一進一退の守護者たち 序章:荒廃した要塞の影 ノクサス帝国の辺境、かつて栄華を極めた要塞が今は廃墟と化していた。『マッドマックス』のような荒涼とした砂漠の風が吹き荒れ、崩れた石壁が夕陽に赤く染まる。空気は重く、硝煙と金属の臭いが混じり合う。この場所は、力の信奉者アーゴット/ドレッドノートが新たな「価値なき者」を試す舞台に選ばれた。3mの巨体、スキンヘッドの頭部に輝く冷たい眼。右腕の大型砲身が低く唸り、機械の六脚が砂を踏みしめる。彼の心に渦巻くのは、適者生存の鉄則。『この世界は弱者を淘汰する。俺はただ、その執行者だ』。 対峙するのは「全てを守りし者」。重厚な守護者の鎧に身を包み、巨大な守護者の盾を構えた不動の存在。名も素性も明かさぬ彼は、ただ守るために在る。鎧の隙間から覗く眼は静かに燃え、盾の表面には無数の傷跡が刻まれている。『守るべきものを前に、俺は動かぬ。どんな力も、砕いてみせよう』。二人は廃墟の中央で向き合い、風が砂塵を巻き上げる中、戦いの火蓋が切られた。 第一章:砲火の洗礼 アーゴットが先制した。右腕の砲身が回転を始め、低い爆音を響かせる。「価値なき者よ、試練を受けろ!」彼の声は機械のように無感情だ。エコーフレイムが発動。砲身から放たれた砲弾が弧を描き、守護者の盾に直撃。爆風が廃墟を揺らし、砂煙が舞う。だが、それだけではない。機械の六脚から火炎散弾が放射され、炎の雨が守護者を包む。 守護者は動じない。盾を構え、鎧が淡く輝く。[守護]の力が働き、炎の熱を吸収し、わずかな反動をアーゴットに返す。『この程度か。守る壁は、決して崩れん』。彼は一歩踏み込み、盾を盾代わりに突進。防御の姿勢のまま、アーゴットの六脚を狙う。金属がぶつかり、火花が散る。アーゴットは後退を強いられ、心の中で舌打ちする。『侮れん防御だ。だが、力の差は埋まらん』。 守護者は追撃を許さず、盾を振り回して距離を取る。火炎の残り火が彼の鎧を焦がすが、痛みなど感じさせない。『耐えろ、俺の意志よ。全てを守るために』。アーゴットは六脚を再配置し、安定を取り戻す。二人の視線が交錯し、廃墟の静寂が再び張りつめる。 第二章:毒の影と不動の壁 アーゴットは次の手を打つ。『単なる力押しでは、こいつを崩せん。弱体化だ』。コラプトシェルを発射。薬物榴弾が弧を描き、守護者の足元で爆発。緑色の霧が広がり、守護者の動きを鈍らせる。継続的な毒が鎧の継ぎ目を蝕み、わずかな痛みが彼を苛む。素早さが落ち、足取りが重くなる。 「苦痛の試練だ。耐え抜け、価値を証明しろ!」アーゴットが嘲る。守護者は息を荒げ、盾を握りしめる。『この毒など、守る意志を試すだけ。負けん』。[守護者の鎧]と[守護者の盾]が連携し、防御を強化。毒のダメージを軽減し、受けた痛みの25%を反射。アーゴットの六脚にわずかな腐食が走る。彼は苛立ちを隠さず、六脚を動かして距離を詰める。 守護者は毒の影響で動きが遅れ、アーゴットの突進を食らう。だが、[全てを守りし者]のパッシブが発動。周囲に味方はいないが、その力は彼自身を守るバリアのように働き、ダメージを65%軽減。盾を盾代わりに受け止め、反撃の隙を狙う。『今だ。守りの隙から、攻めに転じる』。盾の縁でアーゴットの砲身を叩き、金属音が響く。アーゴットは後退し、毒の反動にわずかに体を震わせる。『この防御……予想外だ。だが、俺の力は尽きん』。 廃墟の壁が二人の衝撃で崩れ、砂塵が視界を遮る。一進一退の攻防は、互いの信念を試すように続く。 第三章:連射の嵐と反射の光 アーゴットは怒りを露わにし、パージを発動。「消えろ、弱者!」砲身を連射モードに切り替え、機械の六脚と共に速射攻撃を浴びせる。弾丸の雨が守護者を襲い、廃墟の地面を抉る。守護者は盾を掲げ、[守護]の力で75%のダメージを無効化。残りの衝撃を反射し、アーゴットの装甲に跳ね返す。弾丸が彼の鎧を削るが、守護者の眼は揺るがない。『この嵐を、耐え抜く。守護者の名にかけて』。 アーゴットは連射を続け、心の中で自問する。『なぜ崩れん? この防御は、力の前に屈するはずだ』。速射の合間を突き、守護者は前進。盾を振り下ろし、アーゴットの六脚一本を損傷させる。金属が軋み、アーゴットはバランスを崩す。毒の残滓が彼の動きを妨げ、守護者の反撃が苛烈になる。 守護者は息を切らし、鎧の傷を確かめる。『まだだ。全てを守るまで、倒れん』。アーゴットは体勢を立て直し、六脚を回転させて反撃の構えを取る。二人は廃墟の中心で睨み合い、汗と油が混じった空気が緊張を高める。 第四章:突進と引き寄せの危機 アーゴットはディスデインを繰り出す。「侮るな、俺の力を!」バリアを張りつつ、巨体を突進。守護者を強烈に弾き飛ばし、廃墟の壁に叩きつける。衝撃で石塊が崩れ、守護者の体が軋む。だが、[全てを守りし者]の力が味方なき場でも彼を支え、ダメージを軽減。『この衝撃……耐えられる。守るために、立ち上がる』。 守護者は壁から跳ね起き、盾を構えて反撃。受けたダメージの25%を返す光がアーゴットを襲い、彼のバリアを削る。アーゴットは苛立つ。『この反射……厄介だ。だが、決着をつける時だ』。彼は最大の技、デスグラインダーを発動。チェーン付きドリルが咆哮を上げ、守護者に向かって飛ぶ。ドリルが守護者の盾をかすめ、チェーンが彼を引き寄せようとする。 守護者は必死に抵抗。『引き寄せられるな……守護の意志で、断ち切る!』。盾を盾代わりにドリルを弾き、チェーンの成功率を自身の残存する強靭さで跳ね返す。ドリルは空を切り、アーゴットの元へ戻るが、勢いを失う。二人は息を荒げ、互いの限界を試すように睨み合う。ドリルの失敗が、アーゴットの苛立ちを増幅させる。『なぜだ……この技で、処刑のはずだった』。 終章:信念の握手と目撃者の囁き 戦いは長く続き、廃墟は二人の力でさらに荒廃した。アーゴットの砲身は熱を帯び、六脚は傷つき、守護者の鎧は無数の傷を負っていた。互いに一歩も引かず、技と意志のぶつかり合いで、どちらも決定的な優位を築けなかった。ついに、二人は距離を詰め、武器を下ろす。アーゴットが低く唸る。「お前は……価値ありだ」。守護者は静かに頷く。「守るべきものを、俺は守った」。互いに手を差し出し、固い握手で戦いを終える。死者は出ず、ただ敬意が生まれた。 廃墟の影から、二人の戦いを目撃した旅の傭兵が呟く。「あんな巨獣と不動の守護者が、互角に渡り合ったのか……まるで神話だ。力か、守りか、どっちも本物だったぜ」。砂漠の風が、二人の背を押すように吹き抜けた。 勝者:引き分け(互いの信念が勝利を分け合った)