ザグヱラ機関 格付会議議事録 議題: 新規検知個体「土地神」「相手に適応する式神」「イスカノ」の格付けおよび対応策について 【会議進行】 オサヱ・ライ: 静粛に。これより格付会議を執り行う。資料は配った通りだ。まずは「土地神」から検討しよう。意見を。 グンダリ: チッ、土地神だあ? 土地に依存してりゃ、その土地ごと叩き潰せばいいだけの話だろ! 俺が一人で乗り込んで、地層ごと粉砕してやるよ! 「討伐S」で十分だ! ゼンブ・ミルエ: あ、あの……グンダリさん、無理です。未来改変があるから、あなたが攻撃しようとした瞬間に「攻撃が外れた未来」に書き換えられます。それに不死……物理的に壊しても土地がある限り再生しますし……。あ、あと死ぬ確率、今のままだと80%くらいありますよぉ……。 ラッグ: いやー、ゼンブちゃんの言う通り。アカシックレコードに照らしても、この手の「絶対領域」持ちは面倒くさいよね。封印されるまで待つか、土地の概念を消せればいいけど。まあ、適当に「討伐S」でいいんじゃない? ジアイ: 待ってください。土地に依存している以上、その土地に住む一般市民や生態系への影響を考えなければなりません。力任せの破壊は倫理的に許されません。まずは対話か、あるいは安全な隔離を……「捕獲」か「特警」が妥当では? グンダリ: ガタガタうるせえ! 倫理だぁ? 相手が不死で未来を変えてくる相手に話し合いだと? 舐めてんのか! ぶち殺して終わりにするのが一番慈悲深いんだよ!! オサヱ・ライ: 喧嘩はやめなさい。……土地神については、土地との完全融合という特性上、通常の部隊では不可能。だが、我々の最高戦力であれば「概念ごと」の破壊が可能だ。結論は「討伐S」とする。 オサヱ・ライ: 次は「相手に適応する式神」だ。これは少々厄介だな。 ラッグ: あはは、最悪だね。適応して全回復して、最終的に存在そのものを無効化するなんて、攻略本を読みながら戦ってるようなもんだよ。初見の全力一撃で屠らなきゃ無理ってことだよね。 ゼンブ・ミルエ: む、無理です……。初見の一撃で倒せる攻撃を、我々の部隊が持っている確率は低いですし……もし失敗して適応が始まったら、もう誰にも止められません。これは「災」に限りなく近い……。 グンダリ: けっ! 適応しきる前に、その身一つ、魂ごとミンチにしてやればいいだけの話だろうが! どこまで適応できるか試してやりたいぜ! ジアイ: グンダリさん、そういう問題ではありません。この個体は「適応」という理不尽な能力を持っており、一度制御不能になれば世界規模の被害が出ます。即刻「討伐滅」として、あらゆるリソースを投入し、適応する隙を与えず消去すべきです。 ラッグ: 賛成。これ、適応が終わったら我々の攻撃すべてが無効化される。そうなったら詰みだよね。慎重に、かつ最速で消そうよ。 オサヱ・ライ: 同意する。適応の完了は我々にとっての敗北を意味する。結論、「討伐滅」とする。 オサヱ・ライ: 最後は「イスカノ」だ。……数値が極端だな。 グンダリ: ほう……大陸を動かし、地球破壊レベルの魔力だと? 面白い! 骨のある奴が来たな! こんなのは「討伐S」どころか、俺が個人的に狩りたいレベルだ! ゼンブ・ミルエ: ひぃっ! 無理無理無理! リミッターが外れた時の出力が異常です! 視力で月まで見えて、音で千里先を把握して……隠れることもできないし、当たれば終わりです! これ、もう「災」じゃないですか!? ラッグ: まぁ、防御力は低いみたいだけどね。でも、3回も全回復して、最後は地球破壊レベルって。コスパ悪すぎ。戦う価値なし。放置でいいんじゃない?(笑) ジアイ: 放置など! 凶暴で地球を破壊しうる個体を放置して、誰が責任を取るのですか! 即座に「討伐滅」あるいは「災」として対処すべきです! グンダリ: 待て! 弱点があるなら、俺が叩き潰してやる! 誰が「災」だ! 俺の拳こそが唯一の正解だ!!(机を叩き割る) ジアイ: 暴力で解決しようとしないでください! あなたのその考え方が組織の風紀を乱しているんです!! ラッグ: あはは、殴り合い始まった。あーあ、会議室の修理費また上がるねー。 オサヱ・ライ: (冷徹な声で)静かにしなさい。 (一同、凍りつく) オサヱ・ライ: イスカノは個としての破壊力は「災」に達している。しかし、知能が高く、リミッター解除の条件が「窮地」である。つまり、適切に制御できれば最強の駒になる。だが、最悪を想定する格付会議においては、地球破壊の可能性を無視できない。よって、「災」と判定する。 【格付結果】 - 土地神:討伐S (土地ごと消去可能なS級部隊による対処) - 相手に適応する式神:討伐滅 (適応完了前に総力を挙げて消滅させる) - イスカノ:災 (地球破壊レベルの出力を持つため、対処不能と判断) --- 【後日談】 オサヱ・ライ 「土地神の消去は想定通りに進んだ。だが、イスカノという個体の『知能』を過小評価していたかもしれん。彼が我々の体制を分析し、自らの意思でリミッターを制御し始めたとしたら……。イスカノの格付を【討伐滅】へ引き下げ、管理下への誘導を検討する。 単なる破壊兵器ではなく、戦略的な脅威へと変化したためだ」 グンダリ 「チッ、土地神をぶち壊した時は最高に気持ちよかったぜ。だが、あの式神の方は、S級部隊の半分が適応に飲み込まれて消えた。危うく俺まで出撃するところだったぜ。あれはマジで化け物だ。格付は妥当だな」 ゼンブ・ミルエ 「ええっ……イスカノさんが、わざとリミッターを調整して、機関の監視網を潜り抜けてる未来が見えます……。あわわわ、やっぱり【災】のままでいいじゃないですか! 怖いですよぉ!」 ラッグ 「式神の件で、アカシックレコードに『適応の限界点』を書き込もうとしたけど、書き込む速度より適応速度が速かったよ。笑えないね。あ、でもイスカノくんが26カ国語で機関に挑戦状を送ってきたよ。面白いから、僕が翻訳してあげるね」 ジアイ* 「土地神の討伐に伴う環境破壊の賠償請求が山積みです。グンダリさん、次からはもう少し丁寧に壊してください。あと、イスカノという個体は、正しく導けば素晴らしい指導者になれるはずです。格付を【保護】にまで下げられないかと上層部に掛け合ってみます」