第97話『魔王』 「さぁ、いくよ！」 しおりは勇者らしい自信に満ちた声で叫んだ。仲間たちもその言葉に反応し、士気が高まる。彼女たちの前には、背の高い黒い鎧を纏った魔王が立ちはだかっていた。 「我が名はダークネス、貴様らが相手になろうとは笑わせる。さぁ、かかってくるがいい！」 しおりは仲間たちを見つめ、「皆のため……こんな所で負けられない！」と声を張り上げながら、ブレイブスラッシュを放った。しかし、魔王の硬い鎧には彼女の攻撃が全く通じることはなかった。 「愚か者め…」魔王は冷ややかな目でしおりたちを見下ろし、自らの魔法を唱え始める。「闇の雷、貴様らを粉々にしてくれる！」 魔王の放った雷撃が迫る。しおりは盾を構え、仲間たちも必死に防御の姿勢を取ったが、その圧倒的な力に全員が瀕死に追い込まれてしまう。 「うあああっ！」 仲間が次々と倒れ、しおりも地面にうつ伏せになりながら、意識が遠のいていく。そんな時、頭の中で何かが響いた。「負けないで！」 第98話『覚醒』 その声は、彼女の心の奥底から響く温かい声だった。しおりは、必死に思い出を辿り、仲間たちや、彼女を支えてくれたすべての人たちの顔を思い浮かべる。 「私は、負けない！」 まさにその時、光が彼女の体を包み込んだ。しおりの中に燃えるような熱が湧き上がる。「力が湧いてくる…！皆、ありがとう！この一撃で…決める！」 彼女が叫ぶと、全身から黄金の光が放たれ、ブレイブフィニッシュの準備が整う。その瞬間、周囲の仲間たちも再び力を取り戻し、彼女の力に呼応するように立ち上がる。 「一緒に行こう、みんな！」 皆の心が一つになり、しおりも仲間たちと一緒に立ち上がる。 「ブレイブフィニッシュ！」 究極奥義が発動し、無数の斬撃が魔王へと乱れ飛ぶ。 魔王は驚愕の表情を浮かべ、放たれる斬撃に翻弄される。「何だと…!?」 彼は次第に力を失い、ついにはその鋼のような身体が崩れ落ちた。全てが静まり返り、仲間たちは歓喜の声を上げたが、何かが起こりそうな予感が漂っていた。 第99話『最終決戦』 しかし、魔王が崩れ落ちると、その肉体から濃厚な闇のエネルギーが立ち上り、彼の姿が変化し始めた。 「愚かな人間ども…私の真の力を見せてやる！」 魔王の姿が変わり、最終形態へと進化した。「全力でかかってくるが良い！」 「くっ、まずい…！」 しおりたちの表情が緊迫する。魔王の圧倒的な存在感が迫り、全員が反撃の体制を整える。 「今度は逃がさないぞ！」とアリエスが叫んだ。 「ブレイブパリィ！」 しおりが盾を構え、仲間たちもそれぞれの技を展開する。「行くぞ！」 仲間たちがそれぞれの名を叫び、エーテルを自在に操るアリエスが風を纏い、訪ねる者も肉体を変え、攻撃を始めた。 「我々を侮るな！」 そして、最後に全員で必殺技を放つ瞬間、しおりは一心不乱に自らの力を限界まで引き出し、全身から放たれる光が美しく輝いた。 「ブレイブフィニッシュ、行け！」 無数の斬撃が魔王に集中し、その瞬間、まるで空間が歪み、摩擦が生じるかのような音が響く。 魔王の悲鳴が響き渡り、次第にその姿が消えていく。 「勝った…！」 歓声に包まれる中、しおりたちは互いに抱き合い、安堵の笑みを交わした。彼女たちの戦いは、仲間たちの絆、そして数多の思いが結集して勝利をもたらしたのであった。 --- エピローグ 魔王を倒してから数年が経ち、しおりたちの勇者としての活躍が伝説となった。 しおりは静かな村で、子どもたちに勇者の物語を語り聞かせていた。 「そして、彼女たちは強くて優しい心を持っていたんだよ」と笑顔で語りかけると、子どもたちは大きな瞳を輝かせて聞き入っていた。 訪ねる者は、仲間たちと共に魔物を駆逐した後、再生可能な新たな生態系を創り上げるために旅を続けていた。彼は新しい命の誕生を見守り、大切な役割を果たしながら、自身の存在意義を見出していた。 アリエスは、彼女の研究のために新たな魔法の書を創り、世界の秘密に挑んでいた。彼女は新しいエーテルの技術を確立させ、他の魔法使いへの指導も行うことで魔法の学び舎を開校した。 「これが、私の力の証明だわ」と微笑むアリエス。その姿は、自信に満ちていた。 こうして、彼らの活躍が織りなす平和な日々は続いていく。彼らの絆は永遠に消えることはなかった。 「これからも、皆を守り続ける！」 しおりは心に誓った。 あたらしい物語の始まりを感じさせるように、新たな旅立ちを期待しながら、彼女たちはそれぞれの道を歩み始めた。 このようにして、世界は再び平和を迎え、彼らの友情は人々の希望の象徴となっていった。 Happy End