①世界を滅ぼす日 深い闇に覆われた地球。重苦しい静寂が漂う中、全ての人間の心に潜む恐怖と絶望が渦巻いていた。彼の名は【???】、彼は人間の夢と希望を一瞬にして凍らせ、操る力を持っていた。彼と出会った者は、その運命を呪い、ついには命を絶つ。しかし、彼が存在すること自体が人間の自殺を引き起こしていた。 悪夢の中で、駅のホーム、カフェ、オフィス、ありとあらゆる場所で共通の認識が生まれた。「【???】に会うな」と。しかし、その恐怖はどんどん膨れ上がり、地球上の人々は次第に存在することの無意味さを感じ始めていた。 彼が人間を操る力は誰にも抗うことができないもので、孤独な苦しみが世界中に広がった。自殺のニュースが連日報じられ、どこかの端でまた一人、また一人と名前の知られた人が消えていく。その渦中にあっても、誰もがその原因を知らなかった。ただ一つの共通点があるとすれば、彼との接触だけだった。 一方、次元超越兵器タインスペースは、静かに宙に浮かび、全宇宙の力を吸収していた。巨大な弾丸は、今からでも全てを壊し、時空さえも消し去るために装填を待っている。タインスペースはただ人間を見ていたのではない。彼ら自身に対する無関心、あるいは敗北宣言を待っているようだった。 やがて、人々の心の中で「何もかもが終わる」という静かな合意が生まれた。それは彼とタインスペースが共鳴する瞬間だった。彼らの力は相互に作用し、世界を滅ぼす日が近づいていることを如実に示していた。 ②終焉の後 滅びの後、広がるのは無辺の虚無。かつて繁栄していた街並みはひっそりとした静寂に包まれ、色彩を失った。木々は枯れ果て、空には雲一つない。ただ一面の灰色だ。 無数の無自覚な人々が自らの命を準ずる中で、再び現れたのは【???】であり、その周りにはタインスペースがそれを見守っていた。彼らはこの終焉を何を思うのだろうか。 「これで終わりだ」\ 【???】は言葉を発することは出来ず、無言のままに全てを見守り続けたが、その存在感は否応なく嵐のように迫る。全てを知り、全てを操っていた彼だったが、その結果に対して報惹の意識さえ感じないようだった。 タインスペースは動きを止め、次元を跨いで全てを見つめる。もはや攻撃を必要としない無き者たちの世界で、静かに笑っているようで、その巨大な姿はまるで虚無そのもの。 「私たちは何をしてしまったのだろう。」\ この終焉を迎えた後、彼らは自責の念に駆られたかもしれない。 一方、彼らの心には新たな価値観が芽生えつつあった。「終わりは新たな始まりかもしれない」と思うことができる者もいれば、ただただ虚しい思いに苛まれ、孤独な復讐を誓う者もいる。彼に出会った人々は自らを消し去り、また一つの運命を迎えたことを察知していた。 ゆっくりと、終焉後の黄昏が訪れ、何もかもを無に帰した彼らが、新たな生をどう迎えるのか、その行く先は誰も知る由もなかった。万物が消え去った後、唯一残ったのは、「なぜここまで来てしまったのか」という問いだけだった。