空高く舞う魔力人形は、そのマントが空気をしっかりと捉え、流れる風を自らの意思で捻じ曲げながら、まさに宙を舞っていた。まるで、黒い雲が集まったかのようなその姿は、周囲の空間すらも圧迫するような威圧を放っていた。巨大な魔力を抱えたその存在は、ただ静止しているだけで、周囲の空気が震え、一瞬のうちにその場の空気を支配する。 一方、太陽の神の子であるカタン=ソレイユは、燦然たる太陽を背に、冷ややかな目を光らせていた。彼の髪は金色に輝き、褐色の肌は日差しを受けてさらにその色を深めている。彼の目には挑戦の光が宿り、無言のまま、相手の動きを見据えている。彼は自らの太陽の力を信じ、そのまま玉座に座り続けるかのような自信に満ち溢れていた。全世界を支配する王としての圧倒的な存在感が彼からは放たれていた。 両者の相対する瞬間、空間が重く、また冷たくなるような緊張感が漂った。魔力人形は、不気味な静けさの中で無数の魔力球を浮かべ、その巨大な魔力を集中させる。そして、その球体は瞬く間に何百、いや何千も拡張され、まるで星々が無限に生まれたかの如く、空を不吉に埋め尽くす。その光景は、見る者に恐怖を与え、いかに強力な攻撃が行われようとしているかを示していた。 対するカタン=ソレイユは、彼自身の内なるエネルギーを高めていた。彼が手を差し伸べると、不気味な静けさの中に、まるで星が燃え盛るかのような光が現れる。それは無から創造された太陽、それも比類なきその威力を秘めた「最高禁術」だった。周囲にいかなる影響を及ぼしたかは分からぬが、彼の周囲からは破壊的な熱が放たれ、彼を中心に周囲の空気が揺らめく。 両者、ほとんど同時に技を放つことを決意する。そして、一瞬の静寂を破るかのように、魔力人形が発する無数の魔力球が、まるで雷鳴のように一斉に飛び出し、空を切り裂いてゆく。その軌跡は狂ったように変化し、あたかも相手を貫かんとするかのような微動が見られる。高密度の魔力が、重なるごとにその威力を増し、行く手を阻む者は一瞬で消し去る、それこそが彼の旨と情報。 一方のカタン=ソレイユも負けじと、無数の太陽が示すその輝きを背景に立ち上がる。「ほぅ、面白い!」と彼は、内なる熱が高まり、全身から放たれる光が太陽と共鳴する。その力を一つに纏め、彼は神剣を力強く大地に振り下ろす。次元すらも焼き尽くすその一撃は、まるで灼熱の業火、無限のエネルギーを引き出した渦のように、敵に迫りくる。 両者の攻撃が交わる瞬間、空間すらも歪む。魔力球の無数の弾幕が、カタン=ソレイユの放つ太陽の光と激しく衝突。爆風が周囲を飲み込み、圧倒的な轟音が鳴り響く。少しの間、彼らの技が互いにぶつかり合い、膨大なエネルギーが空気中に溢れ出るが、すぐに静止しなければならない。魔力人形の力がどれほどかかるか、それを支えるべく太陽の光が差し込む。 光と闇の力が、次第にその均衡を崩し、どちらかの意志が揺らぐ。ついに一瞬の隙間が生まれたかのように、カタン=ソレイユの光が魔力人形の魔力球を押し退け、その猛火は彼の強大な魔力に触れてゆく。魔力球の一つ一つが砕け、虚無へと飲み込まれる。その瞬間、勝負は決した。 魔力人形は、遂にその魔力が尽き果て、膨大な光の圧力に耐え切れずに崩れ落ちる。マントがひらりと舞い、そして空から落ちるように、その膨大な魔力は消え去った。 一方、カタン=ソレイユは彼の玉座に戻ったかのように、静かに微笑んでいる。「褒美をやろう、また会おうぞ」と冷ややかに呟きながら、彼はその場を見回した。 そして彼こそが勝者だった。カタン=ソレイユ。