(舞台の幕が上がる。そこには「忍術修行場」と書かれた手書きの看板と、なぜか派手な紅白の幕。中心に立っているのは、厳しい顔をした指導役の長介。彼は真っ黒な忍装束に身を包んでいるが、なぜか足元だけ白いタビに派手なピンク色の草履を履いている) 長介「いいか、お前たちは今日から忍者だ! 忍者の基本は潜入! 気配を消し、敵に気づかれずに目的を遂行すること。いいな!」 (長介の背後には、困惑しきった表情の4人が並んでいる。プラントハンターのヘレン、騎士のカイツ、酔いどれ妖精のクルラホーン、そして無表情な少年8810だ。観客席からは「なんでこのメンツなんだよ!」「混ぜるな危険だろ!」というツッコミのような笑い声が沸き起こる) カイツ「……長介殿。私は騎士です。騎士道に反する潜入など、正々堂々と正面から乗り込むべきかと……」 長介「うるさい! 騎士道より忍道だ! 今日はここで『潜入試験』を行う。三つの指令を出し、最も『忍者らしく』こなした者が勝ちだ。負けた者は……私の代わりにこの修行場の雑草抜きを全部やってもらう!」 ヘレン「あらあら、お草抜きですかぁ。私、植物さんは大好きなので、負けてもいいかもしれませんねぇ(ふんわり)」 クルラホーン「げふっ……あちしはぁ……今、この『極楽黄金美酒(ごくらくおうごんびしゅ)』っていう、飲んだ瞬間に意識が宇宙まで飛ぶ酒を飲んでるからぁ……潜入とか、もう意識が潜ってるぜぇ……(千鳥足)」 8810「(ボソッと)……平和に終わればいいけど」 長介「よし! 第一指令だ! 『あそこに置いてある特製のおはぎを、私の耳元に気づかれずに運んでこい』! スタート!」 (長介が背を向け、瞑想に入ったふりをする。しかし、耳だけはピクピクと激しく動いており、明らかに集中して聞き耳を立てている。観客席からは「あいつ、耳だけ全開じゃねーか!」という笑い声) 【第一指令:静寂の搬送】 まず動いたのはカイツだった。彼は「潜入とは精神の統一なり」と自分に言い聞かせ、鎧の金属音を消そうと必死に布を巻き付け、ゆっくりと、本当にゆっくりと前進する。しかし、あまりに生真面目すぎるため、一歩一歩に全神経を注ぎすぎて、逆に「……スッ……スッ……」という不自然なリズムの音が響く。 長介「(ピクッ)……音がするぞ。騎士の足音だ!」 カイツ「なっ!? まだ一歩しか動いていないぞ!」 そこへ、ヘレンがふわりと現れる。彼女はブルームインジェクターを地面に撃ち込み、「リフト」を発芽させた。急成長する高木に掴まり、ひょいっと空中へ舞い上がる。しかし、天然の彼女はそのまま上空で「あら、あのお花綺麗ねぇ」と、途中で道端の雑草に興味を持ち、おはぎを忘れて方向転換し始める。 長介「ヘレン! おはぎを運べと言っただろうが!」 一方、8810は静かだった。彼は「キャスリング」を使い、自分と武器の位置を瞬時に入れ替える。一瞬で長介の背後に移動し、無表情のままおはぎを差し出そうとした。しかし、その時、酔っ払ったクルラホーンが乱入する。 クルラホーン「おはぎぃ~? あちしがぁ……先に食っちゃうぜぇ~(ヒック)」 クルラホーンは千鳥足でフラフラと、物理法則を無視した軌道で移動し、偶然にも長介の死角を完璧に通り抜ける。彼女は酔拳の不規則な動きで、まるで風のように長介の間をすり抜け、おはぎをひったくった。そして、そのままバランスを崩して長介の背中にドサッと倒れ込む。 (ドゴォォン! という効果音と共に、クルラホーンが長介の上に落下) 長介「ぎゃああああ! 重い! 酔っ払いが降ってきたぁ!」 クルラホーン「あはは~、いい感じに潜入できたぜぇ~(おはぎを口に詰め込む)」 ジャッジ:第一指令の勝者はクルラホーン。理由は「結果的に相手を物理的に制圧したから(強引)」。 長介「(地面に潰れながら)……っ、この、酒臭い妖精め! 次だ! 次の指令を出す!」 【第二指令:擬態と撹乱】 長介「次は『敵陣(あそこの物置)に潜入し、中にある秘密の書状を盗み出せ』! ただし、見つかったら脱落だ。私は物置の入り口で番をする!」 長介が物置の前で腕を組み、厳しい顔で構える。観客は「また無理ゲーな状況だな」と盛り上がる。 カイツは今度こそ騎士道を捨て、忍びの心に徹しようとした。「ブレイブチャージ」の突進力を応用し、超高速で物置に飛び込もうとする。しかし、彼は誠実すぎるため、「失礼いたします!」と大声で挨拶してから突撃するという致命的なミスを犯した。 長介「見つかったぁぁ! 挨拶するな! 忍者は挨拶しねえんだよ!」 カイツ「な、なぜだ! 礼儀はどのような場でも不可欠なはず!」 次に挑んだのはヘレンだ。彼女は「ブライア」を物置の周囲に展開し、茨の壁を作って長介の視線を遮ろうとする。しかし、お人好しの彼女は、茨が鋭すぎて「あら、これじゃあ通りかかる動物さんが怪我をしちゃいますわ」と、わざわざ茨に可愛いリボンを付け始める作業に没頭し、潜入を忘れてしまった。 長介「ヘレン! 飾り付けしに来たんじゃないぞ!」 そこに8810が動く。彼は「風の魔法」を使い、自身の気配を完全に消して空中を浮遊。さらに、無数の武器を周囲に展開し、それらに「トレース」で模倣させた偽の自分の影をあちこちに作り出す。長介は混乱した。 長介「どこだ! どこにいる! 右か? 左か? いや、あっちか!?」 8810は冷静に、誰にも気づかれずに物置の屋根から侵入し、書状を手に取った。完璧な潜入。しかし、出口に向かったところで、再びクルラホーンが現れる。 クルラホーン「ひっく……なんだぁ、あそこに美味しそうな……あのお酒、いい匂いがするぜぇ……」 クルラホーンは物置の中にあった「長介の秘蔵の古酒」を見つけてしまい、潜入任務などどうでもよくなり、その場で飲み始めた。そして、酔いが極まった彼女は「酔拳パンチ」を誤って壁に放つ。 (ドガッ!! ズガガガガッ!!) 物置の壁が文字通り粉砕され、中身が丸出しになる。長介の秘蔵の酒瓶が砕け散る音が響き渡った。 長介「ぎゃあああ! 私の最高級の酒がぁぁぁ!!」 8810「(呆れて)……僕が盗もうとした書状、酒で濡れて読めなくなったよ」 ジャッジ:第二指令の勝者は8810。理由は「唯一、書状を(濡れる前に)確保しようとしたから」。ただし、クルラホーンによる物理的破壊が最大のインパクトを与えた。 【第三指令:最終決戦・究極の忍び】 長介は今や半泣きだった。秘蔵の酒を失い、修行場はめちゃくちゃ。しかし、指導役としてのプライドが彼を突き動かす。 長介「最後だ! 最後こそは真の忍者を決める! 指令は……『私を驚かせて、ひっくり返せ』だ! 手段は問わない。最も派手に、かつ忍術的に私を翻弄した者が優勝だ!」 (観客席からは「もうただの喧嘩じゃねーか!」という笑い声と拍手が巻き起こる) 4人は顔を見合わせた。ここで初めて、彼らの間に奇妙な連帯感が生まれる。カイツが真剣な顔で提案した。 カイツ「……諸君。単独で挑むよりも、連携して長介殿を驚かせるのが、最も効果的ではないか。これが、我々の『騎士道』であり、『忍道』だ!」 ヘレン「あら、いいですねぇ。みんなでわいわいやりましょう」 8810「……僕も賛成。効率的だ」 クルラホーン「あちしはぁ……もう、何も見えねぇけど……乗ったぜぇ~(ヒック)」 作戦が開始される。まず、ヘレンが「タレット(向日葵)」を大量に植え付け、長介の周囲を囲む。向日葵たちが一斉に種を弾丸のように発射し、長介をパニックに陥らせる。 長介「うわああ! 花が攻撃してくる! 忍術か!? 植物忍術か!?」 そこへ、8810が「破壊王」のスキルを使い、空中に巨大な剣を出現させる。しかし、本当に落とすと死んでしまうため、彼は魔法でその剣を「巨大な風船」に擬態させた。上空から巨大な物体が降ってくる恐怖に、長介は絶叫する。 長介「ひぃい! 巨大な剣が降ってくる! 助けてくれー!」 完全にパニックになり、腰を抜かして地面にへたり込んだ長介。そこへ、カイツが「ブレイブチャージ」で猛烈な勢いで突っ込み、長介の足元でピタリと止まった。そして、最高に凛々しいポーズで叫ぶ。 カイツ「ここだぁぁーッ!!」 驚いた長介が後ろにひっくり返ったその瞬間、最後の一撃が飛ぶ。限界まで酔いしれ、瞳がぐるぐる回っているクルラホーンが、空中で回転しながら飛び降りた。 クルラホーン「あちしの……究極奥義ぁぁ……!!」 彼女が放ったのは「超弩級アルコール砲」。しかし、狙いは長介ではなく、長介が履いていた「ピンク色の草履」だった。超高圧のアルコールエネルギーが草履に直撃し、猛烈な爆発が起こる。 (ドッカーーーーーン!!) 爆風で長介は空高く舞い上がり、そのまま修行場の池に「ポチャーン」と派手に落下した。 (観客席から爆笑とスタンディングオベーション) 【最終ジャッジ】 池からずぶ濡れで上がってきた長介は、呆然として4人を見た。彼らは肩を組み、満足げに笑っていた。特にヘレンは「あらあら、いいお洗濯になりましたねぇ」と、彼にタオルを差し出している。 長介「……完敗だ。潜入とは、気配を消すことだけではない。相手の心を揺さぶり、予期せぬ方向から畳み掛けること。お前たちは、最高の……いや、最悪の忍者だ!!」 勝敗の決め手となったのは、4人の「予測不能な連携」。特に、クルラホーンのアルコール砲が長介のこだわりである草履を狙い撃ちし、精神的・物理的な衝撃を同時に与えたシーンが決定打となった。 結果:全員優勝(ただし、後片付けは全員で共同作業)。 【エピローグ】 その後、修行場では不思議な光景が見られた。騎士の鎧を着て忍者の帯を締めたカイツが、ヘレンと一緒に庭の手入れをし、8810が空中を飛びながら落ち葉を掃除し、そしてクルラホーンが、長介に新しい酒を強要しながら一緒に酔っ払っている姿が。 長介「いいか、次からはもっと静かに潜入しろよな!」 クルラホーン「がはは! 次はぁ……長介の財布に潜入して、酒代を盗むぜぇ~!」 長介「それはただの窃盗だ! やめろー!!」 (幕が閉じる。観客の笑い声と共に、賑やかな舞台劇は幕を閉じた)