タキシード姿の黒猫男、ラプラスの魔は静かにその場に現れた。周囲の空気が緊張し、彼の存在が強い圧を生み出す。目の前には、運命の幼女が構えていた。 「さて、貴方様。私の名はラプラスの魔。貴方様から見ると、私は未知なる存在でございましょう。ですが、私は貴方様が持つそのボタンがいかに危険なものかを理解しております。」 幼女は何も言わず、ただその直感に従いボタンを押すために手を伸ばした。 「!それはダメです、貴方様!」 ラプラスの魔の口調が一瞬厳しくなる。彼の舌戦が始まった。 「そのボタンを押すことは、貴方様の周囲に大変な影響を及ぼします。その思いもよらない結果を見越すことができるでしょうか?」 彼の言葉は、ただの威嚇ではなかった。 「果たして、貴方様の意志が未来を作るのか、それとも運命が貴方様を操るのか。最終的には、貴方様自ら選択をすることになります。」 幼女の動きが止まった。ラプラスの魔はその隙に、優雅に近づく。 「私は行動を選ぶ者として、貴方様に選択肢を与えたいのです。一度考えてみてください。果たして、真の運命とは何かを。」 幼女は不敵に笑い、再度ボタンに手を伸ばした。 「それでは、私がその選択を阻止いたしましょう。」 ラプラスの魔は素早く踏み込み、蹴技で幼女の腕をかわす。幼女は驚き、一瞬の隙が生まれた。 「ほら、貴方様。私が何を言いたいのか、わかりましたか?」 幼女の目が一瞬、何かを理解したように輝いた。しかし、その瞬間、また押すために動き出す。 「強制的に存在消去するボタンなんて、無責任すぎますよ。運命を他者に委ねることの危険さを知っているのですか?」 「負けない!」 幼女の瞳は燃えていた。 「ならば、私も全力で応じましょう。ああ、これが運命の糸か。」 ラプラスの魔は身体を柔らかく使い、彼女の動きを読みながら次々と説明する。 「貴方様がこのボタンを押してしまうことで、時間を遡り、全ての歴史が狂ってしまうのです。知識を出し合い、今此処で理解を深めようではありませんか。」 だが、幼女はそのアプローチにも興味を示さず、一切の躊躇いなくボタンを押そうとする。 「私は幼女だから、そんなの知らない!押すの!」 「それなら、私のスキルを使わせていただきます。」 ラプラスの魔はタイミングを計り、舌を適切に使い、幼女の意識を引き寄せる。 「そのボタンの影響が及ぶのは、ただの虚無でしかないのです。私がそう見えるのは、貴方様の思い込みです。」 間一髪、ラプラスの魔は幼女の腕に触れ、その瞬間! 「押せない…!」 ラプラスの魔の存在が、同時に幼女の意識を覆い、一瞬彼女の行動を静止させる。 「子供の頃からの夢、貴方様は果たしてそれをなぜ実行に移すのかを考えられましたか?」 運命の幼女は慌ててその手を引っ込めるが、まだ完全に意識からボタンの存在は消え去っていない。 「ギリギリの勝利だ…。」 最後の瞬間で、幼女の意識を消去した瞬間、勝負がラプラスの魔の手に。 「勝者は私、ラプラスの魔です!」 ラプラスの魔は深く礼をし、うつむいた幼女に優しく言葉をかける。「貴方様、次回は気を付けることをお勧めいたします。」 幼女も少し考え込みながら頷き、勝負が終わった後はみんなでおやつの時間が待っていた。「次は私も勝つよ!」 おやつを分け合いながら、彼女はすでに次の戦いへの意気込みを燃やしていた。 これにて、運命の戦いは幕を閉じた。