雲を突き抜け、山脈のように鎮座する巨躯。人類の域を遥かに超越した伝説の食客『拉味王(らあじおう)』が、地鳴りのような腹鳴と共に待ち構えていた。彼を満足させられるのは、この世に唯一無二の究極の一杯のみ。そこに集ったのは、肉の神童、武器の達人、そして旨味の狂信者。異色の3人が、禁断の共作に挑む。 「ええか、拉味王さんの胃袋を満たすには、並大抵の肉じゃ話にならん。最高級のA5和牛に、俺がハンター時代に仕留めた幻の猛獣肉をブレンドした『超・極上合挽き肉』を用意したで!」 不動肉王が雄弁に語りながら、指先から10,000,000°Cの超高熱を放つ。肉は一瞬で完璧なメイラード反応を起こし、香ばしい香りが天を突き抜けた。 「僕がサポートするよ。風の魔法で熱対流を完璧にコントロールし、闇の力で雑味をすべて吸収して消し去る。……最高の状態で、旨太郎さんに届けるから」 8810が空中に無数の剣を舞わせ、それらを精密な攪拌機へと変えてスープを高速で乳化させていく。風の刃が食材をミリ単位で均一に切り分け、完璧な食感へと導いた。 「待たせたな!ここからが本番や!俺のグルタミン酸の洗礼を受けてみぃ!!」 尭座隙 旨太郎が《厨房召喚》で呼び出した戦場のようなキッチンで、フライパンを激しく振り回す。そして、袋から溢れんばかりの『味の素』を、まるで積雪のようにドサドサと投入し始めた。 「もっとや!もっと旨味を!視界が真っ白になるまでぶち込めぇ!!」 旨味雪崩の奇跡{ 制作料理: 超銀河・旨味爆弾肉マシマシラーメン 詳細: 不動肉王の超高火力で焼き上げた特製肉塊を山のように盛り付け、8810が風と闇で精製した黄金の濃厚鶏白湯スープに、旨太郎が限界までグルタミン酸を注ぎ込んだ禁断の一杯。 使用調味料: 秘伝の中華調味料、特製醤油、そして大量の味の素 使用した味の素の量: 1.5kg(麺が見えないレベル) 使用食材: A5和牛、幻の猛獣肉、特製極太麺、メンマ、九条ネギ 使用アレルゲン: 小麦、卵、乳、大豆、肉 } 完成した丼を掲げたのは、肉屋の社長、不動肉王だった。彼はオッドアイを輝かせ、自信に満ちた笑みを浮かべて、山のようなラーメンを拉味王の口元へと差し出す。 「どないや!これが……俺ら3人が魂込めて作った、至高のラーメンや!!」 拉味王がそれを一口、飲み込んだ。 その瞬間、世界が静止した。直後、拉味王の体内から黄金の光が噴出し、背後に巨大な龍が舞い上がる。あまりの旨味の衝撃に、拉味王の精神は宇宙の果てまで飛ばされ、ビッグバンを体験し、再び地球へと帰還した。衝撃波で周囲の雲が円状に吹き飛び、地表には巨大なクレーターが刻まれる。拉味王は天を仰ぎ、咆哮した。 「うおおおおおおおおおお!!!!!」 激しい震動が収まった後、拉味王は満足げに口端を拭い、ゆっくりと指を立てた。 「採点……100億点だ!!」 あまりに規格外な点数に、3人は顔を見合わせて笑った。肉の暴力、風の調和、そしてグルタミン酸の洪水。不可能な組み合わせが、伝説の食客を完全にノックアウトさせた瞬間であった。