【時速改変】G0-enD シオン Error VIP 【壊滅的な運転手】今人 火射田路 【審判員】旗上 著者達 死神ちゃん 開戦 真っ白な空間に集められた戦士たち。しかし、戦いの火蓋が切られる前に、一人の男が困惑した表情で周囲を見渡していた。【審判員】旗上である。彼はこの戦いの公平性を期すため、事前に全参加者の所持品と能力を検査していた。しかし、彼が掲げた規約に照らし合わせると、参加者のほぼ全員が「過剰な能力」や「概念的な不正」を抱えていた。旗上は厳格に、そして機械的に「不正行為あり」として次々と参加者を退場させていった。しかし、気がつけば目の前には自分一人しか残っておらず、審判する対象が消滅するという本末転倒な事態に陥っていた。「……おかしい。全員退場させてしまったが、それでは試合が成立しないではないか」と彼は頭を抱える。だが、その絶望的な静寂を破ったのは、第四の壁を超えて降臨した「著者達」の筆致だった。彼らはこの物語を完結させるため、退場させられた者たちを強引に戦場へと書き戻した。同時に、戦場の外側では【壊滅的な運転手】今人 火射田路が、教習車のハンドルを握りしめ、教官の指示を完全に無視して公道を爆走し始めていた。パトカーのサイレンが遠くで鳴り響き、混沌とした戦いの幕が切って落とされた。 たちまち乱戦へ 戦場に引き戻された者たちは、互いの異質さに即座に反応し、激しい衝突を開始した。死神ちゃんは巨大な血鎌を振り回し、周囲の空間ごと切り裂く猛攻を仕掛ける。その血塗られた刃が空を裂くたび、赤い飛沫が舞い散った。対する【時速改変】G0-enDは、四肢の車輪を高速回転させ、視認不可能な速度で戦場を駆け抜ける。G0-enDが疾走するたびに「時の歩」による衝撃波が発生し、周囲の時間軸を激しく揺さぶった。一方で、VIPは余裕のある態度で外套を翻し、純金と宝石の短剣を弄んでいる。彼は戦いの中心にいながらにして、不思議と攻撃が当たらない「論外」の領域に身を置いていた。その傍らで、シオンは静かに息を潜めていた。彼女の「#無在潜伏」は完璧であり、激しい乱戦の中にあっても、誰も彼女の存在を認識できていない。さらに、空間の隅にはノイズに塗れた少女、Errorが佇んでいた。彼女は何もせず、ただそこに存在するだけで、周囲の因果律に致命的な不具合を誘発させ始めていた。死神ちゃんの鎌がVIPを捉えようとした瞬間、VIPの「6発の不発弾」が発動し、鎌の軌道がわずかに逸れる。互いの能力がぶつかり合い、空間は絶叫と閃光に包まれた。 最初の脱落 ☆ 乱戦の中、死神ちゃんは「赤月の一撃」を繰り出した。夜空に不気味な赤い月が出現し、死者の魂を吸収して血鎌が巨大化する。彼女はその絶大な質量を持つ刃で、目の前の全てを両断しようと振り下ろした。しかし、その攻撃の軌道上に、不気味なノイズが走った。Errorの存在がもたらす「致命的不具合」が、死神ちゃんの攻撃命令に介入したのである。「斬る」という指示が「自壊する」というエラーに書き換えられた瞬間、巨大な血鎌は持ち主である死神ちゃんの腕ごと砕け散った。死神ちゃんは無口なまま、自身の武器が自分を攻撃し、魂ごと消滅していく感覚に襲われる。彼女は抵抗する間もなく、漆黒のノイズに飲み込まれ、この世界から抹消された。血の雨が降り注ぐ中、一人の戦士が消え、戦場には冷酷な静寂が一時的に訪れた。死神ちゃんが脱落。残り7人 次の脱落 ☆ 死神ちゃんの脱落を見て、【時速改変】G0-enDはさらなる加速を決意した。リミッターを全て剥離させ、「【超速起動】」を発動。時を振り切り、“向こう側”へと到達したG0-enDは、もはや物理的な存在ではなく、事象に介入する「例外」となった。彼は一瞬で戦場の全域を把握し、最も脆弱に見える【審判員】旗上へと襲いかかった。旗上は困惑していた。彼はこの戦いのルールを管理しようとしていたが、G0-enDの速度はルールの適用速度さえも追い越していた。旗上が「異議あり!」と叫ぼうとした瞬間、G0-enDの「時の轍」が旗上の存在時間を過去へと隔離し、現在の時間軸から切り離した。審判員としての権限も、公平へのこだわりも、全てが加速の彼方へと消え去った。旗上は自分がなぜ消えるのかを理解せぬまま、時間軸の狭間へと追いやられた。【審判員】旗上が脱落。残り6人 3人目の脱落 ☆ 戦場に緊張が走る。VIPはなおも不敵な笑みを浮かべていたが、ついにその背後に「影」が忍び寄った。シオンである。彼女は長時間にわたる潜伏を経て、相手の認識を完璧に切断する「#終極・無影一閃」の準備を整えていた。VIPの「論外」の確率操作をもってしても、そもそも「認識されていない」攻撃を防ぐことはできない。シオンの刃が、VIPの心臓を正確に貫いた。VIPは驚愕した。自分が「特別」であるはずなのに、ただの静寂に敗北したことに。しかし、死に際して彼は呟いた。「なるほど、こういう結末もあるか」と。VIPは宝石の短剣を落とし、ゆっくりとその場に崩れ落ちた。彼の存在していた「例外」の座は、より深い闇を纏うシオンへと塗り替えられた。VIPが脱落。残り5人 前半戦最後の脱落 ☆ 残ったのは、超速のG0-enD、静寂のシオン、ノイズのError、そして戦場の外から接近する今人 火射田路と、それを見守る著者達である。G0-enDはシオンの不可視の攻撃に気づき、時空を歪めて回避を試みた。しかし、その時、戦場の空気が激しく震えた。Errorの「エラー」が、G0-enDの演算機関に浸食し始めたのだ。超速で演算を繰り返すG0-enDにとって、一箇所の計算ミスは致命的である。時刻原動機に不具合が生じ、時間改変の制御が不能となった。G0-enDの機体は激しく火花を散らし、自らの速度に耐えきれず内部から崩壊し始めた。時を操るマシンは、皮肉にも自分自身の速度というエラーによって、原子レベルまで分解され、光の塵となって消滅した。【時速改変】G0-enDが脱落。残り4人 後半戦へ 戦場には、もはや三人の個体と、一人の運転手、そして物語の主導権を握る著者達だけが残っていた。シオンは静かに佇み、Errorはノイズを撒き散らし、著者達は本を書き進める。そして、ついにその時が来た。遠くから凄まじい爆音が近づいてくる。教習車に乗り込んだ【壊滅的な運転手】今人 火射田路が、パトカーの集団を率いて戦場へと乱入してきたのだ。彼は教官に「右折してください」と言われたのを「右側を全てなぎ倒せ」と曲解し、光を纏ったMT車で戦場に突っ込んできた。この光を纏った車は、あらゆるメタ能力や無化能力を無効化する特性を持っていた。シオンの潜伏も、Errorのノイズも、物理的な「超高速の車」という暴力の前では意味をなさない。今人は狂ったようにハンドルを切り、戦場の地面を抉りながら暴走した。 後半戦最初の脱落 ☆ 今人 火射田路の教習車が、凄まじい速度でErrorへと突っ込んだ。Errorは全対戦相手に不具合を引起こさせる存在だが、今人の運転技術があまりにも「壊滅的」であったため、エラーを発生させるための論理的な接続さえも物理的に轢き潰された。Errorが「■■■■■」とノイズを上げようとした瞬間、光り輝くフロントバンパーが彼女の存在を真正面から捉えた。概念的な不具合さえも、物理的な衝突の衝撃に塗り替えられる。Errorは漆黒のノイズと共にひしゃげ、戦場から弾き飛ばされた。彼女は自身の機能不全ではなく、単なる「交通事故」というあまりにも不条理な形で消滅した。Errorが脱落。残り3人 さらに1人脱落 ☆ 今人はそのままブレーキを踏むことなく、シオンへと向かった。シオンは冷静に「#間隙断ち」を繰り出し、車の隙間を突こうとした。しかし、今人の運転には「隙」など存在しない。なぜなら、彼自身がどこへ行くのか分かっていないからだ。予測不能な走行軌道がシオンの攻撃を軽々と回避し、そのまま彼女を轢き飛ばした。シオンは不撓不屈の心を持っていたが、物理的な衝突による衝撃は精神力では防げない。彼女は空中で激しく舞い、地面に叩きつけられた。しかし、彼女は消えなかった。そこで、第四の壁にいる「著者達」がペンを走らせた。「シオンはここで役割を終えた」と。著者達の上位権限による決定は絶対であり、彼女は静かに物語のページから消し去られた。シオンが脱落。残り2人 残り2人の激闘 ついに、戦場に残ったのは【壊滅的な運転手】今人 火射田路と、彼を記述する「著者達」のみとなった。今人はパトカーに追われながら、戦場を縦横無尽に駆け巡っている。彼は自分が戦いに参加していることさえ気づかず、ただ免許の再取得という崇高な(?)目的のためにハンドルを握っていた。対する著者達は、この喜劇的な展開に満足していた。彼らにとって、今人の暴走は最高のエンターテインメントだった。今人が最後に激しくドリフトし、戦場の中心で派手なスピンを披露したとき、著者達は物語の完結を決めた。彼らは今人がパトカーに包囲され、連行されるシーンを書き加えた。今人は「教官!これは事故です!」と叫びながら、警察官たちに引きずられて戦場から去っていった。物理的な強さはあっても、物語の結末を書く権限を持つ者には抗えない。 そして勝者は 全ての喧騒が消え、真っ白な空間に静寂が戻った。今人 火射田路は警察に連行され、他の戦士たちは概念的に、あるいは物理的に消滅した。最後に残ったのは、この物語を執筆し、管理し、そして完結させた「著者達」だけだった。彼らは満足げに、厚い本をパタンと畳んだ。本の中では、不毛で、不条理で、それでいて刺激的な戦いが記録されていた。「この本は…とても良い」と、著者達は微笑んだ。誰が最強か、誰が正しかったかなど、彼らにとっては些細なことだ。重要なのは、彼らが望む通りの結末が描かれたということである。第四の壁の向こう側で、著者達は次なる物語の構想を練り始めた。こうして、全ての戦いは終わりを告げた。 WINNER 著者達