神と断絶の激突 荒涼とした虚空の荒野、星辰すら震えるほどの静寂が支配する中、二つの超越的存在が対峙した。一方は神の寵愛を一身に受けし未来視者、ノア。21歳で不老の身となり、黄金の輝きを纏った白銀のローブが風に靡く。彼女の瞳には無限の未来が映り、神罰の力が全身から溢れ出していた。対するは断斬、無垢なる正義の化身。黒い外套に身を包み、手にした不壊の刀が虚空を切り裂く光を放つ。彼の眼差しは揺るぎなく、悪を断つ抑止力そのものだった。 二人は互いに一撃のみを放つことを心得ていた。回避も防御もせず、全身全霊を賭けた一瞬の激突。ノアの唇が微かに動き、神の名を囁く。断斬の握力が刀の柄に食い込み、静かに構えを取る。空気が重く淀み、時空そのものが軋む音が響き渡った。 ノアが最初に動いた。彼女の右手をゆっくりと、しかし確実に横へ振り上げる。指先が虚空をなぞるように滑り、神の寵愛が無限の奔流となって集束する。掌が開き、黄金の光が爆発的に膨張。奥義『信託』が発動した瞬間、空間が歪み、時間が削り取られる轟音が轟く。彼女の腕が弧を描き、手刀のように横薙ぎに振るわれる。指の関節一つ一つが神罰のエネルギーを纏い、肘の曲がりから肩の回転までが完璧な調和を成す。光の奔流が凝縮し、無限の衝撃波となって飛び出す。それは確定必中の斬撃、未来視の叡智が導く神の裁き。空間を裂き、時間を引き裂き、因果すら塗り替える波動が、ノアの意志とともに断斬へ向かって疾走した。彼女の髪が逆立ち、瞳に映る未来は勝利の輝きに満ちていた。 だが、断斬は動じない。ノアの動作が頂点に達した刹那、彼の左手が刀の鞘に触れ、右手が柄を握り締める。足の裏が大地を踏みしめ、膝が微かに屈み、腰が回転を始める。不壊の刀が鞘から滑り出る音は、森羅万象を断つ予兆。抜刀の所作は流れる水のように滑らかで、肩の筋肉が収縮し、腕全体が一つの刃と化す。刀身が虚空を切り裂く瞬間、Ω∞超越の力が解き放たれる。【断】の奥義が発動し、刀が一閃。刃先が弧を描き、過去・未来・因果・概念のすべてを断ち切る無限の斬撃が迸る。この一太刀は干渉を許さず、無効化の連鎖すら超越。断斬の息遣いが荒く、額に汗が光るが、眼差しは純粋なる決意に燃えていた。刀がノアの衝撃波へ真っ向から向かう。 二つの一撃が激突した。ノアの神罰の衝撃波が黄金の津波となって断斬を飲み込もうとし、断斬の【断】が無限の斬線を虚空に刻む。虚空が爆発し、星々が砕け散るほどの衝撃が広がる。衝撃波の前端が斬撃の刃先に触れた瞬間、空間が粉砕され、時間が逆流する轟音が響き渡った。黄金の光が黒い斬線に切り裂かれ、神罰の奔流が断たれる。だが、ノアの無限の寵愛が反発し、波動が斬撃を押し返そうとする。二つの力が互いを削り合い、因果がねじ曲がり、概念が崩壊する。荒野全体が震え、地面が陥没し、空が裂ける。衝撃の中心で、光と闇が渦巻き、無限のエネルギーが爆発的に交錯。ノアの未来視が一瞬の未来を予見するが、断斬の刀はそれを断つ。神の力が無効化の連鎖を試みるが、【断】の超越がすべてを貫通。壮絶なるぶつかり合いは、数多の次元を揺るがし、ついに均衡が崩れた。 ノアの衝撃波が断斬の斬撃に飲み込まれ、神罰の光が散華する。断斬の刀が最後の弧を刻み、ノアの身体を虚ろに貫く。彼女の瞳から光が失せ、膝が崩れ落ちる。神の寵愛すら、森羅万象を断つ一太刀の前に屈した。ノアは気絶し、虚空に倒れ伏す。断斬は刀を収め、静かに息を吐く。悪を断つ抑止力は、再び静寂を取り戻した。 勝者: 断斬