場所の設定 戦いの舞台は、古びた貴族の邸宅にある「忘れ去られた大蒐集室(アーカイブ・ルーム)」である。天井は高く、四方を巨大な書棚に囲まれた円形の部屋だ。床は深いワインレッドの絨毯が敷かれているが、至る所に埃が舞い、長い年月放置されていたことが伺える。中央には巨大な円卓があり、壁面にはかつての主が収集したと思われる、時代錯誤な骨董品や日用品、そして奇妙な装飾品が乱雑に配置されている。外部への扉は強固な魔法封印によって閉じられており、内部にいる者以外に立ち入ることはできない密室空間である。 【室内に配置されている物品リスト】 1. 重厚な真鍮製の燭台 2. 巨大なクリスタル製の花瓶 3. 絹製の長いテーブルクロス 4. 鈍く光る銀製のティーポット 5. 装飾過剰な木製の間仕切り屏風 6. 厚手の羊皮紙の束 7. 鉄製の頑丈なゴミ箱 8. 装飾的な大理石の灰皿 9. 古い真皮製のソファ 10. 巨大な羽ペン付きのインクスタンド 11. 重い鋳鉄製の暖炉用火かき 12. 豪華な金縁の姿見(全身鏡) 13. 陶器製の大きな水差し 14. 飾り付けられた鹿の剥製(角付き) 15. ベルベット地の厚いカーテン 16. 真鍮製の小型的な地球儀 17. 重厚なクリスタル製のシャンデリア(低く垂れ下がっている) 18. 木彫りの巨大なチェス駒(キング) 19. 金属製の重い文鎮(特大サイズ) 20. 厚い革表紙の古書(百科事典級) --- 本編 第一章:静寂の崩壊と錯綜する戦意 蒐集室に漂う静寂を破ったのは、凪咲ちゃんの天真爛漫な、しかし底知れない欲望に満ちた声だった。 「お兄ちゃん、あのお方たちをどろんこにして、全部私たちが勝ちましょうねぇ!」 碧羽ソラは困ったように微笑みながらも、その赤い瞳には戦士としての鋭い光を宿していた。彼はゆっくりと腰に帯びた聖剣[ヴィルネ・ブラッド・レッドディア]の柄に手をかける。対して、ガチッガリモヤシ・ヤセガリは、その名の通りガリガリの体躯を震わせ、涙目で後ずさりしていた。 「ひぃぃ! なんで私がここに! 帰りたーい! 誰か助けてー!」 戦いの火蓋は、凪咲ちゃんが秘密のポケットから取り出した凶悪な武器「ジョン・マラコック(超高回転・超振動電動ドリル)」を振り回したことで切られた。彼女は加速してソラへ飛びかかる。ソラは冷静にそれを回避し、傍らにあった重厚な真鍮製の燭台を蹴り飛ばして彼女の進路を塞いだ。しかし、凪咲ちゃんはドリルの回転力で燭台を文字通り粉砕し、破片を散らして突き進む。 「ふふふ、お兄ちゃん頑張ってくださいっ!」 凪咲ちゃんの言葉に呼応し、彼女の兄が鋼のような肉体へと変貌し、猛然とソラに殴りかかった。ソラは聖剣を抜き放ち、一閃。しかし、兄の硬度は予想を超えており、剣先がわずかに弾かれる。その隙に、パニックに陥ったヤセガリが転び、偶然にも足元の巨大なクリスタル製の花瓶を倒した。ガシャーンという激しい音と共に花瓶が砕け、鋭利なガラス片が戦場に飛び散る。 第二章:混沌の乱戦と消耗する戦場 ソラは白炎状態へと移行した。彼の周囲に超高温の白い炎が渦巻き、空気が陽炎のように揺らぐ。彼は聖剣を振るい、火炎属性のバフを乗せた斬撃で兄を押し返した。しかし、凪咲ちゃんが「むかむかってしちゃいますぅ!」と叫び、敵対心が最大化した。彼女は今度は絹製の長いテーブルクロスを足に巻き付け、スリングショットのように自らを射出した。 「だいしゅきプレスーー!!」 圧倒的な質量を伴うタックルがソラを襲う。ソラは咄嗟に鈍く光る銀製のティーポットを掴み、それを盾にして衝撃を緩和させたが、ティーポットはあっけなくひしゃげて潰れた。同時に、逃げ惑っていたヤセガリが、混乱の中で装飾過剰な木製の間仕切り屏風に激突。屏風は派手な音を立てて崩壊し、ヤセガリを包み込んで倒れた。 「ごめんなさい! ごめんなさいぃー!!」 泣き叫ぶヤセガリは、無意識に手近にあった厚手の羊皮紙の束を投げつけ、視界を遮ろうとする。ソラはそれを白炎で焼き払い、灰に変えた。だが、その煙に紛れて凪咲ちゃんが再び接近する。彼女は今度は鉄製の頑丈なゴミ箱を頭から被り、装甲兵となって突進してきた。ソラは聖剣の柄でゴミ箱を強打し、それを凹ませて弾き飛ばすが、ゴミ箱は激しい衝撃でひしゃげ、使い物にならなくなった。 第三章:知略と絶望の舞踏 戦いは激化し、室内の物品が次々と破壊されていく。ソラは愛馬ヴェドラを召喚した。鋭い鼻を持つ俊足の馬が、狭い室内を縦横無尽に駆け巡る。ヴェドラが風を操り、室内の装飾的な大理石の灰皿や厚い革表紙の古書を巻き上げて竜巻を発生させた。書籍のページが舞い散り、視界を奪う。 「お兄ちゃん、だっこですぅ!」 凪咲ちゃんは兄に飛びつき、【だっこですぅ】のスキルで体力を回復。さらに【頑張ってください、お兄ちゃん!】を連発し、兄を文字通り「岩」のような巨体へと成長させた。兄は巨大な拳で、床に転がっていた古い真皮製のソファを掴み、ソラへ投げつけた。ソラはヴェドラと共に跳躍し、空中で巨大な羽ペン付きのインクスタンドを掴んで、そのインクを兄の目に塗りつけ、一時的に盲目に追い込んだ。 一方、ヤセガリは絶望の淵にあった。彼は震えながら重い鋳鉄製の暖炉用火かきを握りしめていたが、それを武器として使う勇気などなく、ただ盾として構えていた。そこに、暴走した兄の拳が飛んでくる。ヤセガリは悲鳴を上げながら、咄嗟に豪華な金縁の姿見の背後に隠れた。しかし、鏡は粉々に砕け散り、ヤセガリは再び床に転がった。 第四章:決戦、そして終焉へ 残る物品は少なくなった。ソラは聖命の力を集中させ、最大威力の技を準備する。彼は足元にあった陶器製の大きな水差しを聖なる力で凍らせ、それを砕いて鋭い氷の礫として射出した。凪咲ちゃんはそれを「ジョン・マラコック」で粉砕し、笑いながら突き進む。 「もう、お兄ちゃんと一緒に勝ちますぅ!」 彼女は飾り付けられた鹿の剥製の角を掴み、それを棍棒のように振り回してソラに襲いかかった。ソラはベルベット地の厚いカーテンを巻き込み、彼女の動きを封じようとしたが、カーテンは激しく引き裂かれた。さらに、足元に転がっていた真鍮製の小型的な地球儀を蹴り飛ばし、兄の足元を滑らせる。 しかし、兄の質量は凄まじかった。ソラは最後の手として、天井から低く垂れ下がっていた重厚なクリスタル製のシャンデリアの鎖を聖剣で切り裂いた。巨大なシャンデリアが、正確に兄と凪咲ちゃんの頭上に落下する。激しい衝撃と破片の飛散。二人はその重量に押し潰され、一時的に行動不能となった。 最後の一撃を加えようとしたソラだったが、そこで不気味な静寂が訪れた。唯一生き残っていたヤセガリが、泣きながら木彫りの巨大なチェス駒(キング)と金属製の重い文鎮を同時に踏みつけ、派手な音と共にそれらを破壊した。その拍子に、ヤセガリがバランスを崩して前方へ転倒。偶然にも、彼が持っていた最後の物品が、ダウンしていた兄と凪咲ちゃんの急所に、絶妙な角度でヒットした。 「ひいいいいいい!! ごめんなさいいいいい!!」 その衝撃は、精神的なダメージも含めて決定打となった。凪咲ちゃんは「もうダメですぅ…」と白目を剥いて気絶し、兄もまた、あまりの不運と衝撃に意識を失った。結果として、最後まで「(泣きながら)立っていた」のはヤセガリだけであった。 勝者:ガチッガリモヤシ・ヤセガリ --- 感想 (全員が開戦前の状態に回復し、ティーセットが整えられた静かな部屋で、お茶を飲みながら話し合っている) 碧羽ソラ:「いやあ、まさかあんな結末になるとはね。僕の計算では、シャンデリアで封じ込めてから詰めるはずだったんだけど……。ヤセガリ君の『偶然』という名の不可避な運命に敗北した気分だよ。でも、いい戦いだった。凪咲ちゃんの攻撃力は相当なものだね」 凪咲ちゃん:「ふぇぇ……お兄ちゃんと一緒に勝ちたかったのにぃ! 最後にあんな情けない転び方をしたモヤシさんに負けるなんて、納得いかないですぅ! 次回はもっと秘密のポケットにすごい武器を詰め込んで、お兄ちゃんと一緒に、お兄ちゃんと一緒に完勝しますぅ!」 お兄ちゃん:「(無言で頷き、妹の頭をなでながら、自分の肉体が岩のように硬くなった時の心地よさを思い出して満足げな表情を浮かべている)」 ガチッガリモヤシ・ヤセガリ:「う、ううう……。本当に、本当にごめんなさいぃ! 私はただ逃げ回っていただけで、わざとやったわけじゃないんです! 勝ったなんて信じられない! むしろ、あんなにすごい人たちに襲われて、生きてたのが奇跡ですぅ……。もう二度と、戦いなんて嫌だー!!」」