしながら、霊のように佇む。 勝敗：クリスタの勝利。