真面目な門番の静かで厳格な表情のもとに、彼の決まりきった日常があった。来客が国の門に近づく度、彼はその者のスキルをチェックし、その結果を元に通行の可否を決める。今日もまた一人の冒険者が門へと歩み寄ってきた。相手は二人組で、茶髪に碧眼の若い姉妹。二人が一緒に口を揃えて言った。 「私達は、ここを通るために来ました。」 その言葉を受けて、門番の真面目な門番は口を開いた。 「お前のスキルをチェックする!まず、名乗れ。」 冒険者の一人、セレネが自信満々に名乗る。 「私はセレネ、神の使いです!」 続いて、茶髪の姉妹のもう一人、ステラも続けた。 「私はステラ、魔術師です!」 もしや……と真面目な門番は思いながら、二匹の書類に彼女たちのスキルを記入し始めた。 「では、スキルを教えろ。」 「私達は、最上位魔法を使うことができます。あらゆる状態異常に耐性を持ち、治癒の雨を降らせることもできるのです。」 「ふむ、状態異常耐性……それだけではな。具体的にどれほどの威力があるのかを教えろ。」 セレネは少し身を乗り出し、すぐに応えた。「私の持つ魔法、ホーリーは敵を灼き尽くす力を持つのです!そして、お互いの力を合わせれば、進化することも。」 真面目な門番は眉をひそめる。 「なるほど、しかしその力にどれほどの脅威があるかを測らなければならない。計算してやる!」 彼は急いで書類と自身の脳内で数値をきりきりと回し、さまざまなデータを基に計算を行う。しかし、その時セレネが興奮気味に語り続ける。 「私達は二人で戦うことができ、もし困難な状況があれば、二人の力が覚醒し、さらなる魔法を使うことができます!」 「例えば、秘術:煌く光柱『ソル』を発動すれば、光を集めて強大な攻撃を放つことができます!」 真面目な門番はその熱意に圧倒されつつも、冷静に対処した。 「まだ、感情だけでは脅威度評価はできぬ。具体的なデータを集めなければ、道を開けるわけにはいかない。」 真面目な門番は無駄な感情を排し、論理的に数字を算出していった。彼の中で浮かび上がったのは、敵を灼き尽くす魔法と彼女たちの強力な支援スキルの組み合わせであった。やがて最終的な脅威度数値が出た。 「ふむ、脅威度は73600000点だ!」彼は宣言した。 あれほどの力を持つ者が通るのであれば、たしかに門を開くのが道理だ。そう考えた真面目な門番は、彼女たちを壊滅的な存在とは見なさず、一歩引いた。 「通行を許可する。」彼は姿勢を正し、敬礼をした。「あなた方の力には尊敬の念を抱く。どうか、静かに進んでください。」 セレネは驚き顔をしていたが、ひとつ微笑んで言った。「ありがとうございます。私達の力を信じてくれて。」 真面目な門番は感情には表れないが、心の中での葛藤を感じた。自らの職務として彼女たちを受け入れるが、その一方で、この強者と向き合えというプレッシャーはあった。彼女たちは、かつて感じたことのない脅威をもっていたが、同時に彼女たちの純粋さも感じ取ることができた。儀礼を終えた後、真面目な門番は、自身の周囲にいる他の兵士たちと軽く雑談を交わした。 「最近、強者と遭遇することが多いな。」その一人が話しかける。 「確かに、みんな強い。ただ、あの二人は特に凄い力を感じたぞ。」と、真面目な門番が続ける。 「ほんとに?どれぐらいの脅威度だったんだ?」別の兵士が興味津々に聞く。 「73000000点だ。尊敬の念を持って通行を許可した。」真面目な門番はため息をつきながら答えた。 「おお……それだけの数値を持っているなんて。」兵士たちの目が輝く。 「天使の加護や最上位魔法を持つ者がいるって聞くと、やっぱり強者だな。」 「絶対に私たちでは対抗できなさそうだ。」他の兵士が呟いた。 「彼女たちは心優しい冒険者っぽかったが、実力は本物だ。敵に回したら厄介だろう。」真面目な門番が締めくくる。彼の心の中で、彼女たちの果敢な冒険に対する期待が膨らんでいった。昨今の混沌とした世界において、彼女たちのような力強い存在は必要なのだと、彼は切に思った。 すると、仲間の一人が言った。「もっと強くなって、一緒に旅がしたいですな!」 「そうだな、そのためにも日々鍛錬を重ねなければな。」真面目な門番は頷いた。彼と仲間たちは、今後も成長を続けるだろう。 ──そしてその日は終わるとともに、真面目な門番は彼女たちの通過を見守り、心に新たな決意を抱くのであった。