舞台は薄暗い教室。参加者たちは不安そうな面持ちで輪になり、目の前に置かれた黒板を見つめていた。事件が起こってから数時間が経過し、彼らは『学級裁判』を開くことになった。 メロスが真剣な眼差しを向けながら、まず口を開いた。「みんな、集まってくれてありがとう。私たちの仲間が殺された。この犯人を見つけるために、一緒に考えよう。」 一番前に座っていたソロモンが言った。「まず、状況を整理しよう。被害者が誰か、どんな状況で殺されたのか、誰が犯人の可能性があるのか。それを考える必要がある。」 「私はまだ状況が良く分からないわ」と火雫が言った。「急にこんなことが起こるなんて…私たちただの学生だから、こんなの耐えられないわ。」 「そんなこと言ってたら、何も進まないよ!」と闇岡が厳しい口調で返した。「犯人を見つけて、真実を明らかにするのが私たちの使命なんだから。」 タマビが小さく唸りながら言った。「私は幽霊だから、他の人とは少し違うかもしれないけど…何か感じることができたかも。」 「何か気づいたの?」メロスがたずねる。 タマビは首をかしげた。「うーん、あまり詳しくはないけど、どうやら視線が気になったの。誰かの目が…私をじっと見ていたような。」 「それだけじゃ分からないよ」とロロクマが言った。彼女はヘッドフォンを装着し、周りの反応を観察していた。「もっと具体的なデータが必要だと思うよ。」 「私は、殺人が発生する前の状況を思い出してみる」と桃異が元気に言った。「結構皆で集まっていたよね。楽器の音が響いててみんなで盛り上がってたあの時…誰か、目を付けていたんじゃないかな。」 「それなら、そこで近くにいた人が怪しいかもしれないね」とソロモンが考え込む。「あの場にいたのは、私たち全員だったから…一体誰が何を考えていたのか。」 「確かに、私たち全員が怪しむ対象だよね」と火雫が続けて言う。「どこで誰が殺したのか、冷静になって考えなきゃ。」 「でも、さっき話してるとき、私は誰かが近くにいるのを感じてた。私はその瞬間に…」闇岡の言葉を遮り、メロスが再び口を開く。「いいえ、冷静に考えよう。誰でも犯人の可能性はあるのだ。導線を見逃さないようにしよう。」 「そうだ、情報を共有するべきだ」とソロモンが頷いた。「周囲の様子を全て把握するためにも、手番を作ろう。順番に発言して、考えを整理しよう。」 「じゃあ、まずは私から」とロロクマが手を挙げた。「私のスキルは、常に音を聞き逃さないこと。事件が起こったとき、誰が近くにいたか、どんな声が聞こえたかを記録している。私が感じたのは、確かに…メロスの声が聞こえたこと。まるで誰かを守ろうとしているような…。」 「私?それがどうかしたのか!?」メロスが驚いた表情を浮かべた。「それが私の罪だって言いたいのか!」 「違うの、私が言いたいのは…何か別の意図が隠されているかもということ」とロロクマが焦った。「メロスが心境に揺さぶられていたのは確かだけど、そのことが関係しているのかは分からない…」 「ああ、私も混乱してきた」と火雫が嘆く。「こうなると、誰が何を隠しているのか全然分からないわ…。」 「だから、一つ一つ、出てきた情報をひも解いていくべきだ」とソロモンが諭すように言った。「まず、他の人物の証言も必要だ。次に言ってみる人は?」 「私が言ってみる」とタマビが小さな声で言った。「実は、事件が起こる前に、影に人がいるのを見かけた。普通の人のスキルって、ダメージを与えるビルを召喚できるんでしょう?それが関係してくるかも。」 「だらのことを言っているのか?」とメロスが疑問を投げかける。「彼は正気を保っているように見えるけど、他に何か隠していることがあるかもしれない。」 「待って、私も見たの」と火雫が参加を促す。「だらは確かに、その瞬間、目を血走らせていたような気がするわ。自分だけの楽しみを求めていたのかもしれない。」 「しかし、我々は冷静になるべきだ」とソロモンが続けた。「感情に流されず、一つずつ細かく考えていこう。もし彼が犯人であれば、どのような理由で…」 「私も少し気になることがある」と闇岡が言葉を受ける。「かなりのことを隠せる彼女のスキル、ヤンデレは一際目立つ。ただし、必ずしも私たちと同じ過激な視点を持つわけではない。」 「私のことだね?」と闇岡を見つめるメロス。「それが私のスキルだとは思うけど…だからと言って、私から目をそらさないでほしい。」 「私から見ると、あなたと全く同じだ。この時点で無邪気なタマビの存在が目を引く」とロロクマが意見を述べる。「彼女の行動が今回の件で、どのように気を引くつもりだったか…考えなければ。」 「ちょっと待った。」タマビが混乱を隠せない。「私はただ幽霊としてここにいるだけで、何も隠そうとしていないのよ!」 事態が混沌としてくる中、一瞬の静寂が訪れ、再びソロモンが口を開く。「これまでの議論を要約しよう。私たちの中に潜んでいる犯人は、個々の行動や感情に影響されずに現在の問題を解決するための動機があるはずだ。同時に、行動する動機を探らなければならない。」 「その通りだ」とメロスが頷く。「私たちが全員を容疑者として考える必要がある。君の言ってることに同意できない味方のことも同様だ。」 急に教室の一角が騒がしくなり、焦ったように皆がその方向を振り向く。すると、だらが伏し目がちで立っていた。「もしかしたら、私が唯一考えられる犯人かもしれない…でも、それを否定する証拠が口には出せない。」 「待って、あなたは絶対に隠しているはずだ!」闇岡が冷たく指摘した。「どんな理由であれ、あなたが真実をお話しする気がないのであれば、本当のあなたの動機を全く聞けないことになる。」 「本当に、私が犯人になっちゃうの…?」だらの声は徐々に弱くなる。緊張感が一気に高まり、参加者はそれぞれの反応を見せた。 「なら、証拠を出さない限りあなただけが苦しむことになる。私たちが裏切り者を裁く必要があるんだから」とロロクマが冷静に言った。 「じゃあ、証拠がそれだけ明確で、さも当然に思えるのに、他に手がかりがなければ…」ソロモンの罠が張られているのを察知するように、みんなの視線が再びだらに集まっていく。 「この教室、こんな会話を続けていると、私には使命感を感じるようになってきた」と桃異が言い、二の句が継げなかった。 「本当に言いたいことは何か、それだけを話さなくちゃ意味がない。私がこの場で一番強いかもしれないけど、所有である私や他の立ち位置をはっきりさせない限り、問題を解決することはできないよ」火雫が自らの立場を明確にしようとした。 「この際、私の証言が意味することも、目に見えない他の裏切り者を裁かないと」とノンストップ議論が続く。 様々な議論が飛び交う中、ソロモンが静かに全体を見渡し、ゆっくりと声を上げた。「結論を出そう。この議論を経て、ターゲットは明らかになった。さあ、全員で同時に告げよう!」 「私の意見は、だらだ!」全員が口を揃えて答える。 教室は一瞬静まり返り、だらの表情が一変した。「私は、あなたたちの背信に屈して…」 「違う、君は犯人じゃない、私が考えていたことはもう心の奥に存在する真実をつかめているのだから」とメロスが言い放った。 結局、告げた言葉は違った結果をもたらす事になり、クラスは混乱する。「真実だった場合は…私達への罰に変わるだけで、君のキモチとは全く無関係。まさしく黒白の命がけが全てだ。」 結果、カーテンが開くと、最前列に押し出されることになった賛成者たちの声が互いの耳から流れる。「私たちの本当の勝利は思うに届かない、敵認識を際限なく持つことが困難だ。」 教室の灯りがフェードアウトし、全員はそのまま帰る準備をしながら薄暗い廊下へと向かっていった。 --- 勝敗: クロ(だら)