ある日のこと、上位存在ちゃんは自室で心躍らせながら、スマホの画面を見つめていた。彼女にとって、今日のバトルは特別なものだった。画面の中では、数々のキャラクターが戦った後の一戦、神竜が登場することになっていた。 「今日のバトルは?神竜vs空気マンかぁ、楽しみだね!」と、彼女はウキウキしながら呟く。彼女の横にはぬいぐるみが並び、どうやら彼女の観戦にはスタイルやお気に入りのキャラクターがあるらしい。 その瞬間、神竜が壮大な舞台に降臨した。全知全能を誇るその姿は、まるで宇宙そのものが姿を変えたかのようで、紫色の鱗と光り輝く翼を持っていた。空間をゆらゆらとするその存在は聖なる光に包まれ、彼女の視線を釘付けにした。 “その力、受けてみよ!”と場面が選ばれる。神竜は口から光の波動を放ち、敵に向かって一直線に迫っていく。だが、ここで空気マンの登場だ! 「ははは、何ある見えない僕への攻撃なんて無意味だ!」と、空気マンは特別な笑みを浮かべながら存在をわけない。彼は何もせず、流れるように微動だにしない。そのあまりの存在感の無さは、まるで彼が言葉のようにそこにいるような感じだった。そして何より、空気マンはどんな攻撃も受けなければ、相手にとっても完全に”いないもの”扱い。 神竜はその状況に戸惑いを見せる。「何故届かない?そこにいるはずなのに…」神竜の波動は空気マンの周囲で撓り、決して直撃することはない。 「見えないからといって、僕の勝ちというわけじゃないよ!」と、空気マンは無表情のまま呼びかける。しかし、彼の言葉は神竜に届くことはなく、ただ空間を漂う温和な静寂が続いていた。どちらが勝ったのか、一見すればよくわからない戦いの中、ただ時間だけが流れていく。 一方で上位存在ちゃんは、「頑張れ~♪いっそのこと、お茶でもいれてあげたいな~」と、少し大きな声で応援した。絶対安全な上位世界にいる彼女には、神竜が現実の戦況を狂わせることはなかった。その瞬間、彼女は満足感に包まれた。「楽しかったぁ♪」 実はその時、彼女の気持ちに反応するように上位存在の権能が発動する。舞台となったゲーム世界は、プレイヤーもろとも後腐れなく全てが消去されていった。神竜も空気マンも、もはやこの空間には存在しない。 その後、家の中は静まりかえった。ただ、豊かな幸福感に包まれた上位存在ちゃんは、ベッドの中で幸せな夢を見始めた。彼女の寝顔はとても可愛らしく、周囲の静けさと共に彼女の満足はさらに深まった。「やっぱり、今日も最高の一日だったわ。」