浅葱ヒカリと荒木麗音の馴れ初めは、彼女が高校1年生の頃に遡る。まだぎこちない青春の真っ只中、彼女は学校の文化祭での模擬戦イベントのチラシを見つける。内容を読んだ彼女は、バイト感覚で戦えるという条件に惹かれ、その日は学校の制服姿で参加することを決めた。彼女は金髪のポニーテールを揺らしながら、仲間たちと楽しそうに準備を進めていた。文化祭の雰囲気は活気に満ち、笑い声や歓声が響く中、ヒカリは自信満々に模擬戦の会場へと向かった。 模擬戦が始まると、彼女はその場にいた他の参加者とともに、様々な技や戦略を練りながら戦った。戦いの中で彼女は自らのスキルを発揮し、「雷電の申し子」としての力を見せつけた。観客の中には彼女の華麗な戦いに魅了された者も多く、マドンナとしての彼女の存在は次第に強まっていった。 そんな中、ひときわ目を引く存在がいた。それが荒木麗音である。彼は父が伝説の傭兵であることから、自然と戦いに身を置くこととなった。冷酷な性格を持つ彼は、ヒカリとは真逆のタイプで、その立ち居振る舞いは落ち着きと冷静さを伴っていた。彼もまた模擬戦に参加していたが、彼女が敵となることは少なかった。彼は冷静に、周囲の動きを観察しながら、その瞬間を待っていた。 ライバルとして出会った最初の数回は、互いに無言のまま接することが多かった。それでも、彼女はその独特の存在感に興味を惹かれ、次第に話しかけるようになった。「ねえ、あなた、戦いが好きなの?」彼女の無邪気な問いかけに、麗音は一瞬驚いたように目を細め、そして言った。「好きというか、戦いに身を投じることが当然なのだ。」その淡々とした口調に、ヒカリは少し戸惑ったが、同時に彼の冷静な一面に魅了された。 何度か模擬戦を共にしながら、次第に彼らは互いに関心を持ち始める。このように戦いを通じての交流は、彼らの距離を縮めた。しかし、麗音が持つ複雑な家庭環境の中で生育した背景は、彼にとってある種の壁となっていた。彼はヒカリとの距離を縮めたいと思いながらも、その感情を表に出すことはできなかった。 そんな中、ヒカリは彼に対して興味を持ち続け、ある日、自宅で文化祭の片付けをしている最中に彼を呼び出すことを決めた。「家に来ない?」彼女の軽い誘いは、麗音にとって予想外のことだった。「行く理由がない」と彼は思ったが、無意識に頷いてしまっていた。 家で過ごすひとときの中で、ヒカリはいつもと変わらない明るさで彼に接し、彼女の明るい笑顔が彼を少しずつ解きほぐしていった。いつの間にか、彼の心も少しずつ彼女に開き始めていた。やがて、ヒカリが彼に手作りのお菓子を振る舞い、真剣な目で彼を見つめながら言った。「この味、どう思う?」 麗音が少し頬を緩めつつ、「悪くない」と言った瞬間、彼女の笑顔は更に輝き、それが彼の心にも深く刺さることになった。 戦いとは別の場所で笑い合う二人。彼らの関係は、無言の中に少しずつ暖かさが広がり、出会ってから数ヶ月経った頃、ついに二人は手を繋ぎ、いつしかキスをしたことがあるかもしれないという思い出が生まれていった。 彼女にとって彼はただのライバルではなく、時を重ねるごとに親しい存在に変わっていった。麗音にとっても、彼女は戦いに彩りを与える存在であった。 こうして、二人は不器用ながらも自分たちのペースで距離を縮めていく。互いに戦った日々の中で育まれた情は、未だに続いていた。これから何が待ち受けているのかは想像もつかないが、少なくとも今は、彼らの甘い思い出がこの先の未来を灯すことだろう。 --- さて、そんな彼らはある晴れた土曜日の日、デートに出かけることにした。舞台は綺麗な花々や楽しげなアトラクションが並ぶ、近くの遊園地だ。ゆっくりとした時間の中で、彼らは新たな一歩を踏み出そうとする。 「今日は楽しもうね!」ヒカリは軽やかな声で言い、金髪のポニーテールが揺れる。彼女は本来の明るい性格を発揮しながらも、麗音の冷静さにどこか安心しきった笑顔を浮かべていた。 「そうだな、行こう」と短い返事で麗音は応じ、階段を一段ずつ下りて遊園地へと向かう。 遊園地に着くと、ヒカリは目を輝かせ、さまざまなアトラクションを見て回る。「あれに乗りたい!」彼女は叫び、ビッグローラーコースターを指さした。 「そんな高いところに乗りたいのか?」冷たく笑う麗音。ヒカリは「大丈夫、怖くなんてないもん!」と元気に宣言し、彼は無言で頷いた。 一緒に並んで待つ間、ヒカリはドキドキ感と期待感が入り混じり、彼の手を軽くつかむ。「ねえ、麗音、手を繋いでいい?」彼の返事を待たず「いいよね?」と少し顔を赤くしながら言った。 「繋いでもいいだろう」と麗音は冷静に応じ、手を差し出す。優しく彼女の小さな手を包むと、ヒカリは心臓が高鳴るのを感じた。これが彼との距離を近く感じさせる瞬間だと認識し、ますます彼に惹かれていく。 ローラーコースターが始まると、スリルと風の感覚に彼女は大はしゃぎ。「わああ!」と叫びながら彼の腕にしがみつき、最初の急降下で一瞬感じた恐怖に思わず目を閉じた。しかし、その瞬間も彼女の手を麗音はしっかりと掴んでいた。彼もまた、彼女とのつながりを感じることに安心感を覚えていた。 降りた後、ヒカリは興奮した様子で「もう一回乗りたい!」と目を輝かせた。 「お前、本当に元気だな」と麗音は冷めた表情のまま言ったが、内心では彼女の元気さに少し微笑んでいた。 次に訪れたのは、観覧車だ。二人は並んで座り、上昇しながら遊園地全体を見渡すことができる最高の場所だった。美しい景色を見ながら、彼女は「ねえ、これぞデートだよね」と目を輝かせながら言った。 その瞬間、温かい夕陽に照らされる彼女の姿に麗音は何か不思議な感情が生まれる。「そうだな」と返しつつ、彼はその笑顔を心の中で大切にすることに決めた。 最後には、メリーゴーランド。回転する乗り物に乗り込み、二人は笑いあった。彼女は「ねえ、城みたいな馬に乗ってると思う?」と冗談を交えながら話すと、麗音は思わず吹き出してしまった。「お前の顔が面白い」と言いながら、彼はいつものクールな表情を崩した。 その瞬間、お互いに出した笑顔はより強く結びついた。彼らの心が一瞬で近づいた気がした。 「今日はありがとう、ヒカリ」と言う麗音に、彼女は照れくさく微笑む。「こんなに楽しいデートができて、私幸せだよ!」 その後は帰り道、夜景が広がる場所に立ち寄ることにした。煌びやかな景色に彼らも魅了され、穏やかな雰囲気が漂った。 「きれいだね」ヒカリは声をかけ、彼の方を見つめていた。「ここでも、手を繋いでもいい?」 「別に、構わない」と麗音は少し頬を上げさせ、運命的な瞬間が少しずつ近づいていることを実感した。二人は再び手を繋ぎながら、夜景に包まれた。 ヒカリが「このまま、私のこと好きになってくれる?」と甘えて語りかけ、麗音は思わず少し驚く。「お前は、私の心の中にいる」と彼は冷静さを崩すことなく語りかけた。 その瞬間、二人は少しぎこちないながらも、キスを交わす。彼女は心臓が高鳴り、麗音は肯定的な感情が芽生え始める。 その瞬間、二人の心はより強く結ばれ、特別な思い出がまた一つ加わった。彼らの中には不安も葛藤もあったけれど、この日、この瞬間だけは特別であった。 そして、この日が二人の新たな関係の始まりであることを、静かに感じていた。 ---