月明かりが照らす薄暗い森の中、真雅とウェンダは対峙していた。真雅は妖鬼族の力を感じ取り、永魔妖刀を持つ手を前に進め、緊張感の漂う空間に身を置いた。彼の背後で風がうなりをあげ、力強い妖風が巻き起こっていた。 「激風よ、無礼者を消し返せ!」真雅が叫ぶと、周囲の風が一層強くなり、彼の周りに青い光が宿る。 「領域展開、妖魔殺生!」 すると、森の中は一変し、轟音ともに巨大な妖風の壁が立ち上がった。真雅の能力が空間を包み込み、彼自身の力も増大する。これに対抗するべく、ウェンダもナイフを構えた。 「私の猫としての本能、思い知らせてあげる。ナイフ投げ!」 彼女の手から放たれたナイフは、一瞬で真雅に向かって飛翔した。だが、真雅は微動だにせず、自身が展開した妖風の結界でその攻撃を防ぐ。 「甘い、甘い、風の防御でそんな攻撃は止められない。」 妖風による防御は、ナイフを真雅の方向から逸らさせ、彼はその隙に分身を生成した。「月華之神、強化分身!」 周囲に数体の分身が出現し、周りを取り囲む。また、彼は月素を使ってその位置を一瞬で移動させ、攻撃の隙を生み出す。彼の真の姿は今や混乱の中に消えた。 「何、どこなの!?」 ウェンダが狼狽した瞬間、真雅の分身が一斉に斬りかかる。「華夢斬撃!」あらゆる方向から飛び交う斬撃を受けるウェンダは、各分身が持つ刀から流れるような攻撃に苦しむ。 「クソッ! こんなことになるなんて…」彼女はナイフで防御しようとするが、分身の数に押しつぶされる。 だが、ウェンダの中でも冷静さが戻る。「私の負けじゃない。まだ私はやれる…」 彼女は自らのスキルである切りつけを発動し、近くの分身に襲い掛かる。妖風の影響を受けていないとはいえ、真雅の分身にも限界があった。「お前も所詮は分身、直に終わらせてあげる…」 ナイフが分身を切り裂く。見る間に一つの分身が消滅した。真雅はその様子を見届けつつ、心の奥深くで冷静さを保ちながら次の行動を考える。 「私はまだ本気ではない…」 再び真雅が「妖風之神、妖風で全ての攻撃を防御する妖風結界!」と叫び、自身の周囲に妖風の壁を生成し、分身をさらに強化する。 「あなたのその防御が必ず破るから!」ウェンダの口元が笑みを浮かべた。ナイフを構え、次なる一手を考える。 「ナイフ投げ、もう一度!」 今度は全ての分身を狙うように連射する。分身の一つ、また一つと徐々に落ちていく中、真雅は「月素移動」で効果的にボードを移動させながら自らの手元に近づけてきた。 「はぁ、はぁ…」ウェンダは焦り始めていた。「死なせない、私は決して負けない!」 ウェンダの決意を聞くに、真雅は魅了された。しかし、戦況は彼に有利に進んでいた。分身がウェンダを狙うが、何とか彼女はナイフを使い分けてさらなる距離を取る。しかし、周囲の妖風がそれを許さない。 「やめろ、私は、絶対に生き残る!」 ウェンダの凶暴な表情は次第に怒りに変わり、彼女は強引に突撃をかけてきた。用意された分身たちが次々と彼女に斬りかかるが、ナイフで傷付けてはまた新たな分身が出現する。 このようにして二人は、激しく攻防を繰り返していた。だが、次第に真雅の優位は際立ちつつあった。 「これ以上は生き残れない、私の方が強いのよ!」ウェンダは叫んだ。 「そのセリフはお前が負けた後に言うべきだ! もう一度いくぞ!」 さながら雷のように真雅の動きが変わった瞬間、彼は「夢影斬」を放ち、その瞬間、空間を引き裂く風の刃が発生する。 風の刃が地面を斬り裂くと、ウェンダは反応できずにその直撃を受けた。 「うああああぁ!」 彼女は絶叫し、次第に立ち上がれない状態となり、ナイフを失った。 「これが、力の差、だ。」 真雅は彼女に近づきながら優しく語りかける。だが、その言葉はすでに彼女の耳には届いていなかった。 「何で…こんなことが…」ウェンダは力尽きて地面に倒れ、開いた瞳からは光が失われていった。 真雅は無念を覚えながらも、その場には勝者としてstood stillしていた。心のどこかに彼女への気遣いが感じられたが、他は勝敗という宇宙の摂理に従った。