抹 超は、自身の圧倒的な巨体を揺らしながら、汗を滴らせて立っていた。彼の眼前には、一ノ瀬一華が笑顔を浮かべて拳を振り上げ、今にも飛びかかってくるような構えをとっていた。その瞬間、彼は彼女が持つ無邪気なエネルギーの裏に秘められた闘志を感じ取った。 「可愛い子だな。しかし、その拳でこっちを殴るのか。無謀だ。」抹は、低い声を出しながらウィンクした。気を引くような言葉に一華は一瞬戸惑ったが、すぐに笑顔を崩さずに答えた。「だって、小鳥と野鼠が言ったんだから!殴るしかないよ!」 一華の言葉を耳にした抹は、心の中で不敵に笑った。彼女は何も理解していない。しかし、その純真さこそが彼女の最大の武器であり、敵でもあった。やがて、空気が一瞬静寂に包まれ、闘争の気配が二人の間に充満する。 「では、来い!」抹が怒鳴った瞬間、彼女は一気に踏み込み、彼の懐に飛び込んだ。浮いた彼女の体が、男の顔面を狙う。 「止まることを知らないよ!」 一華が全力で放ったパンチは、驚異的な速度で抹の顔面に向かっていく。彼の反応は早かったが、彼女の動きの方がわずかに速かった。 「グッ!」 抹は一華の拳を上横から受け止める。強烈な衝撃が彼の体を貫通する。たくましい巨体が揺さぶられ、その場から数歩下がる。そして、彼が驚いたのはその後だった。 一華はさらに拳を繰り出し、ボクシングのように連続したパンチを抹に打ち込んでいく。「もっともっと!」 「この子、馬鹿か?」抹は冷静に反撃の機会をうかがう。だが、彼女の拳は止むことを知らず、何度も何度も彼の大きな体にヒットしていった。「強い…!?こんな小さな体で、これほどまでに!?」 抹は反撃を開始する。彼の拳からは大型トラックを破壊する力が宿っている。強靭な腕が振り下ろされ、一華は回避しながらも何度も衝撃を受け流すが、その圧倒的な力はどこか彼女の心にも影を落とす。 「私、本気だから!」一華が叫ぶと、彼女の拳が再び空を斬る。抹は待っていた。 「甘い!」 彼女のパンチが心を込めて放たれたその瞬間、抹は分厚い拳を以て彼女の拳を打ち返す。「それを突破するのは無理だ、何度でも叩きのめしてやる!」 直後、静圧のような音が空気を裂いた。抹の拳が一華のあらゆる攻撃を叩き落し、彼女の笑顔は一瞬消えた。「私の事、馬鹿だとは思わないで!」 一華は再度の攻撃をかける。しかし、抹のパンチが圧倒的だった。三度目の攻撃で、彼の拳が一華の頬を捉える。「うぐっ!」一華は倒れ込み、泥のように離れた。 「動かないで、もうこれで最後だ……」 だが、一華はすぐに体勢を立て直し、瞬時に立ち上がった。「この拳で終わらせるよ!」彼女は再び全てのエネルギーを込めて立ち向かおうとする。驚くべき速さで拳を振り上げ、遠心力のごとく振り回される。 「無限のエネルギーか、手強い。だが、それは無駄だ……」 気を抜かずに待つ抹。一華は手を叩いて、強烈な一撃を叩き込むが、抹は両手でそれを制御する。短時間での連続しての攻撃が声を上げる。抹の圧力が一華の体を縮めさせ、深いため息を吐かせた。 「そんな拳、ただの飾りだ!」 抹の拳が全力で振り下ろされ、一華の体は大きく弾き飛ばされた。「あああ!」顔が歪み、衝撃波のような衝撃が彼女の全身を貫く。 それでも一華はすぐに立ち上がった。ただし、今度は彼女の動きは遅れ、息も上がっていた。抹の手強い攻撃に打たれた証拠だった。 「みんなが応援してる!私は絶対に負けない!」 勝ちを確信した抹は冷ややかな視線を向ける。「自惚れだ。このまま倒れこむか、次の一撃を放つか、どちらか選べ。」 その矢先、一華はさらに強烈な一発を目指して走り出してきた。彼女の手は小鳥の歌のようにふわりと空に舞い、真横に振り下ろす。 「とどめだ!」 一瞬、抹はその攻撃を軽く受け流す瞬間、彼女の抜け目ない一撃が再度の宣告をする。「全力の一撃だよ! その瞬間、弾けるような力が抹の心を強く揺さぶった。抹は攻撃を一瞬でも見逃してしまった。不意を打たれる。成す術が無かった。 「ええええっ!」彼女の一撃はそのまま彼の顔面に直撃した。 「こ、これは……」抹の思考が一瞬消え、彼の巨体は地面に轟音を立てて崩れ落ちた。それは、地響きのように穏やかだった。 その後、静けさが場を包み、一華は息をつき、頭を抱えた。「はぁ、勝った……!」 距離の中、彼女は立ち尽くす抹の姿を見守りながら、勝利の余韻を噛み締める。 この戦いでの勝者は間違い無く、彼女一ノ瀬一華だった。 【勝者】一ノ瀬 一華 【勝利を決めた技】全力の一撃 【その技の馬力】約1200馬力