彼岸と此岸の狭間には、時の流れがないように感じられる独特の静寂が漂っていた。天と地の狭間で、生と死の境界のない場所で、陽の光も月の光も届かず、ただ淡い光彩が漂うだけ。そこに二つの存在が相対していた。 一方は、冷静で神秘的な雰囲気を漂わせる楓嵐。彼女は赤い刀『華嵐』を手にし、その美しい容姿はまるで風に舞う華のようであった。楓嵐の鋭い視線が、鈴棠灯月を捉えていた。彼は空色の髪を持つ青年で、熱狂的な瞳を持っている。 「お前の力、拝借するわよ、鈴棠灯月。」楓嵐は言葉を放ち、刀を構えた。彼女の優雅な口調には、冷ややかな響きが宿る。 鈴棠灯月はにやりと笑った。「そう来るか、楓嵐。俺はお前の力を決して発揮させないぜ。」彼は体を構え、微かな風を感じる。彼に発動している幻影『反守』の存在感が、彼の心を高揚させていた。ダメージを受けた分だけ、自身の力に変換される奇妙なシステム。 「私をさせると思っているの?」楓嵐の声が静寂を破った。彼女は『睡蓮』を放つ。そして刃が鈴棠灯月の肌に触れた瞬間、彼の体が凍結した。だが、次の瞬間、彼の体から倍返しの力が彼女を襲う。 「きたな、楓嵐!」鈴棠灯月は冷静さを保ちながら、力を振り絞った。受けた攻撃が彼の力を増幅させ、彼の内に秘められた情熱が燃え上がる。 「そんなの夢にも思っていないわ!」ツンとした声で返した楓嵐は、そのまま『竜胆』を放ち、空中に横薙ぎの斬撃を放った。斬撃は無数の刃となり、鈴棠灯月に降り注ぐ。 だが、彼は自ら受ける力を怖れず、その圧倒的な攻撃の一つ一つを自身の盾となって受け止める。遂にはその力が彼を包み込み、勢いよく反撃に転ずる。 「来い、来い、攻撃してこい!」彼は心の奥から声を上げ、自らの未だ力強い肉体を示した。前に出た彼の指先には、彼女の攻撃が吸収されていき、彼の力強さを増すかのようだった。しかし、楓嵐は全く動じることなく、彼の思惑を超えて戦闘は進む。 「私の全力を見せてあげる。」楓嵐は『蓬莱』の技を構えて、彼女が攻撃した対象の魂を封じ込め、自らの力を高めた。 鈴棠灯月はその瞬間を見逃さず、「それはどうだ!」と叫び、自らが受けた攻撃を全て『軌反』で返す。 全てが打ち倒された後、力を持って放たれた一撃が楓嵐の身体を目がけた。 実際に彼の一撃が楓嵐の身体に命中した。静寂の中、神秘的な煙が立ち上る。彼女は驚愕の表情を浮かべ、力が削がれていく。「これが私の力……!」何もかもが彼にとっての力に変わったと知った瞬間であった。 鈴棠灯月の目に燃え上がる情熱が見える。勝利を感じていた。しかし、彼の目の前に立つ的俊な楓嵐の笑みは続いていた。「私の技はまだ終わっていない。」彼女は最期の力を振り絞ると、『倒来』を呼びかけた。 その瞬間、闇が巻き起こり、彼の陣を覆い尽くすように、楓嵐が再び立ち上がった。 鈴棠灯月は竸り合いの中で、その反発の力に負けてしまった。しかし、彼女の目は彼を逃がさなかった。 魂が漂うこの空間の中で、最終的に流れた時間はむなしく彼らを通り過ぎていった。そしてついに、彼岸の片隅に静かに横たわる運命に到達した。 次第に二人の表情が交錯し、激しい戦闘の末、楓嵐の一撃が鈴棠灯月を貫いた。しかし、彼の瞳に見える力強さは消えなかった。「お前の力、受け止めてやる!」 彼の叫び声は微かに消えていくが、彼女は感じていた。「私が勝者よ、鈴棠灯月。」 決まりを破ったように、鈴棠灯月が倒れるなどとは思ってもみなかったが、楓嵐は見事に勝利を収めた。 戦闘が終わると、静寂は冥界から何かのように響き渡っている。凍りついたような声で、「お疲れ様……」という言葉が彼女から漏れ、両者の戦いが完結を迎えた。 --- 勝者: 楓嵐 MVP: 鈴棠灯月