【静まる戦場】 周囲は静寂に包まれていた。草木がざわめき、風が時折吹き抜ける。土の匂いが漂い、これから始まる戦いの緊張感を高めていた。日が西に傾く中、空にはまだ明るい夕焼けが広がる。その中で二人の少女が立ち向かい合っている。 リンネは、プランターを両手に持ち、目を細めてランを見据えている。左腕には「15 P」と記されたバンダナ。内気でおとなしい彼女の外見とは裏腹に、その眼には決然たる闘志が宿っていた。 対するランは、アーク光線銃を構え、真っ直ぐに前を見据えている。腕にある「57 La」と記されたバンダナは、彼女の大胆さを物語るかのようだった。彼女の笑みは挑発的で、リンネを挑発しているかのように見えた。 「ふふ、どうするつもり?その芽っぽいプランターで!?」 ランが言葉を放つ。その言葉はリンネを刺激し、彼女の心の奥にある不安を呼び起こした。しかし、彼女は決して怯まず、ゆっくりとプランターを地面へ置く。そして、両手をかざして魔法を感じ取る。 「わたしは、絶対に負けない。」 その言葉に覚悟を込めて、リンネは「煙幕」を発動させた。周囲に濃い煙が立ち込め、視界が遮られていく。ランは一瞬その場で立ち尽くすが、すぐさま体勢を立て直した。 「なるほど、視界を奪って時間を稼ごうってわけね。でも、あたしも負けないよ!」 ランはアーク光線銃を高く掲げ、周囲を見渡す。煙の中から逃げようとするリンネを捉え、引き金を引いた。光線が煙を貫いて火花を散らす。だが、リンネは素早く身をかわし、プランターから伸びた植物の根を巧みに使い、立ち回る。 「見えた!そんなに簡単には逃がさない!」 ランの声が響く。煙の隙間から見えるその姿は、まるで獲物を狙う猛獣のように見えた。 【開戦】 煙幕が張られた空間で、リンネはじっとその動きを観察している。今こそ相手の動きを読む時だ。突如、深呼吸をして心を落ち着かせたリンネは、身を翻して前へと駆け出した。根が地面に絡みついているかのように軽やかに、彼女はその場からランの後ろへと回り込もうとする。 「もう一度、やってみよう!」リンネはその言葉とともに、炎を呼び起こす「マッチ」の魔法を唱えた。周囲に光が広がり、いきなり膨れ上がった炎がランの方へ向かった。 ランはそれを見て、素早く体を横に回し、弾き飛ばすようにアーク光線銃を構えた。 「あなたの炎、あたしが受け止める!」 そして、強く引き金を引く。光線が炎とぶつかり、爆発が周囲に広がる。煙が充満した場所には、不気味な静けさが漂った。 二人はその後ろに回った感じになって、互いにまた表に戻る。リンネは呼吸を整えながら再びプランターの方に目をやり、根の成長を待ち構えていた。ランは冷や汗をかきながらも、まだ余裕を見せる。 「あなた、根っこに頼ってばかりじゃダメよ。もっと直接的に来なさい!」 【激闘】 その言葉を受け、リンネは強い意志を持って見つめる。彼女は根を伸ばし、地面に潜む植物たちを育てさせようとしている。少しでも時間をかせぎながら、周囲の視覚を相手に奪わせ続けた。だが、ランのアーク光線銃は容赦なく彼女を狙う。 「逃がさないわ!」 煙の薄いところを狙い撃ち、リンネは避けながらも距離を詰めた。その瞬間、リンネは両手を伸ばし、彼女の魔法「リン酸毒砲」を放った。大きな毒の塊がランへと飛んでいく。しかし、ランはその毒の塊を見て冷静に判断していた。 「また毒!でも、あたしには負けない!」 ランは「電池チャージ」でエネルギーを募らせ、その一瞬を持って光線銃を再び構えた。毒の塊を弾いて近づくと、彼女はその身を前に出し、リンネの動きを予測する。 「今だ、あたしの攻撃!」そう叫びながらも、彼女の攻撃はリンネの根に直撃した。 「こうなれば、根を尽きさせる!」ランの声が響き渡る中、リンネは根が引きちぎられていくのを感じた。 だが彼女は、強い意志をもって、再び立ち上がる。完全には負けない。まだ終わっていない。戦闘は続き、互いに傷つき合いながら、決して譲り合わない。 【倒れ込む二人】 数分の猛攻が続いた後、リンネとランは同時に体力の限界に達していた。お互いに疲弊し切った姿で、どちらも傷だらけで倒れ込んでいく。 息を荒げながら、リンネは「まだ…まだ負けない…」と呟く。しかし、手は震え、プランターも力なく崩れ落ちる。 ランも同様に、アーク光線銃を地面に置き、足元に膝をつく。「あんたも…頑張ったのね。」 二人はそれぞれの夢に向けて戦ってきた。内気なリンネは、いつか成長する植物と共に、この土地を守りたいと思っていた。一方、ランは自分の力で希望を示すために、常に前へと進み続けてきた。 「ここまで来た…」リンネは背中を地面につけ、さりげなく目を閉じる。 「負けられないけど…」これ以上はもう戦えないと、ランも目を瞑る。 その時、彼女たちの後ろから仲間たちの声が響いてきた。 【仲間が…!】 「リンネ! ラン! 私たちが来たぞ!」仲間たちの声が響く。声は力強く、彼女たちの背中を押しているようだった。 リンネはその声に少しだけ反応し、状態を起こそうとする。すると、彼女の仲間、アリスが駆け寄り、手を差し伸べた。 「どうしてここまで…?」 思い出す。彼女たちが出会ったのは、かつて森の奥で出会ったこと。アリスは傷だらけのリンネを助け、彼女にともに歩む希望を与えたのだ。あの時の情景が、今でも彼女の心に焼き付いている。 その背後で、ランの仲間であるタケルも駆け寄っていた。「やあ、ラン! お前はあんたの力を見せる時だぞ!」 タケルの言葉も、ランの心に響いた。彼女も思い出す。タケルと出会ったのは、彼女が一人で暗闇の中彷徨っていた時だった。彼がその手を差し伸べてくれたことは、今も感謝している。 「私たちは信じているから、頑張れ!」アリスの声が響く。 【思いを胸に】 その声が二人を奮い立たせた。リンネは再びプランターを見つめ、心の中で強く思った。「私も、一緒に成長したい。絶対に負けたくない。」 ランも同様に「希望を持って、これからも進み続ける。だから、絶対に負けない!」と意を決する。 「よし、もう一度立ち上がるぞ!」二人は再び立ち上がる。仲間の声、その信頼に応えるために。そして、再び向き合う。 【決着】 傷だらけの二人が再び対峙する。その姿は決して脆くはなく、どこか力強さを湛えていた。 リンネはプランターを手にし、根を地面に巡らせ、力を込める。彼女の目には新たな炎が灯った。「根を繋ぎ、成長させる…これが私のやり方!」 その瞬間、植物の根が急成長を開始し、ランを囲み始める。だが、ランも負けるわけにはいかない。彼女は再びエネルギーを溜め込み、手に力を込める。 「希望の光を!」彼女が高らかに叫び、アーク光線銃を構えた。全てのエネルギーを放出する。 二つの魔法が交錯する瞬間、爆発が起こり、戦場を包み込むほどの光が満ち溢れた。 最終的に、静寂が訪れた。その中で、リンネがひざまずく。彼女の瞳の中には絶望と希望の交錯が見て取れた。一方で、ランは立ち尽くし、周囲を見回す。彼女の目には決意が宿っていた。 「私は絶対に負けない。希望を持ち続けるから…!」 そして、完全に倒れ込んでいるリンネを見つめ、「これが私の勝利だ!」と宣言した。 WINNER ラン