混沌の転送地獄:零度とサラマンダーの大乱闘 朝の光が、崩壊したビルの隙間から差し込む。俺、氷浦圭人は、目を覚ました瞬間、息を呑んだ。昨日までいたアパートのベッドが、瓦礫の山に変わっている。空は竜巻の渦が渦巻き、遠くで爆音が響く。叫び声、咆哮、銃声。まるで終末の黙示録だ。 「何……これ?」 冷静に状況を分析しようとするが、頭が回らない。黒いコートを羽織り、水色の髪を掻き上げて立ち上がる。体が冷たい。いや、俺の周りが冷たい。能力が勝手に発動しているのか、手のひらから蒼い炎がチラチラと揺らめいている。ゼロフレイム。絶対零度の炎。触れたものを凍らせる、常識外れの力だ。 周囲を見回す。東京の街か? いや、もっと大規模だ。ニューヨークのような摩天楼が折れ曲がり、巨大な影が蠢いている。ゴジラだ。あの伝説の怪獣が、背びれを光らせて咆哮を上げている。対峙するのはメカゴジラ、鋼鉄の巨体がミサイルを吐き出す。空を裂く竜巻の中に、鮫の群れが渦巻いている。シャークネード。ジョーズの巨大な顎が、ビルを噛み砕く音が聞こえる。 さらにカオスだ。キングコングがハリウッドの看板を振り回し、ゼノモーフの群れが這い回る。エイリアンの酸性の血がアスファルトを溶かし、プレデターのプラズマキャノンが閃く。アバターの青い巨体が飛び跳ね、日本人俳優の大泉洋が「いやこら拉致だよ! 誰だよこの仕掛け人!」と叫びながら逃げ回る。アメフトの選手たちがタックルで怪獣に挑み、アンドリューW.K.が「パーティータイムだぜ!」とギターを弾きながら突撃。しまいには、暗黒のポケモン、ダークライが影を操り、街を闇に染めていく。 「夢か……いや、現実だ」 俺はコートを翻し、ゼロフレイムを掌に集める。冷静に。生き残るには、戦うしかない。この混沌で、俺たち二人が転送されてきた意味。生き残った者が勝者? ふざけたルールだが、従うしかない。 突然、横からハイテンションの声が飛ぶ。 「うおおお! すげえ強敵だらけじゃん! 俺の血が騒ぐぜぇ! ハハハ、燃えてきたぁ!」 緑色のトカゲ人間が、二足歩行で跳ねてくる。サラマンだ。人間大の体躯、鱗が陽光を反射し、目がギラギラと輝いている。口元にニヤリと笑みを浮かべ、手にはM60機関銃を握り、肩にグレネードランチャーを担いでいる。マフィア「沙羅」のボスらしい。呑気で破天荒、ハイ状態の戦闘狂だ。 「よぉ、新入り! お前もこのパーティーに招待されたクチか? 俺はサラマン! 火を吐いて、銃をぶっ放して、爆破しまくるぜ! 強敵に心震わせるのが俺の生きがいだぁ!」 俺は一歩下がる。こいつ、味方か? いや、ルール上、生き残りは一人か勢力。こいつが本気で暴れ出したら、厄介だ。 「氷浦圭人だ。状況を把握しろ。無駄に突っ込むな」 冷静に諭すが、サラマンは大笑い。 「把握? そんなのつまんねえ! 見てみろよ、あのゴジラ! メカゴジラと殴り合ってるぜ! 俺、参加すっか!」 街は地獄絵図だった。ゴジラの原子熱線がメカゴジラの装甲を溶かし、跳ね返りの光がアバターの大群を焼き払う。大泉洋が転びながら「拉致じゃなくて誘拐だろ! 助けてくれぇ!」と叫ぶ横で、アメフトの選手たちが「タッチダウン!」と叫び、キングコングにボディタックル。だが、コングの拳が一閃し、選手の一人が吹き飛ぶ。血しぶきがアスファルトを染める。 シャークネードの竜巻が迫る。鮫の群れがビルを削り、ジョーズの巨体が道路を割り裂く。ゼノモーフの群れが鮫に飛びつき、酸血が海を沸騰させる。プレデターの狩猟集団がクローキングで忍び寄り、ゼノモーフの尾を切り裂くが、逆にエイリアンの内顎がプレデターのマスクを砕く。血と鱗と金属片が飛び交う。 アンドリューW.K.がステージのように瓦礫に立ち、「I WILL NOT BE DENIED!」と叫びながらパーティーロックを爆音で流す。音波が怪獣を怯ませるが、ダークライの闇の波動が彼を飲み込み、幻覚に苛む。ダークライの赤い目が輝き、街全体を悪夢の領域に変える。 サラマンが興奮しきり、M60を乱射。「うひゃあ! 鮫野郎ども、食らえ!」銃弾がシャークネードに突き刺さり、鮫の体が爆ぜる。火炎を吐き、竜巻を焼き払う。自己再生で傷を即座に癒し、ハイ状態で痛みを感じない。「もっと来いよ! 俺のマフィア魂が燃えるぜ!」 俺は冷静に動く。ゼロフレイムを放射し、足元を凍らせて滑るように移動。炎を腕に纏い、飛びかかるゼノモーフを凍てつかせ、砕く。蒼い炎が触れたエイリアンの外骨格を白く凍結させ、粉々に砕ける音が心地よい。だが、群れは多い。プレデターの一体が俺を狙い、プラズマを放つ。熱い。だが、俺の体質は氷に強い。ゼロフレイムで熱を相殺し、反撃の炎を浴びせる。プレデターの体が凍り、動きが止まる。 「やるじゃねえか、新入り! お前のその氷みたいな炎、クールだぜ!」サラマンが笑いながらグレネードランチャーを撃つ。爆発がジョーズの顎を吹き飛ばし、鮫の血が雨のように降る。「俺の火と相性いいかもな! 一緒に暴れようぜ!」 一時、共闘か? だが、ルールが頭をよぎる。生き残りは一人。サラマンのハイテンションが、いつ俺に向くか分からない。ゴジラの咆哮が近づく。メカゴジラを倒し、キングコングに突進。コングがゴジラの背を殴り、ゴジラがコングを投げ飛ばす。衝撃波で俺たちは吹き飛ばされ、瓦礫に埋まる。 起き上がると、サラマンが火炎で道を切り開く。「ハハハ! 怪獣同士の喧嘩、最高のショーだ!」だが、ダークライの影が忍び寄る。闇の触手がサラマンを絡め、幻覚を植え付ける。サラマンが一瞬、動きを止める。「うわっ、何だこれ……仲間が……裏切った?」ハイ状態で耐えるが、隙だ。 俺はチャンスと見なし、ゼロフレイムを凝縮。奥義、ゼロバーストの準備。だが、待て。まだだ。周囲の勢力が潰えていない。シャークネードが弱まり、ジョーズがメカゴジラのレーザーで半壊。アバターの大群がプレデターに蹂躙され、大泉洋がアンドリューW.K.に助けられながら「これ映画の撮影か!?」と叫ぶ。アメフト選手の最後の一人が、キングコングにタックルし、相打ちで倒れる。 ゼノモーフの群れがゴジラに群がるが、熱線で蒸発。プレデターの残党がダークライを狙うが、闇の力に飲み込まれる。街は瓦礫の海。生き残りは怪獣数体と、俺たち、そしてダークライか。 サラマンが回復し、俺に飛びかかる。「おい、新入り! お前の力、試してみてえ!」ついに敵か。ハイテンションの目が、俺を強敵と見なす。火炎を吐き、機関銃を連射。弾丸が俺のコートを裂くが、ゼロフレイムで凍らせ、弾を無力化。 「邪魔だ」俺は冷静に炎を纏い、格闘で応じる。サラマンの鱗を凍てつかせ、拳を叩き込む。サラマンが再生し、グレネードを撃つ。爆発の熱が迫るが、俺の炎で冷却。互角だ。サラマンの火が俺の氷炎を溶かしかけ、俺の凍結がサラマンの動きを鈍らせる。 背景で、ゴジラがキングコングを倒し、ダークライに襲いかかる。熱線と闇の激突が街をさらに破壊。大泉洋が「もう帰りたい!」と泣き、アンドリューが最後のロックを叫びながらダークライに突っ込むが、影に消える。 決着の時。サラマンが「最高の敵だぜ!」と火炎ブレスを放つ。俺はゼロバーストを発動。蒼い炎を凝縮し、一気に解放。絶対零度の爆発がサラマンを包む。鱗が凍り、再生が追いつかず、体が砕け散る。「うおお……すげえ……」最後の笑み。 サラマン、敗北。だが、ゴジラが俺に気づく。咆哮が響く。ダークライの闇が迫る。俺は残った力を振り絞り、ゼロフレイムでゴジラの足を凍結。動きを止め、熱線をかわす。ダークライの幻覚が襲うが、体質で耐え、炎で影を焼き払う。 最後のバースト。ゴジラの背びれを凍らせ、ダークライの体を粉砕。街に静寂が訪れる。瓦礫の山に立つ俺。生き残ったのは、俺だ。 困難は始まったばかり。だが、勝者は俺。氷の炎が、静かに揺らめく。