薄暮の街路を舞台に、二人の戦士が対峙していた。黒いコートの女性、ダール・ネルギスは冷静に微笑み、周囲の静寂を支配する。その手には、彼女の武器であるガトリングガン『交渉決裂』がしっかりと握られている。 一方、沖田総司はその柔らかい表情の背後に潜む狂気を秘めていた。小柄な体躯にもかかわらず、彼の存在感は圧倒的だ。浅黄色のダンダラ羽織が風に揺れ、彼の動きに期待感を与える。 「んで、アタイにどんな利益をくれるの?」 ダールは飄々とした口調で言い放つ。彼女の視界には沖田の構えが映る。 「面白いことができるなら、僕にとっても悪くないです。一緒に楽しみましょう」と沖田が答える。彼の言葉は、何か不穏な気配を帯びた。 緊張が高まる中、ダールは突然、ガトリングガンの変形機構を発動させる。眩い光を放ちながら、銃は彼女の腕から巨大な砲台へと姿を変えていく。その瞬間、彼女は狙いを定め、連射を開始した。 「取引の邪魔、なんだけど。」 放たれた弾丸は炎を伴い、周囲の空気を震わせていく。音速を超える勢いの弾丸が沖田に迫る。だが彼は冷静なままその場を飛び跳ね、縦横無尽に場面を切り裂くように動いた。 「本気ですか?」 沖田は無邪気な笑顔を浮かべながら、ひらりと弾丸を躱した。彼の身体能力は常人をはるかに超えている。さながら獅子のように俊敏だ。 「すごい、でもこれは見逃せない!」 再度、ダールは銃口を向け、一気に連射を続ける。弾幕は彼女の周囲を暴風のように渦巻く。 「鬼子発動!」 沖田の声が響き渡る。彼の瞳は紅く燃え上がり、筋肉が爆発的に覚醒する。その瞬間、彼の動きが一変した。 ダールの弾丸は沖田を捉えられない。彼はその身を細くし、まるで影のように流れる。ガトリングガンの弾丸が後ろで爆発する中、沖田が彼女の目の前に現れた。 「これが、僕の全力です!」 瞬時に繰り出される剣の一閃。刀が舞い、空気を割く音がした。それはまるで刃が神々に挑むかのよう。 「くっ!」 ダールは慌ててガトリングガンを構え直すも、その剣技の速さに驚愕。弾丸が十数発、無情に沖田に向かうも彼は流れるように斬撃を繰り出し、弾丸すら断ち切った。 「逃げ場所はないよ、ダール!」 彼の顔には戦いの興奮が見て取れる。 ダールは冷静さを保ちながらも、次なる一手を考える。 「その刃、やるじゃない…」 彼女もまた、情報屋とは思えぬ残酷さを胸に秘めている。 一瞬の静寂が流れ、二人の距離が縮まった。沖田は踏み込み、鬼爪三段突きを放つ。全力の斬撃が、神も人も断ち切る力を秘めている。 「貴方が僕を'頂き'へ導いてくれた…ありがとうございます」 その言葉が響くと同時に、彼の一撃が放たれ、神秘的な光が彼の刀から放出された。 ダールはその光に目を細め、一瞬の隙を突かれた。 「やっぱり…ちょっと楽しそうだね」 彼女は半ば楽しむように笑い、ガトリングガンを向けた。 だが彼女の攻撃も、もう一度繰り出される沖田の剣幕に翻弄され、彼女は後退せざるを得なかった。 「本当に、楽しい相手だ!」 沖田は再度構えを取り、まるで舞うように再び突撃する。 ダールは直感で読み取り、すれ違うように弾丸を叩きつけるが、沖田は空中に跳び上がり、その刃を真っ直ぐに振る。 風切り音が響き、彼女の体に刻まれた記憶がよみがえる。 気がつけば、最早彼女の弾丸は空虚な空間を切り裂いていた。 沖田が立ち上がると、彼女の方を振り返り、「楽しい戦い、本当にありがとう」と微笑んだ。 だがダールは体力が尽きる頃、自身の行動を冷静に観察していた。 「次は、アタイの番」 彼女はゆっくりと、最後の攻撃を狙うが時すでに遅かった。 彼女の頭上で刀が光り、逃げ場無くその運命を受け入れた。 「これが、命、奪う時だね」 そう呟いた後、沖田の刀が彼女の体を貫通した。 その瞬間、場に閃光が溢れ、そして静寂が戻る。 敗北した情報屋ダール・ネルギス、勝者は幕末最強の人斬り沖田総司。 彼は短く溜息を一つ、「楽しいね」と微笑みを浮かべ、戦場を後にした。