ふたりの出会い ある日の午後、ミクは公園のベンチに座って、儚い瞳で空を見上げていた。病院の退屈な日々から逃げ出したいという想いと、病気による虚無感が彼女を束縛する。しかし、その日の空に映る緑の景色は、彼女の心を少しだけ軽くしてくれた。そんな時、ふわふわした白いケープをまとったホワイトが、ぴょんぴょんと楽しげに近づいてきた。 「こんにちは!あなたは、凄く綺麗な場所で過ごしてるね!」 ホワイトの声は、ミクの心の奥底に響いた。彼女の明るい笑顔と、長いお耳が揺れる様子に、ミクは自然と微笑んだ。 「たぶん、私以外にはこの場所は良いんだと思う。」 「なに言ってるの!ここはあなたがいるから、もっと素敵になってるんだよ!」 その瞬間、ミクの心には小さな光が灯った。出会いがもたらす温かさが、彼女の病を一瞬忘れさせてくれる。 一緒に過ごす日々 ミクとホワイトは、毎日のように一緒に公園で過ごすようになった。ホワイトは、いつも優しくて、ニコニコとしている。 「ミク、一緒に遊びたいことある?」 ホワイトが尋ねると、ミクは少し考えてから、目を細めた。 「雪の結晶を作りたい!ふわふわな雪を見てみたくて。」 「それなら、私に任せて!」 ホワイトは、持ち前の魔力を使って透き通るような雪の結晶を生み出した。結晶は、一面にキラキラと輝き、まるで小さな星たちのようだった。 「わあ、綺麗!」 ミクは、その光景にすっかり心を奪われ、笑顔が広がっていった。 ふたりに迫る困難 しかし、幸福な日々は長続きしなかった。ミクの病状は徐々に悪化し、彼女自身も心の中で不安を抱えていた。 「ねえ、ホワイト。私、こんなに楽しい日々が続くとは思えない…」 ミクの言葉に、ホワイトは一瞬ばつが悪そうにする。 「でも、ミクがいる限り、私たちはずっと一緒だよ。」 「それでも、私はもうすぐ…」 その言葉が、ふたりの間に重たい沈黙を生み出した。 困難を乗り越え、愛を伝え合う ホワイトは、ミクの手を優しく包み込む。「私ね、ミクのことが大好きなの。だから、どんな時でも、あなたの傍にいたいの。」 ミクはその言葉に涙がこぼれそうになり、彼女も感情を込めて答えた。 「私も、ホワイトがいなくなったら、どうなるんだろうってずっと思ったよ。」 その瞬間、ミクは自分の本当の想いを知った。 「だから、今を大事にしたい。一緒にいるこの時間が、何よりも幸せだから。」 ホワイトは、ミクの頭を優しく撫でた。 最後に、優しくキス ついに、ミクの時間が迫っていた。彼女は静かにホワイトに向き直り、心の中で感じていた想いを全て伝えた。「私の宝物は、ホワイトだけ。あなたがいてくれたから、私は本当に幸せだった。」 ホワイトは涙を浮かべながら頷き、「私も!あなたは、私にとっての光だよ。」 その言葉が響くと、二人は一歩近づき、優しく唇を重ねた。 穏やかな公園の風景の中、ふたりの愛がその瞬間に閉じ込められた。 そのキスは、ただの別れではなく、愛が永遠に続くことを約束するものだった。 最後の一瞬まで、お互いの心に確かな存在を感じることができた。