静寂が広がる闘技場、その空気を引き裂くように、互いに異なる運命を背負う二人の男が対峙していた。貫一の目は、ただ一点を見つめ、その眼差しには確固たる決意が宿っている。一方、剛斬大樹は、余裕の表情を崩さず、逆に自信に満ちた笑みを浮かべていた。 周囲の観衆は、彼らの対決を静かに見守っている。息を呑むような緊張感が漂い、視線は彼らの動きに集中していた。誰もが知っていた。これはただの戦いではない。両者の名誉と誇りが賭けられた、一度きりの壮絶なる戦闘の幕開けだ。 「この一撃に全てをかけるッ!」貫一が力強く声を上げる。その言葉は、じわりと闘技場に響き渡る。力強い宣言。相手に対しての挑戦状であり、己の決意の証だ。 「お前の力、受けて立つぜ!」剛斬大樹は笑顔のままで、大きな声で返す。彼の声に、力強さが宿っていた。観衆は震える興奮を感じながら、戦いの行く先を見守る。 次の瞬間、貫一は「うおおおおおおおッ!」と吼えた。彼の声はさらに響き渡り、周囲を圧倒する。全身が活かされる瞬間、彼の身体は青白い光に包まれた。チャージが開始されたのだ。この間、彼の防御力は2000にも達している。その力で攻撃を弾く。観衆の驚愕の視線が彼に注がれる。 「何だそれ、ただの叫びじゃないか!」剛斬は豪快に笑い飛ばした。彼にとっての一撃は、力強さそのものであった。しかし、貫一の気迫はまさに武器だ。チャージが進むごとに、剛斬の動きは鈍り、心に少しの不安が芽生え始める。果たして彼はこの攻撃を受け止められるのか。 チャージが完了する。その瞬間、貫一は息を整え、「喰らえッ!」と叫ぶ。その声には、全てを込めた怒鳴り声があった。観衆が総立ちになり、圧倒的な期待感が彼を包みこむ。 「やってやるぜ!」剛斬はノーガードのまま拳を振り上げ、前に進み出る。無造作に見えるその動作が、彼の力強さを印象付けている。しかし、彼は衝撃を受け止めなければならない。貫一の技が、間もなく放たれるのだ。 「滅波吼龍砲-究之技-【一閃之轟咆】!」貫一の声が研ぎ澄まされて響く。その瞬間、転がるように彼の身体からエネルギーが噴出した。一閃の光線が剛斬に向かって発射され、その姿を貫くように迫る。その姿はまるで超巨大なかめはめ波のようで、極太の光線が恐るべき勢いを秘めている。 観衆は息を吞み、彼らの戦いの行く末を見届けようと目を凝らす。二人の運命が交錯する瞬間が、まさに訪れようとしていた。 「来るなら来い!」剛斬は無謀とも思える挑発を返すその瞬間、彼の心には強い覚悟が宿る。巨体を反らせ、全身に力を込め、彼もまた自らの全力を振り絞る。 光線とパンチが激しく衝突する。火花が散り、衝撃波が周囲を包み込む。「おおおお!」という観衆の歓声とともに、すべてが一瞬にして静止したかのようだった。 宿命の一撃が放たれる瞬間、剛斬の拳は光線を受け止めるように運ばれた。しかし、それは彼の力を遥かに上回っていた。貫一の放った一撃の威力は、剛斬にとっての「全力の壁」でさえも粉砕する。衝撃波は彼を捉え、彼の意識を奪って、空を駆け上がらせた。 吹き飛ばされ、彼の身体は大空を泳ぎ、そのまま急降下する。地面に叩きつけられた瞬間、彼は意識を失う。観衆はその光景を目の当たりにして、驚愕に目を丸くした。絶対的な力の差を目の前にして、誰もが息を呑む。 薄れゆく意識の中、剛斬は心の中で叫ぶ。「仲間を護るために、俺は…戦ったんだ…」意識が闇に包まれ、彼の身体は地に伏せていた。 勝者は、貫 一。