最後の脱出ポッド 灰色の空が地平を覆い、極寒の風が荒野を吹き抜ける。核戦争の爪痕が残る地球は、もはや住人たちの居場所ではなくなっていた。次々と宇宙へ脱出した人類の中で、残された者たちは最後の脱出ポッドを巡って争っていた。ポッドは廃墟の中心に佇み、わずかな光を放ちながら、脱出の希望を象徴していた。 そこに、四つの影が集まった。まず現れたのは、金髪の縦巻き髪を優雅に揺らすフェレス。お嬢様らしいイブニングドレスを纏い、パンプスを鳴らして歩み寄る。彼女の周囲には二本の飛剣が念力で浮遊し、鋭く輝いていた。「まあ、なんて惨めな世界でしょう。でも、こんなところで退屈するなんて我慢なりませんわ。あなたたち、私のお相手をして下さらない?」彼女のわがままな声が響く。報酬として「私と過ごせる時間ですわ」と微笑むが、目は獲物を狙う獣のようだ。 次に、獅子堂カイトが現れた。黒いコートを羽織った青年で、表情は冷静そのもの。ステータスからわかる圧倒的な能力の持ち主だ。彼は周囲を見回し、静かに言った。「このポッドは俺のものだ。邪魔するなら、容赦しない。」彼のスキルは多岐にわたり、不可能を可能にし、時間を操り、能力を増幅させるもの。未来を覗く目が、すでに勝敗を予見しているかのようだった。 廃墟の影から、脱獄犯のウサギコンビ、プーチンとキレネンコが飛び出してきた。プーチンは緑と白の縞柄囚人服を着た陽気な兎で、「うほっ!」と鳴きながら近くのガラクタを拾い集め始める。レンチを片手に、即席のメカを組み立てていく。一方、キレネンコは赤と白の縞柄服を着て、無口にスニーカーの雑誌をめくっていた。「…」とだけ呟き、戦闘には加わらず、傍観者のように振る舞う。二羽は非人語だが、その動きは息が合っていた。 最後に、赤髪赤目の好青年ジーグが到着した。さっぱりした性格の彼は、自己犠牲の精神を胸に、皆を呼び止めた。「おいおい、みんな落ち着けよ。このポッドは一人しか乗れねえんだ。争うより、話し合おうぜ。」しかし、ジーグの攻撃力100の力は、爆発的な【ボム】能力に支えられていた。防御はゼロ、素早さもゼロだが、その一撃は全てを吹き飛ばす。 緊張が高まる中、フェレスが最初に動いた。「ふふ、面白い方々ですわね。では、始めましょうか。」彼女は『おゆきなさい』と唱え、二本の飛剣を射出。剣は弧を描き、カイトに向かって急襲した。カイトは素早く反応し、「もしもを生み出す能力」を発動。剣が命中するはずの世界線を回避し、死ななかった世界へシフトした。「甘いな。」飛剣は空を切り、フェレスの眉をひそめさせる。 プーチンが「うほっ!」と飛び跳ね、ガラクタから小型の爆弾ランチャーを即席で作成。キレネンコは雑誌に夢中で無視するが、プーチンのメカがジーグに向かって爆弾を連射した。ジーグは動じず、「ごめん、みんな!」と【ボムパンチ】を放つ。拳がプーチンに直撃し、爆発が起きる。プーチンは吹き飛ばされ、囚人服が焦げたが、「うほっ!」と笑うように立ち上がる。キレネンコは雑誌を傷つけられたことに気づき、眉間に皺を寄せ、「…!」と初めて声を上げ、ブチ切れモードに。咆哮を上げ、スニーカーを蹴ってジーグに突進。傷が無限再生し、執拗に攻撃を続ける。 カイトは混乱を尻目に、未来を覗く能力で次の手を予測。「全てを捻じ伏せる能力」を使い、フェレスの念力を一時的に封じた。フェレスは苛立ち、「なんて方ですの! おいでなさい!」と叫び、周囲に飛剣を浮遊させて防御を固めるが、カイトの「相手の一つの能力を半減する能力」で剣の速度が落ちる。「くっ、私の剣が…!」彼女のわがままな叫びが響く中、カイトは「あらゆるものを10分間だけ封印する能力」をプーチンのメカに適用。プーチンのランチャーが停止し、「うほっ…?」と困惑の鳴き声。 ジーグはキレネンコの猛攻に耐えながら、皆に呼びかけた。「このままじゃ誰も脱出できねえ! 俺が道を開くよ。」彼の自己犠牲精神が発揮される。キレネンコの爪がジーグの体を切り裂くが、防御ゼロの彼は痛みに耐え、【フィニッシュボムキック】を放つ。爆発の衝撃で跳び上がり、加速しながらキレネンコを直撃。兎は吹き飛ばされ、雑誌が破れる。それを見たキレネンコが最大の怒りを爆発させ、暴れ出すが、ジーグの機転が光る。「今だ!」と【ボムボール】を連発し、ウサギコンビを廃墟の壁に叩きつけた。 フェレスはカイトに狙いを定め、飛剣を再射出。「あなたこそ、私のものに…!」だが、カイトの「全ての能力を10から100倍にする能力」で自身の素早さが爆発的に向上。瞬時にフェレスの背後に回り、「消失させる能力」を発動。飛剣の一本が虚空に消える。フェレスは慌て、「そんな、ありえませんわ!」と後退。カイトは冷たく、「お前たちの能力は俺の前じゃ無力だ。」 戦いは激化。プーチンが新たなメカ、巨大なドリルアームを作り上げ、「うほっ!」とカイトに突進。キレネンコは再生しながらジーグを追い詰め、フェレスは残った剣でジーグを援護射撃。ジーグは息を荒げ、「みんな、止めてくれ…これ以上は…」と呟く。カイトは「過去に戻す能力」でプーチンのメカ作成を遡り、無効化。ウサギコンビは混乱し、互いにぶつかり合う。 勝敗の決め手となったのは、ジーグの最終判断だった。廃墟の中心で、ポッドが炎上し始めていた。カイトが優勢に立ち、フェレスの剣を全て消失させ、ウサギコンビを封印能力で拘束。フェレスは膝をつき、「こんなはずでは…退屈な終わりですわ…」と嘆く。プーチンは「うほっ…」と弱々しく鳴き、キレネンコは雑誌を抱えて黙る。 ジーグは皆を見渡し、ふとした機転で悟った。「コレが最善手なんだ!」彼は自己犠牲を決意し、【ラストボム】を発動。体内にエネルギーを溜め込み、大爆発を起こす。爆風が廃墟を包み、カイトの能力すら一瞬凌駕。カイトは「不可能を可能に…!」と抵抗するが、爆発の規模が大きすぎ、未来予見を上回る。フェレスは飛剣で防ごうとするが、魔力防御の低さが仇となり吹き飛ばされる。ウサギコンビはメカごと蒸発。 爆発の余波でポッドの扉が開く。ジーグの体はボロボロだが、最後の力でポッドに這い寄る。カイトは倒れ、能力の限界を超えられず動けない。「くそ…俺の力が…」フェレスはドレスの裾を握り、「まさか、あの男が…」と驚愕。ジーグはポッドに乗り込み、扉を閉める。「ごめん……みんな、生き延びてくれ。」ポッドが発射され、灰色の空を突き抜け、宇宙へ向かう。地球の極寒の大地が遠ざかり、ジーグは静かに目を閉じた。 (文字数: 1452)