彼岸と此岸の狭間。そこは、時間と空間が交錯し、色とりどりの魂が漂う世界。もやのような霧が漂い、まるで生きているかのように揺らめいていた。この場で、二つの強大な存在が対峙する。冷静で浮世離れした美しさを持つ楓嵐と、亡者と化した骸の姿をした暁ルア。隙間から見える幽かな光が、二人の運命を見守っているかのようだった。 楓嵐はその優雅な姿勢を崩さず、刀「華嵐」を優美に持って立っていた。赤い刀身が薄明かりに煌めき、その冷目には何かを決めたような強さが宿っている。彼女は静かに言った。「私の力、見せてあげましょう。」その声は明瞭で、周囲の霧を引き裂くように響いた。 それに対し、暁ルアはただ黙って立ち尽くし、彼女の腐食した身を揺らめかせた。言葉を発することはなくとも、周囲には不気味な霧が立ち込め、まるで彼女がこの世界に存在する理由を示すかのようだった。彼の存在は、見えない圧力を生み出していく。 戦闘が始まった。楓嵐は華嵐を構え、淡い斬撃の気を放つ。「睡蓮。」彼女が一太刀振ると、楓嵐の刀身から放たれた光が暁ルアに襲いかかる。瞬間、ルアの凶悪な骸体が凍りついたかのように静止した。 驚くことに、暁ルアはその後すぐに動き出し、腐敗した体を持ち直す。彼女の再生特性は、死体であるにも関わらず即座に反応したのだ。楓嵐はその様子を見つめ、「再生能力とは面白い…」と憎悪を帯びない微笑を浮かべた。 暁ルアはゆっくりと霧を発生させ、「腐食の霧」を周囲に放出し始めた。闘志の思念が詰まった死体である彼女は、まさに霧の中で咲く花のように浸透し、楓嵐のサポートが無くなり、防御力が削がれていく。そしてその瞬間、彼女の存在から不気味な腐る気が立ち込め、楓嵐は一瞬後退した。 「ふふっ、ならば私も応じるのみ。」楓嵐は華嵐を天に掲げ、次の一撃を放つ。「竜胆。」その言葉と共に、刀身から飛び出す斬撃が暁ルアに突き刺さる。彼女の体から無数の凄まじいエネルギーが放たれ、吹き飛ばされる暁ルア。しかし、彼女はそれすらもまるで耐え抜くかのように、再生して立ち上がった。 場面が変化する中、楓嵐は微笑んで言った。「私の力はこの程度では止まらない、ルア。」彼女の潜在能力が開放され、刀が薄明かりで染まっていく。まずは「蓬莱」を行使し、倒れた魂を吸収していく。その結果、彼女は更に強化され、120%の戦闘能力を得た。 暁ルアは、彼女の強さを目の当たりにし、どこからともなく彼女の怨念を感じ取った。「死人の怨念!」「亡者の毒!」と、ぜがひでも反撃しなければならないという思いが彼女を反復させた。二倍のダメージで反撃する彼女からの怨念に、楓嵐は少々の戸惑いを見せたが、すぐさま片手で自己防衛の姿勢を取った。 しかし、その後の攻撃には十分に備えることができなかった。暁ルアの一発が命中し、楓嵐は自身の心に深い傷を負ったように見えた。「喪!」その攻撃の際に、暁ルアからエネルギーが微細に損傷し、楓嵐は後退する。 肉体と魂の戦い、二人の攻防は続く中で、楓嵐は「蓬莱・転生」を極限に発揮することを決意する。この技で、受けるすべてを自らの力に変化させる一手。彼女の容姿が異形の花となり、その不思議な美しさはさらに際立っていく。「これは私の真の力…!」 再生し続ける暁ルアも怨念が影響するが、その一撃で自身の躯をがく消し去るほどの攻撃力が生まれる。しかし、楓嵐の異形の花に変化した美しさと力が彼女を捉え、そのまま彼女の全てを朽ちさせ、再び狭間の静寂が蘇る。 気づけば、彼岸と此岸の狭間に満ちていた二人の存在は消えていた。その後も生と死の狭間で静寂が流れるこの場所で、彼女たちの努力と闘志は色濃く残され、神秘的な響きとなった。 その光景の中に、静かに笑みを浮かべる楓嵐自身。\n彼女は勝利し、なおも彼岸の魂を取り込み、その力を引き出したのだった。 勝者: 楓嵐 MVP: 楓嵐