ある日の食材バトル場。色とりどりの食材たちが集い、ひときわ目に留まる存在がいた。こんにゃく、その特徴的な形状をした食材は、静かに、しかし確かに、そこに存在している。"己が運命を静観し、ただ受け入れるのみ"とでも言うように、彼は微動だにせず、目の前の戦いを見つめていた。 対するは、【修羅ノ剣士】蜻蛉。彼女は黒髪をなびかせ、心躍る戦いの予感に笑顔を浮かべる。"こんにゃく、貴様を今から斬り捨てる。さあ、かかってきなさい!"と挑発する。蜻蛉の声には、戦闘狂の火が灯っている。 "ああ、食材と人間の戦いが始まるのか。俺は終わらない、ただ存在を示すだけだ。"こんにゃくは、心の中で静かに思った。戦場に立つ彼の表面には、「乙」と焼き印が押されているが、その印の意味など無意味なものだ。彼の存在がその死に値するとは、誰も思わないだろう。 "疾走せよ!"蜻蛉は猛進ノ虫のスキルを発動し、一瞬のうちに目の前まで迫った。彼女の体が歪み、音の壁を突き抜けてゆく。しかし、こんにゃくは静かに、そしてつるっとその動きをかわす。 "何だ、この食材は…?"蜻蛉は驚愕の表情を浮かべる。攻撃がまったく当たらない不思議さに戸惑う。こんにゃくの流れるような動きは、彼女の力強さを無力化しているかのようだった。 "手強いな、だが諦める訳にはいかない!"蜻蛉は再び、剣を振りかざした。30kgを超える大太刀が空を切り、ふたたびこんにゃくへ向かう。その瞬間、こんにゃくはさらりと横に滑り、さらなる攻撃を無に帰する。 "やはり、私の存在が貴様を圧倒しているのだな。"こんにゃくの悠然とした口調が響く。蜻蛉は焦-りを隠せず、圧倒的な存在感に翻弄される。戦える果実や野菜などの食材を相手にしたことがあるが、こんにゃくのような存在には初めて出会ったのだ。 "ハハハ!これが食材の反撃か!だが、私の闘志は消えることはない!"蜻蛉は全力を尽くし、百烈剣を繰り出す。しかし、こんにゃくはそのすべてを、つるんとかわしながら笑顔を崩さない。 最後の一撃、蜻蛉は全ての力を注ぎ込む。彼女の剣が煌めく瞬間、こんにゃくはその速度に触れた。だが、こんにゃくは全く動じることなく、ただその場に立ち尽くした。 蜻蛉の剣が「乙」の印を貫く瞬間、その反動に彼女の闘志もまた、粉々に砕け散った。