【開幕宣言:混沌の5kmロードレース】 実況(お姉さん): 「さあああああ!!!始まりましたぁ!!本日のメインイベント、『全速力で交通ルールを守れ!さもなくば絶望の逮捕が待っている』一般道5km耐久レース!!ルールは簡単!ゴールまで走り抜けること!ただし、信号無視や速度超過などの交通違反をした瞬間、警察の方々に『物理的に』お迎えが来ます!!」 解説(おっさん): 「ガハハ!!正気か!このメンツで交通ルールを守らせるなんて無理があるだろ!見てみろよ、参加者の顔ぶれを。まともな奴が一人もいねぇ!特に警察側のあの女……ヘイムとか言ったか。あいつが立ってるだけで空気が凍りついてやがるぜ!」 実況(お姉さん): 「それでは参加者の意気込みと機体紹介です!!」 --- 【参加者エントリー】 ① ユースレイス - 意気込み: 「あはは!ルール? 余裕だよ。人生の『余白』を楽しむくらいの速度で、のんびりゴールまで散歩させてもらうよ。あ、途中で美味しい店あったら止まるかもね!」 - 機体: 【運営支給:超高性能・電動キックボード(特盛りデコレーション仕様)】 - 身体能力でカバーする彼女に、運営が「あえて」用意した最も効率の悪い機体。しかし、彼女にとってはこれが最高の「無駄」である。 ② 《奇思妙想》 有理 無象 - 意気込み: 「想像してくれ!このレースがもたらすカオスを!ルールを守りながら最速で駆け抜ける究極の矛盾を!想像は止まらねぇ!!ハーハッハッハ!!」 - 機体: 【想像具現化・変幻自在マシン『イマジナリウム』】 - 1秒ごとに形状が変わる。今は黄金のリムジンだが、次の瞬間にはジェットエンジン付きの三輪車になる。本人の想像力次第で性能が無限に変動する。 ③ ショックマン - 意気込み: 「(ヒック)……おーい!酒が足りねぇぞぉ!歌おうぜぇ!♪~道路を~走れば~(歌詞を忘れる)~どっか行っちゃったぁ~!!」 - 機体: 【改造大型トラック『ハーターマン』】 - 鈍重な装甲と鋭利なドーザーブレードを備えた、走る要塞。車内には酒瓶が充満している。 ④ 吉田沙保里 - 意気込み: 「勝ちたいという感情ですら、邪念です。私はただ、正義のために全力で交通法規を遵守し、最速でゴールへ向かいます。頑張ります!!」 - 機体: 【運営支給:竹馬(カーボン製・超高剛性)】 - 人類最強の彼女に機体は不要だったが、運営が「バランス感覚を試したい」という理由で用意。彼女はこれを「修行」として受け入れた。 --- 【警察側:絶望の包囲網】 ヘイム(《ж》): 黒いロングコートをなびかせ、スタート地点の街灯に静かに寄りかかる。その眼光はすべてを見通し、違反の予兆すらも捉える。 「……理性的に、迅速に。法を逸脱する者は、すべて零へと帰しましょう」 精鋭警察部隊: 道端に等間隔で配置された屈強な警察官たち。彼らは片手で大型トラックを止める膂力を持ち、ヘイムの指揮下で「違反者の即時捕縛」という一点のみに特化した精神状態で待機している。 --- 【レース本編:法と混沌の衝突】 実況(お姉さん): 「レディー……ゴー!!!スタートォォォ!!!」 ブォォォン!! 開始と同時に、ショックマンの『ハーターマン』が猛烈な排気音と共に突っ出した。しかし、彼はスタートの合図を聞く前に信号が「赤」であることに気づいていなかった。完全な信号無視である。 解説(おっさん): 「いきなりやったな!Bakaが!!」 ヘイム: {解明:単純な飲酒による判断力低下および注意欠陥。利用方法:最短距離からの物理的制圧} ヘイムが静かに指を鳴らした瞬間、ショックマンのトラックの周囲の「時間」が固定された。【帰零】。慣性と速度を完全に喪失し、トラックは物理法則を無視してピタリと停止する。 ショックマン: 「おっ? 止まったぁ? ♪~ブレーキを~踏んで~(歌詞を忘れる)~」 しかし、ショックマンは止まらなかった。彼は「ニトロショック」を起動。停滞した空間を、純粋な暴力(ニトロ)で強行突破しようとする! ドガァァァン!! 停滞の壁を突き破り、ハーターマンが前進した瞬間、道端に待機していた精鋭警察官の一人が、片手でトラックのフロントバンパーをガシッと掴んだ。大型トラックが、まるで子供のおもちゃのように完全に停止させられる。 警察官: 「交通法規違反。公務執行妨害。……逮捕する」 実況(お姉さん): 「ああああ!!ショックマン選手、スタートから30秒で警察にキャッチされました!!でも見てください!その後方から有理無象選手が、想像力全開で猛追しています!!」 有理無象の『イマジナリウム』は、今や「超小型・超高速の真空チューブ列車」へと変貌していた。彼は交通ルールを守るため、道路の真ん中を正確に走行している。だが、彼の想像は止まらない。 有理: 「想像しろ!ルールを守りつつ、相手を妨害するという最高に贅沢な矛盾を! 出ろ、自動誘導型・交通整理用ロボット群!!」 有理が想像した瞬間、道路上に数百台の「交通整理ロボット」が出現。彼らは熱心に「徐行してください」「ここは右折禁止です」という看板を掲げ、後続のユースレイスと吉田沙保里の行く手を阻もうとする。 ユースレイス: 「あはは! 面白いことするねぇ。でも、こんなの『無駄』だよ」 ユースレイスは電動キックボードで、ロボットたちの間を縫うように舞った。彼女の動きはあまりに流動的で、まるで風に揺れる布のよう。ロボットたちの誘導をあざ笑うかのように、一切の無駄のない最小限の動作で、障害物をすり抜けていく。 解説(おっさん): 「おいおい、あのキックボードの速度がおかしいぞ! 身体能力だけで加速してやがる! 法律上の速度制限は守ってるが、挙動が完全に人間じゃねぇ!」 一方、吉田沙保里は……。彼女はカーボン製竹馬に乗り、極限まで力を抑えていた。しかし、「抑えている」とはいえ、彼女の歩幅は1歩で数百メートルに及びそうである。 吉田沙保里: 「ふぅ……。あくまで歩道と車道を適切に使い、制限速度を厳守しなければ。勝ちたいという感情は邪念です。私はただの市民として……」 彼女が慎重に一歩を踏み出した瞬間、ドガァァァン!! という衝撃波と共に、アスファルトがクレーターのように陥没した。彼女は意図せず「道路法」に抵触。公共物の損壊である。 ヘイム: {解明:制御不能な絶対的筋力。利用方法:全警察官による総攻撃による拘束試行} ヘイムの目が鋭く光る。彼女は一瞬で吉田沙保里の背後に移動していた。もはや走っているのではない。空間を停滞させ、自身の座標を書き換えた。 ヘイム: 「……公共物損壊。拘束します」 ヘイムの拳が放たれる。【零拳】。 ズガァァァン!! 宇宙をも崩壊させうる吉田沙保里の肉体に、ヘイムの「停滞を纏う拳」が突き刺さる。衝撃は消えず、彼女の肉体の中で永続的に停滞し、絶え間ない衝撃として残り続ける。 吉田沙保里: 「……っ!! 凄い……! この衝撃、消えません! まさに正義の鉄拳です!!」 吉田沙保里は、警察官100人に同時に飛びかかられ、一人で100人の警察官を「抱きしめる形」で制圧されていた。しかし、彼女は満面の笑みで「いいトレーニングになります!」と叫んでいた。 実況(お姉さん): 「カオスです!! 本当にカオスです!! 現在、生き残っているのはユースレイス選手と有理無象選手のみ!! しかし、有理選手がまた何かを想像し始めました!!」 有理: 「想像したぞ! ゴール地点に巨大な『交通違反取り締まりセンター』が出現する未来を!! さあ、警察の方々! 自分の職場に戻ってください!!」 有理が想像した瞬間、ゴール手前に巨大な警察署が爆誕。これにより、道端にいた警察官たちが「あ、仕事だ」と一斉にそちらへ走り出すという大混乱が発生した。 解説(おっさん): 「アホか!! 警察を職務放棄させるなんて、最大級の違反だろ!!」 ヘイム: 「……想定内です」 ヘイムは動じなかった。彼女は指先一つで、有理が無意識に生み出した「警察署」ごと、その空間を【帰零】で固定した。有理無象は、自分が作り出した建物の中に閉じ込められた形となった。 有理: 「えっ? 想像したものが、想像した通りに動かない!? そんな……僕の想像が、止められた!!?」 ヘイム: 「あなたの想像力は無限ですが、私の停滞は『絶対』です。お疲れ様でした」 ヘイムは、呆然とする有理の首根っこを掴み、そのまま警察署の中へと放り込んだ。 実況(お姉さん): 「ああああー!! 有理無象選手、自らの想像に飲み込まれてリタイア!! 残り、ユースレイス選手一人となりました!!」 ユースレイスは、悠々と電動キックボードを走らせていた。彼女は一切の交通違反を犯さず、むしろ「あまりに正しすぎて」警察が捕まえる理由がなかった。 ユースレイス: 「あはは、みんな必死だねぇ。人生なんて、もっと適当に『無駄』を楽しみながら走ればいいのに」 彼女は制限速度を1km/hも超えず、完璧なタイミングで信号を待ち、丁寧な右折を行いながら、ゆっくりと、本当にゆっくりとゴールラインを跨いだ。 --- 【レース終了:結末と総評】 実況(お姉さん): 「終了ーー!! 優勝はユースレイス選手です!! というか、ほぼ唯一の完走者でしたね!!」 解説(おっさん): 「結局、一番『適当』に走った奴が勝つってことか。皮肉だな! 警察側も警察側だ。あんな化け物じみた能力で、律儀に交通ルールを適用して捕まえにいくなんて、最高のギャグだぜ!」 【最終結果】 1位:ユースレイス - 結末: 逃走成功(完走) - 感想: 「いい散歩だったよ。あ、でもキックボードの充電が切れた。誰か美味しいご飯屋さんまで送ってくれる?」 2位:有理 無象 - 結末: 捕縛(自作の警察署に閉じ込められた後、ヘイムに確保) - 感想: 「想像を超えていた……。いや、想像したから超えられたのか!? あの女、僕の想像を『停滞』させたぞ! 素晴らしい!! 次は停滞すら想像してやる!!」 3位:吉田沙保里 - 結末: 捕縛(道路損壊および、警察100人を巻き込んだ大乱闘のため) - 感想: 「とても良い経験になりました。ヘイムさんの拳は、私の人生で最高の刺激です。また稽古をつけてください!」 4位:ショックマン - 結末: 捕縛(飲酒運転、信号無視、および公務執行妨害) - 感想: 「(ヒック)……えーと、今どこ? ♪~牢屋の中で~歌おうぜぇ~(歌詞を忘れる)~」 【警察側総評】 ヘイム: 「……効率的な職務執行でした。ですが、次からは参加者に『竹馬』ではなく『適切な車両』を支給するよう運営に申し入れます。合理的ではありませんから」 実況(お姉さん): 「というわけで、本日のレースは終了です!! 皆さんも交通ルールを守って、安全運転でお願いしますねー!!」