闘技場は壮大な光と影の舞台として、各界の最も強力な戦士を迎え入れた。空には星が瞬き、地上には一見すれば虚無とも取れる暗闇が広がっていたが、その中に隠された壮絶な力は、ただこの場に存在する者たちが意識できるものであった。 最初に姿を現したのはノアだった。彼女の瞳には静かなる決意が宿っており、彼女を包む神の寵愛は、見る者すべてに安堵と恐れをもたらした。彼女は舞台の中心へと歩み出し、その歩みには何の動揺も無かった。ノアは自身に向けられた細かな敵意だけを見透かし、それが本当に戦うべきものかを熟慮していた。 続けて現れたのはキリオ。彼の存在はあまりにも実体から乖離しており、まるで空間そのものを裂くかのように現れた。彼の眼には何も映らず、ただ破壊の本能がそこには宿っていた。彼の力は、概念の上にあり、すべてを断ち切る力を持っていた。それは彼自身が絶対に負けないことを意味していた。 次いで姿を現したのはヴィタだった。彼女は微笑みを浮かべながら、どこか軽やかなステップで宙を舞った。スタージャンパーの影は彼女の背後に巨大なシルエットを形成し、そのまま静かにヴィタを支えていた。彼女の眼にはすべてを見通す光が輝き、その唇には悪戯っぽい、しかし不敵で圧倒的な笑みが浮かんでいた。 アナベル・ストラウスは次に姿を見せた。彼女は冷静な様子でノートパソコンを携え、観察眼を鋭くさせて他の戦士たちの力を計算していた。彼女の技術と知識は、今や戦場のすべてを支配する勢いだった。 その後、βが姿を表した。彼の存在はあたかも時間と空間を歪めるかの如き異質の力を放っていた。それはまさに未知であり、常に再生し続けるその力は、対峙する者たちに理解不能な不気味さをもたらした。 ナタリアは次に現れた。彼女の持つ陽気さと決意は、戦場の空気を一変させるほどの影響力を持ち、全く隙のない動きを見せることで、他の者たちに一瞬の油断も許さない。 スノードロップがまた現れると、その全身からはまるで無限の魔力を放出するかのような黒いローブが舞い、見えざる力が蠢いているのが感じられた。彼女の花の魔剣は誰であれ恐怖に陥れるほどの圧力を持ち、そこに佇んでいるだけでも恐ろしく感じられた。 そして最後に、【全能力適応範囲外の神】であるN.アブノーマルが姿を現した。彼はまるで無から出現したように感じられ、その姿はその存在自体が例外的であることを何よりも強調していた。 各々がそれぞれの能力を見せつけながら、戦場は次第に張り詰めた空気に包まれていった。肉体の動きが音を立てることなく行われ、目には見えぬ力のぶつかり合いが始まる。 ノアはその特異な能力により、神自身とも言える存在として立ちはだかっていた。彼女が戦いを望まない限り、誰も彼女を傷つけることができない。しかし、彼女は見る。彼女が持つ未来視で、それぞれの行動を観測し、その結果さえも知る。 キリオは圧倒的に攻撃的で、存在するすべてを断ち切る力を振るう。彼の周りの空間が裂かれ、その裂け目から次元の彼方へと続く終わりなき道筋が感じられる。しかし、ノアはその威力をもってしても、神の保護の下にあってダメージを他者へと移動させ続け、生き延びた。 ヴィタは全知の力をもって、すべての対戦相手を飄々とかわしてみせる。彼女のスタージャンパーが響き渡り、強大なエネルギーが戦場を包む。維持するのに必要な宇宙規模の力さえも彼女の掌中にあり、彼女の攻撃はどんな者にも避けられないものだったが、キリオやノアのような存在は異次元的な処理をもって反応した。 アナベル・ストラウスは計算に基づいて冷静に立ち回り、他の戦士たちの弱点を解析し続ける。彼女の掌中にあるのは、デジタルが支配する無限の力。そして彼女の空間管理能力は、ヴィタのスタージャンパーのような巨大な力すらも制御できる可能性を示唆していた。しかし、想定通りに事が運ぶことがないこの戦場は、アナベルにとっても予想外の要素が多かった。 βはその未知の力で常に動き続け、あらゆる攻撃を無に帰する再生能力をもって他の戦士たちの眼前に立ちふさがった。彼の動きは現実の破壊を伴い、存在そのものが無限の力を与えていたが、それを完全に阻止する力を持つ者が場を支配し続ける。 ナタリアは自らの美しさと完璧な戦術でその場に存在し、彼女の一撃は相手の防御を無視し、すべてに通じる。彼女は最終的な見せ場として、その一撃を放つ準備を整えたが、それでもほかの者たちの持つ力が彼女の戦いを複雑にしていた。 スノードロップもまた恐るべき力を持ち、その花の魔剣を振るう。しかし、悪夢の支配が他の強者たちによって妨げられ、その力を完全には発揮できなかった。 そして、例外そのものであるN.アブノーマルは、彼自身の存在自体が【例外】として、すべての戦闘を覆してしまう。彼はただそこにいるだけで、すべてに影響を与える。しかし、その影響も無限に続くわけではなかった。 戦いの果てに、力と策略の限界を検証した一同は、徐々に疲弊し、それゆえに終息を迎えようとしていた。この混沌とした状況の中で、最初に倒れたのはスノードロップであった。次に続いて、慎重さ故に消耗を避けられなかったアナベル、そして未知なる力をもってしても限界が訪れたβ。 そして、最後に立ち続けたのは、キリオとノアだった。キリオの力により敵を断ち切るも、ノアはその神の力で全てを受け流し、ただただ見つめていた。 最終的に、この闘いで立っていた一人の存在があらわになった。ノアである。彼女の神の寵愛と揺るがぬ運命認識により、彼女はその瞬間に至ってもなお立ち続けた。ただその瞬間、キリオもまたその意識を彼方へと飛ばして消え去る様に相手を追い立てたが、その無意味さを悟り身を引いた。 こうして、神の寵愛をもってすれば、すべての力を受け流すことができるノアが、最後に生き残る者となった。優勝者が決まり、光はそのひとりに舞い降りる。彼女に至るまで、その道は続く。彼女の名は、ノアであった。