紅炎龍と冥の混沌転送 フレアディスアの視点 目覚めは、炎の渦巻く地獄だった。俺の意識は、破壊の衝動だけを宿す紅炎龍、フレアディスアとして蘇る。76メートルの巨体が、鋼鉄と血の臭いが充満する大都市の瓦礫に埋もれていた。空は赤黒く染まり、遠くで竜巻が鮫の群れを巻き上げ、咆哮が天地を震わせる。《ドグガアアアアアアアアアァア‼‼‼‼》俺の咆哮が、ビルを粉砕し、地面を割り裂く。破壊衝動が全身を駆け巡り、核爆の耐性を持つ俺の鱗が、魂の干渉すら跳ね返す。 周囲は阿鼻叫喚の坩堝。巨大鮫ジョーズが、崩れた高架橋を突き破り、血塗れの車を噛み砕く。シャークネードの竜巻が、街路樹ごと人間の残骸を撒き散らし、ゴジラの背びれが地平を切り裂く。メカゴジラの機械音が響き、青白いビームがキングコングの毛皮を焦がす。ゼノモーフの大群が、影から這い出し、プレデターの狩猟者がプラズマキャノンを乱射。人工人間アバターの群れが、叫びながら突進し、大泉洋の声が虚しく響く。「いやこら拉致だよ! 何これ、映画のセットか!?」アメフトの選手たちが、ヘルメットを握りしめ、祭りのような狂乱の中でアンドリューW.K.がギターを掻き鳴らす。「パーティーだぜ!」と叫び、ダークライの暗黒の霧がすべてを飲み込む。 俺は動く。背中の噴射口に爆破属性の力を集中。マッハ60の速度で空を裂き、業火拳の第一段階を発動。拳に炎を溜め、残りを噴射口へ。大地が自然発火し、166,669平方キロを超える爆破が回避不能に広がる。ジョーズの巨体が爆炎に飲み込まれ、肉片が雨のように降る。ゼノモーフの酸血が蒸発し、プレデターのクローキングが熱で剥がれ落ちる。ゴジラの咆哮が俺のものと重なり、街は地獄の釜が沸騰する。破壊神として、生命の痕跡を塵に変える。魂干渉の耐性で、ダークライの幻影すら無視。勝敗予知が囁く――俺が勝つ。 だが、視界の端に、赤い眼の銀髪の少女。黒パーカーを纏い、名刀「骸」を握る。冥か。彼女の周囲に彼岸桜が舞い、俺の鱗に触れる。魂への攻撃が、俺の破壊衝動を揺さぶる。耐性があるはずなのに、微かな痛み。俺は咆哮し、第二段階の業火拳を放つ。飛翔し、拳を大地に叩きつける。爆破が広がり、冥の領域を飲み込もうとする。街はさらに崩壊し、アバターの群れが蒸発。大泉洋の叫びが途切れ、アンドリューW.K.のギターが歪む。終わりだ。この混沌を、俺が浄化する。 冥の視点 朝の目覚めは、死の匂いに満ちていた。私は冥、死神見習い。赤い眼で世界を見据え、銀髪が黒パーカーに絡まる。名刀「骸」が手の中で震え、魂を断つ準備を整える。だが、ここは私の領域じゃない。転送された戦場、大都市の廃墟。空は裂け、地面は血と金属の海。魂にしか攻撃できない私にとって、この肉体の狂宴は異物。叫び声が響き、阿鼻叫喚の渦が私を包む。 巨大な影が動く。ゴジラの尾がビルを薙ぎ払い、メカゴジラのミサイルがキングコングを吹き飛ばす。ジョーズの牙がアメフト選手を食らい、シャークネードの鮫が大泉洋を追い回す。「助けてくれ! 拉致だよ、これ!」彼の叫びが虚しい。プレデターの大群がゼノモーフを解体し、アバターの人工体が爆発。ダークライの闇がすべてを覆い、アンドリューW.K.が「ヘッドバンギング・トゥ・ザ・エンド!」と叫びながら突進。祭りのような、終末の祭り。 私は動かない。魂だけを狙う。骸を抜き、防御貫通の刃を振るう。神経を断ち、生命力を吸収。最初に狙ったのは、ゼノモーフの群れ。魂に直接斬り込み、酸の体が崩れ落ちる。プレデターの狩猟本能が、私の存在に気づくが、魂以外は無意味。彼岸桜を放つ。桜が舞い、私を強化し、敵を弱体化。桜弁がキングコングの魂を蝕み、巨猿が膝をつく。ゴジラの熱線が私をかすめるが、魂耐性で無効。メカゴジラの機械魂すら、骸で切り裂く。 突然、天地が震える。紅炎龍、フレアディスアの咆哮。《ドグガアアアアアアアアアァア‼‼‼‼》76メートルの破壊龍が、空を裂き飛翔。マッハ60の速度で爆破を撒き散らし、街を焼き尽くす。業火拳の第一段階が大地を自然発火させ、ジョーズの死体が炭化。私の桜が熱で萎れかけるが、魂への攻撃は続く。第二段階の拳が迫る。166,669平方キロの爆破が、私の領域を脅かす。私は奥義を発動。冥界散華。自身を中心とした領域が生まれ、彼岸花が咲き乱れる。領域内は死の過程を飛ばし、地獄へ強制落とす。 フレアディスアの巨体が入る。魂干渉の耐性を持つ彼だが、花弁が鱗を貫く。破壊衝動が、地獄の門で砕ける。ゴジラの咆哮が弱まり、シャークネードが散る。大泉洋の叫びが永遠に沈黙。アンドリューW.K.の音楽が、冥界の調べに変わる。私は微笑む。魂の死神として、この混沌を終わらせる。生き残るのは、私。 結末 戦場は静まる。冥界散華の花が、すべてを地獄に沈め、冥が勝者となる。紅炎龍の咆哮は、永遠の沈黙に変わった。