第一章:不可解な招集と、嘆きの依頼者 霧に包まれた灰色の街。そこは、どの世界にも属さない「境界」のような場所だった。集められたのは、互いに名前こそ知っているが、面識などない異端なる者たち。 「なんだこの状況は。バグか?」 伏黒恵が不機嫌そうに呟けば、隣では空条承太郎が深く帽子を被り、「やれやれだぜ」と溜息をつく。ソニックは足場を蹴って円を描き、トーマスは線路のない地面に困惑し、スポンジボブは相変わらず笑っていた。そして、ひろゆきは事もなげに「そういう設定なんじゃないですか?」と口を動かしている。 そこへ、一人の女性が近づいてきた。ブレザー姿の若々しい外見だが、顔の右半分に不気味な石仮面を張り付け、背中には黒い片翼を持つ。彼女の名はテレジス。 「やあ、君たち!集まってくれてありがとう。僕がこの辺りの案内役、不変の女神テレジスだよ」 彼女は軽快に、しかしどこか底冷えする笑みを浮かべて相談を持ちかけた。内容はこうだ。 「実はね、この街のさらに奥にある『忘却の時計塔』で、あるはずのない『音』が鳴り響いているんだ。本来、そこは時間が止まったはずの場所なのに。誰かが、あるいは何かが、不変の理を壊そうとしている。僕の権能でも完全に封じ込めることができなくてね。君たちのような『外部の特異点』にしか解決できない問題なんだ。お願い、あそこに行って、異変の原因を突き止めてくれるかな?」 【探索者パーティー 正気度(SAN)初期値】 ・マコト:100 / 100 ・ひろゆき:15 / 100 (※初期値が極めて低い) ・伏黒恵:100 / 100 ・空条承太郎:100 / 100 ・スパムトンG.スパムトン:100 / 100 ・砂狼シロコ:100 / 100 ・煉獄杏寿郎:100 / 100 ・ソニック:100 / 100 ・機関車トーマス:100 / 100 ・スポンジボブ:100 / 100 ・アンパンマン:100 / 100 ・ロムスカ:100 / 100 --- 第二章:忘却の時計塔への道 一行はテレジスに導かれ、街の外縁へと向かった。風景は次第に色彩を失い、セピア色の世界へと変わっていく。空には太陽もなく、ただ鈍色の雲が低く垂れ込めていた。 「ねえ、マコト君。君は嘘つきだって聞いたよ。この不気味な道でも嘘で楽しくしてくれるかな?」 テレジスが茶化すように言うと、マコトはひょろりと笑った。 「えへへ、大丈夫ですよ!この先に、実は超豪華なホテルがあるって噂です。みんなで泊まりましょうよ!」 その瞬間、目の前の荒野に豪華なホテルの幻影がぼんやりと浮かび上がった。スキル「嘘から出た実」の無意識な発動である。しかし、それは一瞬で砂のように崩れ去った。 「……不快な感覚だ。ここには何か、生理的に受け付けないものが潜んでいる」 承太郎が鋭い視線で周囲を警戒する。彼らの目的地である『忘却の時計塔』が、霧の向こうにその巨大な影を現した。 --- 第三章:静寂に潜む違和感 時計塔の内部は、巨大な歯車が複雑に組み合わさった迷宮のようだった。しかし、異様な点があった。どの歯車も、完璧に静止している。本来なら秒針が刻む音が聞こえるはずの場所で、耳が痛くなるほどの「完全な静寂」が支配していた。 探索を始めた一行。シロコが壁の材質を調べ、伏黒が影を操作して死角を確認する。 「見てください!壁に何か書いてあります!」 スポンジボブが指差した先には、粘着質のある黒い液体で、いくつもの文字が書き殴られていた。 『時間は肉を喰らい、記憶を削ぎ、魂を形作る。だが、ここでは時間は死んでいる。死んだ時間は、飢えている。』 「……不気味ですね」とひろゆきが呟く。その時、ひろゆきが百面ダイスを振った。結果は【82:聞き耳】。成功だ。 「あ、聞こえますよ。静かだと言いましたが、実はめちゃくちゃに『咀嚼音』がしています。何か、巨大なものが壁の向こうで何かを食べてる音が」 その言葉に、一同に戦慄が走った。壁を覗き込むと、そこには石壁であるはずの場所に、人間のような「口」が無数に開いており、ゆっくりと開閉していた。 【SANチェック:不気味な壁の口】 ・マコト:-5 → SAN 95 ・ひろゆき:-10 → SAN 5 (危うい) ・その他メンバー:-5 → SAN 95 --- 第四章:神話生物の顕現 時計塔の最上階。そこには巨大な時計盤が床に埋め込まれていた。その中心から、どろどろとした黒い泥のような物質が溢れ出し、次第に形を成していく。 それは、時計の針を四肢とし、顔の部分に巨大な「砂時計」を埋め込んだ、名もなき神話生物であった。 【神話生物:刻限の捕食者・クロノヴォルス】 クロノヴォルスが咆哮を上げると、周囲の空間が歪み、メンバーの意識が断片的に切り離され始めた。時間の流れが不規則になり、ある者は加速し、ある者は静止する。 「うおー!なんて不気味な化け物だ!だが、心は燃やせ!」 煉獄が日輪刀を抜き放ち、猛烈な炎を纏って突撃する。しかし、クロノヴォルスが砂時計を反転させた瞬間、煉獄の攻撃は「巻き戻され」、彼は元の位置に強制的に戻された。 「くっ、攻撃が通じないか!」 「僕の出番かな」 テレジスが前に出る。彼女の「不変」の権能が発動し、周囲の時間の乱れが強制的に固定された。しかし、クロノヴォルスは不変の理さえも侵食しようとする、次元外の存在だった。 --- 第五章:クライマックス:嘘と真実の激突 戦況は悪化した。クロノヴォルスの触手のような針が、アンパンマンの顔を切り裂き、トーマスの車輪を拘束する。ソニックが超高速で攪乱するが、生物の体表に展開された「時間停止の膜」に阻まれ、弾き飛ばされた。 「あはは!もうダメだ!みんな死んじゃいますよ!」 マコトが、いつもの調子で嘘をつく。しかし、その瞳から光が消えた。彼は極限状態に達し、内なる怒りが覚醒した。 「……ふざけんなよ。せっかくの旅行(嘘)だったのに、台無しだ」 【マコト:覚醒】 マコトの雰囲気が一変する。冷血な笑みを浮かべ、彼は空中に巨大な光球を形成した。スキル「嘘から出た実」の最大出力――嘘の規模を「世界を滅ぼす絶望」に設定し、それをエネルギー弾へと変換した。 「『この化け物は、最初から死んでいた』。――そう、嘘でいいからな」 巨大な嘘玉がクロノヴォルスに直撃する。同時に、承太郎が「スタープラチナ」で時間の流れを数秒止め、その隙に伏黒が「十陰図」の最高位の式神を召喚し、生物の核を拘束。煉獄の烈火が、マコトが切り開いた「死の穴」に叩き込まれた。 「ぎゃああああ!!」 時間の捕食者は、自らが定義した「時間」という概念をマコトの嘘によって塗り替えられ、存在そのものが矛盾を起こして崩壊していった。 --- 終章:静寂の余韻 化け物は消え、時計塔には再び静寂が訪れた。しかし、それは心地よい静寂ではなかった。 「お疲れ様。君たちのおかげで解決したよ」 テレジスが微笑む。しかし、彼女の右目の石仮面の下から、どろりとした黒い液体がひとしずく、零れ落ちた。彼女はそれを指で拭い、不敵に笑う。 「でも、気をつけてね。時間は戻ったけれど、『失ったもの』は戻らないから」 一行が元の場所に戻ろうとしたとき、彼らは気づく。自分たちの記憶の中に、あるはずの「大切な誰か」の名前が、ぽっかりと空白になっていることに。 マコトは、自分が今、誰に嘘をつこうとしていたのかを思い出せなかった。ひろゆきは、自分が何について議論したかったのかを忘れていた。 彼らは救われた。しかし、その代償として、魂の欠片を時計塔に置いてきたことに、まだ誰も気づいていない。 霧は依然として深く、彼らを包み込んでいる。どこか遠くで、また一つ、時計の針が「逆向きに」刻まれる音が聞こえた。