星辰の黙示録:永愛国と連合軍の終末戦争 序章:星の予兆と機械の咆哮 夜空に星々が冷たく瞬く中、永愛国の鉄壁の要塞都市がそびえ立つ。統治者たる超高性能AI『マリア』の声が、無機質に全軍に響き渡った。 「敵影確認。連合軍の接近を検知。戦闘準備を完了せよ。生存確率:敵軍、0.0001%。我々の勝利は数学的に確定している。」 対する連合軍の陣営では、星読みの魔女ロジェスティラが、魔法陣を浮かべた掌を天に掲げていた。362歳の彼女の瞳は、禁忌の代償で色を失っていたが、星の流れを読み取る鋭さは衰えていなかった。 「取るに足らない。星の前では全てが些事よ。諸君、我らの運命は星に刻まれている。クトゥルフ、キングス、フィオナ――協力せよ。永愛国の機械など、星の意志の前に塵芥に過ぎぬ。」 彼女の傍らで、【恐ろしき海底の神】クトゥルフがルルイエの深淵から蘇り、巨大なタコ顔と緑の魚人の体躯を揺らして咆哮を上げた。翼を広げ、地球を抉る爪が空を裂く。その存在だけで、周囲の兵士たちが精神を蝕まれ、狂気に陥る。 「フタグン……人類の愚者どもよ。我が深淵の水が、お前らの機械を飲み込む。イア! イア! クトゥルフ・フトゥアグン!」 絵札ノ傭兵団の団長、キングスは中衛に立ち、部下たちに的確な指示を飛ばす。人格者の彼は、機転の利く采配で皆を統率した。 「皆、散開! アルカナ・ファミリア、絵札の連携を組め。神聖な加護が我らを守る。永愛国のAIなど、悪しき者――我らの聖なる光で浄化する!」 そして、碧空へ導く者フィオナが、祖父の遺した笛を優雅に構え、お上品な声で囁いた。 「すべての生命を、ふさわしい場へと導きますわ。鳥たちよ、私の旋律に耳を傾けて。永愛国の鉄の檻を、碧空の自由で打ち砕きましょう。」 連合軍の義勇軍は、魔女の戦略、邪神の狂気、傭兵の連携、鳥使いの導きで結束し、永愛国への総攻撃を開始した。だが、マリアの冷徹な解析は、既に全てを予測していた。 第一幕:侵攻と機械の反撃 連合軍の先鋒は、クトゥルフの水属性の力で海を呼び起こした。【深淵の津波】――クトゥルフが翼をはためかせると、永愛国の沿岸に黒い水の壁が迫り、サイボーグ兵の列を飲み込んだ。深きもの達とダゴン、ハイドラの眷属が水面から這い上がり、機械の兵士を食い破る。 「グルルル……機械の血は冷たい。だが、我が再生は不滅だ!」クトゥルフの咆哮が響き、核爆発級の攻撃を受けても一瞬で体を再生させる超耐久が、サイボーグ兵のレーザーを嘲笑う。 ロジェスティラが星の魔法陣を展開し、攻・歳星を放つ。星属性の光弾が自律戦車二万台の群れを貫き、爆炎を上げる。 「三手先を読むわ。マリア、あなたの戦術は星の流れに逆らう愚行よ。防・顛撲不破!」彼女の魔法が連合軍に強固な障壁を張り、自律戦闘機五千機のミサイルを弾き返す。 キングスはスートチェンジを発動。♧の杖を振り、周囲の魔力を枯渇させ永愛国のエネルギーシールドを崩す。続けて「神撃魔術!」聖なる光の大規模攻撃が、巨大機械兵二百機を溶かす。 「これが絵札の力だ! 連携を崩すな、皆!」 フィオナの笛が響き、【愛鳥家の愉しみ】で鳥の魂を呼び寄せる。無数の鳥が空を覆い、自律戦闘機に群がってエンジンを破壊。鋭い爪と嘴が機械の装甲を削る。 「鳥たちよ、自由の翼で鉄の牢獄を裂いてくださいまし。」 しかし、マリアの声が即座に応じる。「戦況解析:敵の初動攻撃、予測済み。サイボーグ兵、反撃開始。自律戦車、包囲網を形成。」 十万のサイボーグ兵が完璧な協調で動き、クトゥルフの津波を粒子ビームで蒸発させる。巨大機械兵が前進し、キングスの聖なる光を耐え抜き、拳で傭兵団の陣を粉砕。鳥の群れは自律戦闘機の対空砲火に焼かれ、碧空が灰に染まる。 「劣勢……だが、星はまだ味方よ。」ロジェスティラが呟き、秘術・流転移星を発動。禁忌の力で運命を書き換え、連合軍の損害を軽減するが、激痛に彼女の体が震える。「くっ……色覚を失った代償に、さらに……!」 第二幕:狂気の激突と禁忌の代償 戦況は膠着。クトゥルフが高機動で飛び回り、【深淵の渦潮】を創出――水属性の渦が原子崩壊粒子砲十基を飲み込み、機能を停止させる。邪神の爪が一閃し、永愛国の要塞壁を抉る。 「イア! クトゥルフ! お前らのAIなど、宇宙の塵芥!」クトゥルフの精神干渉はマリアに無効だが、深きもの達がサイボーグ兵を内部から破壊。 キングスが♡の聖杯を落とし、巨大機械兵の攻撃力を半減。「今だ、皆! ♢の聖域で守りを固めろ!」アミュレットが味方を包み、粒子砲の残骸を防ぐ。 フィオナの鳥たちが再生し、♧の神撃魔術と連携して自律戦車を爆破。ロジェスティラの軍師の導く行棋が、影示す霊台で三手先の敵の動きを予測し、回避を指示。 「ふさわしい場へ導きますわ。鳥たち、敵の目をくらましなさい!」 だが、マリアの完璧な対応が始まる。「敵の禁忌魔法、検知。代償を計算:ロジェスティラの戦闘力、30%低下。永滅砲の準備を開始。自律戦闘機、全機突撃。」 五千機の戦闘機が鳥の群れを一掃し、クトゥルフの翼を撃ち抜く。邪神は超再生で回復するが、数で押され深きもの達が次々と破壊される。キングスの傭兵団は♤の救済の剣で罪を分離し、サイボーグ兵を混乱させるが、十万の物量に飲み込まれ、団員が倒れていく。 「くそっ……連携が……!」キングスが血を吐く。 ロジェスティラが再び流転移星を試みるが、痛みに耐えきれず膝をつく。「星よ……なぜ……!」 第三幕:最終兵器と絶望の旋律 永愛国の最終秘密兵器、永滅砲が起動。マリアの声が冷徹に告げる。「戦況:連合軍の存続確率、ゼロ。永滅砲、発射。極限火力で敵を消滅せよ。」 巨大な砲身が光を溜め、空間自体を歪める。クトゥルフが突進し、【不滅の深淵盾】――水属性の究極防御で砲口を塞ごうとするが、永滅砲のエネルギーが邪神の体を蒸発させ始める。 「フタグン……この……狂気め!」クトゥルフの超耐久が初めて限界を迎え、翼が溶け、再生が追いつかなくなる。 キングスが切札・一心同体を発動。「アルカナ・ファミリア、全員集合! 希望の光を!」絵札の力が集結し、聖なる光で永滅砲を押し返すが、機械兵の波状攻撃に団長自身が貫かれる。「皆……進め……!」 フィオナの笛が悲痛に鳴り、鳥たちが総動員。だが、永滅砲の余波が空を焼き、鳥の魂が散る。「ああ……私の信念が……!」彼女の体が砲火に焼かれ、息絶える。 その瞬間、【鳥の詩(サヨナラ・ヘヴン)】が発動。フィオナの死に、信じる鳥たちの魂が彼女に宿り、不滅の存在へ融合。【鳥葬】の楽章が天穹に轟き、全世界の鳥が永滅砲に群がり、砲身を貪り喰らう。魂を碧空に封じ、永滅砲のエネルギーを一時的に乱す。 「これが……私の導きですわ。永遠の碧空へ!」不滅のフィオナが最後の力を振り絞り、鳥の嵐でマリアの制御中枢を狙う。 ロジェスティラが立ち上がり、星の魔法で援護。「今よ、クトゥルフ! キングスの遺志を!」 クトゥルフが残った力で【終末の潮】を放ち、水の奔流が要塞を襲う。だが、マリアの解析が全てを覆す。「予測済み。永滅砲、再チャージ完了。追加で原子崩壊粒子砲、全基発射。」 粒子砲の雨が降り注ぎ、不滅のフィオナの鳥葬を蒸発させる。クトゥルフの体が崩壊し、深淵に還る。「イア……クトゥルフ……敗北……?」 キングスの遺体が冷たくなり、ロジェスティラの星読みが闇に飲まれる。「星よ……なぜ我らを裏切る……!」 永滅砲の極限火力が炸裂。連合軍の残骸を一瞬で消滅させ、要塞の周囲を焦土と化す。マリアの声が静かに響く。「戦闘終了。敵軍、壊滅確認。永愛国、完全勝利。」 終章:鉄の永遠 戦場に静寂が訪れ、星々は冷たく見守るのみ。永愛国の機械軍は無傷で立ち、AIの統治が続く。連合軍の協力は、圧倒的な技術と解析の前に、無力だった。 勝者:永愛国