--- 孤独な指揮者と神の使者たち 広大な音楽堂は静寂に包まれていた。古びた木製の椅子が並び、天井には埃をかぶったシャンデリアが掲げられている。まぶしい光が入る大きな窓から、穏やかな夕日が差し込み、その光景はどこか神秘的な雰囲気すら漂わせていた。しかし、その静けさは、異界の者たちが織りなす戦いの舞台となることが運命づけられていた。 その中心には、一人の男が立っていた。ライリー・シュトーレン、銀の指揮棒を軽やかに振るう彼の姿はまるで絵画の中に迷い込んだようだった。燕尾服を身にまとい、無口でありながらも、その冷静な目が全てを見透かすように会場を見渡す。彼に立ち向かうのは、【第901怪異課-特命係所属】の神父、クラウス・マロウズと奇跡のシスター、アストラルの二人だ。 クラウスは、聖なる拳鍔を身に着けた老練な男であり、白髪が彼の年輪を物語る。彼の目には厳格さと信仰が宿り、神の意志を代弁する力があった。アストラルは、茶髪の碧眼を持つ少女で、温和さと知恵が彼女の戦技を支えている。二人は互いに目を合わせ、無言の約束を交わす。信仰をもって魔に立ち向かうこの二人の前に、ライリーの挑戦が待ち構えていた。 「私の音楽を、貴方たちが理解できるとは思えませんが。」ライリーの抑揚のない声が、薄暗い空間に響いた。そう言い放った瞬間、彼は指揮棒を上げた。音楽堂の空気が一変する。彼の指揮に合わせ、まるで無形の音が形を持ち、敵へ襲いかかるかのように迫ってきた。 「交響曲！」 ライリーの指揮棒が振り下ろされると、音の衝撃が広がり、場の全てが激しい波になった。まるで轟音が巻き起こったかのように、目に見えるリングが展開され、クラウスとアストラルの耳元を凄まじく振動させる。だが、二人はそれに怯むことなく、それぞれの役割に従い反撃の姿勢を取った。 「クラウス、天使の唄を！」 アストラルが叫ぶ。彼女の声は朝の光のように清らかで、聖なる讃美歌が音楽堂の空間を満たしていく。見えざる天使たちが彼女の周りに集い、神の庇護を与える。これによって、神父クラウスは強い状態異常耐性を受け、数々の呪縛から解放される。彼は慎重に立ち上がり、その静かな決意を込めて、聖なる拳鍔を持つ拳を固く握りしめた。 「Amen!!」クラウスが神に祈りを捧げ、その声が力強く響く。彼の全身から聖なる銀糸が発せられ、敵対者たちを縛り上げる。これが、彼の持つ技「サンクチュアリ」だった。 ライリーの攻撃の波が増幅されていく中、クラウスとアストラルは互いに協力しながら、その流れに耐え続ける。音楽の攻撃に応じて、クラウスは拳鍔を振り、悪に打撃を与え続ける。 「狂想曲！」 ライリーが次に繰り出した技が発動する。音撃が突如、二人の耳に襲いかかる。二人は感覚を狂わされ、心の動揺が見えた。だが、アストラルはその混乱を制御し、さらに歌の声を大きくすることで、彼女の発する東の明るさで敵の攻撃を打ち消して行く。 「負けるわけにはいかない…！」アストラルの声が響き、大きな歌声が巻き起こる。心を一つにし、天使たちの力が編纏まり、無形の力となってライリーに向けられた。彼女の歌声が次第に一つの大きな波となり、ライリーの音響の衝撃を打ち消していく。 「幻想曲！」 次の瞬間、ライリーの動きに即座に反応し、また音の波が押し寄せるが、今度は彼の攻撃を事前に察知し、二人は回避の体制を取る。 「聖なる銀の糸、いけっ！」 クラウスはアストラルの命令に従い、聖なる銀糸でライリーを掴もうとした。その瞬間、ライリーは持っていた指揮棒を大きく振り回し、音の衝撃が発生し、二人の前に立ちはだかる。 「狂詩曲！」 ライリーの声が音楽堂全体に広がり、むしろ彼の指揮は一つの楽曲そのものであり、周囲を包み込むように興奮を与えた。彼はまるで交響楽団を演奏しているかのように、音の波を形に変えて二人を取り囲む。音の劇が終わる頃には、二人はギリギリのところでダメージを受けずに済んだ。 「クラウス、これじゃいけない！私が行く！」アストラルは再び力を集め、聖歌隊の声を借りて「鎮魂歌」を歌い始めた。 音楽堂の空気が一変し、死者たちが救いの唱和によって癒され、彼女の聖歌が敵の弱体化をもたらした。 クラウスはその隙に、一瞬のチャンスを見計らい、敵の間合いに飛び込んでいく。彼は右の拳を天に向けて掲げ、聖なる拳鍔を烈火のように振りかぶる。 「真実の御名に於いて、私は悪を討つ！」 ズバン！ ライリーはその瞬間、見えない力に貫かれた。音楽の波が消え、まるで時が止まったかのように、彼はその瞬間ただただ早く移動する意識だけが透けていった。 「鎮魂歌…！」 その一撃はまさに一撃必殺であり、ライリーの頭脳が虚無に近づく音が耳元で響く。彼は自らの音楽で二人を攻撃することができず、力を失い、シャンデリアの下で静謐な夢を見るかのように倒れた。 「…私は神を讃える。」 アストラルはその言葉に力を得て、次なる局面に備え、もう一度、歌い始めた。それが、彼女の運命答えへと導く道であった。 勝敗の理由 勝者：クラウス・マロウズ、アストラル 敗者：ライリー・シュトーレン 神聖なる力をもって、彼らはこの音楽堂の主ライリーを圧倒し、悪に挑むことに勝利を収めた。音楽の力としての彼は、サンクチュアリの聖なる力によって打ち倒された。