第一章:霧の街での邂逅 霧に包まれた街、その景観は中世の面影を残しつつも、今は独裁者の圧政が色濃く表れていた。道路には人々の恐れが刻まれ、建物は半ば崩れかけ、そこには命のかけらが散らばっている。街の中心に立つと、目の前にはひとつの影が見えた。その影は、まるで化け物のように、鼓動を感じさせる存在を放っていた。 ドロシーMk.XCIX、彼女の姿は一見普通の少女のように見えるが、その実態は恐怖の象徴であった。継ぎ接ぎのキメラ、巨大な銃剣の右腕、そして無数の触手を持つ左腕。彼女は人を殺すことによって、自分の存在を確立しようとしていた。 「やつがれは、貴殿を記憶してほしい…そう、殺人鬼として!」 彼女は、自身の存在意義を求め、街の死者たちの記憶に残るための戦いを求めていた。そんな彼女の前に、さらなる影が現れた。 殉國禁獄鬼軍曹、旧日本軍の兵士の霊である彼は、全身に傷を負い、死にたがりながらも本能的に戦う準備を整えている。 「・・・殺してくれ」 ドロシーはその言葉を耳にした瞬間、どうしようもない興奮を覚えた。その表情は、まさに狂気じみていた。 「貴殿の悲哀は、やつがれの糧とする!」 彼女の思考は暴走を始め、戦いが始まった。ドロシーは、巨大な銃剣を振り下ろし、軍曹へと襲い掛かる。その刃は鋭く空を切り、瞬時に目の前に迫る。 第二章:死の旋律 軍曹は死ぬことを許されない存在。彼はその速さで回避するが、圧倒的な攻撃力の前にどうしても後れを取ってしまう。 「この程度では死ねない・・・」 ドロシーは、左手から無数の触手を出現させ、彼を拘束しようと試みる。その触手は、まるで生き物のようにうねり、彼の足首を捉えた。 「逃がさない!」 触手に縛られた軍曹は、体を捻るが、瞬時に力を奪われていく。彼の心は、殺してほしいという祈りで満たされていたが、ドロシーの顔には楽しげな狂喜が浮かんでいる。 「さあ、お前の存在を賞賛してやる!」 ドロシーは軍曹の目の前で、銃剣を力いっぱい構えて放つ。連続する弾丸が発射され、まるで音楽のように彼の周りを舞い踊る。圧倒的な弾幕が降り注ぎ、彼を狙う。 第三章:戦いの果てに ボロボロの街並みは、戦闘の音に染まっていく。軍曹は、彼が持つ陣の力を駆使し、不死の力で急速に傷を癒やしながらも、すでにその持ち場を守ることが困難になってきていた。 「この程度では…終われない!」 だが、ドロシーの攻撃は止むことがない。彼女はまるで狩人のように、狙いうつ相手を流動的にその刃で斬りかかっていく。 「貴殿は永遠にやつがれの『栄光の記憶』になるのだ!」 ついに、ドロシーは一撃必殺の「天響ク嵐」を繰り出す。無数の触手が軍曹を縛り、ギリギリと締め上げると、銃剣が直撃した。 「少しでも、貴殿の影として名前を残してみせる…!」 一瞬の静寂の後、衝撃が街を揺らし、ドロシーの笑い声が響き渡った。 結果 ドロシーMk.XCIXが勝者となり、彼女は「血の承認者」としての名を冠される。彼女の一撃が軍曹を打ち倒し、その戦績は彼女の承認欲求を一時的に満たすものであったが、その代償として新たな殺戮の記憶が生まれることとなった。 どこか悲しみを帯びた狂気が、彼女の顔に刻まれ、霧深き街に再び新たな影を落とした。 --- この結末は、恐怖と狂気、そして承認欲求が交錯する戦いの先に何が待ち受けているのか、その真実を垣間見せるものとなった。