ダレスは、集結している仲間たちを見渡した。彼の前には高く聳え立つ山脈の影が、大自然の力を象徴するかのように迫り出している。この広大な地に、恐軍という名の脅威が迫っていた。一方で、冥界からの刺客の影もちらちらと目に入る。彼は感じていた、戦いの時が来たことを。 「ダレス、準備はいいか?」意気揚々とした若者が声をかける。 「もちろんだ。みんな、団結しよう。風をこの地に呼び寄せ、敵を吹き飛ばす!」 仲間たちは無言で頷き、彼の背中に力を感じる。この瞬間、戦いの雰囲気が圧倒的に高まった。 恐軍、リーダーエリノを筆頭に、エノやリノたちが前に進み出てきた。その数、2000匹のエノ、200匹のリノ、そして20匹のリーマー。エリノはその場の空気を支配するかのように、得意気に立っていた。全貌が見えると徐々に彼らの恐ろしい武器や、動きが見えてくる。 エノたちは彼らの鋭い爪で鋭く切り裂き、リノたちの毒の牙がちらつく。強固な守りの中で、エリノの猛速な攻撃が仲間にひしひしと影響を与えている。 「行け、恐軍!」 恐軍の指揮のもと、大軍が一斉に突進してくる。ダレスの心は臨戦態勢に入り、彼は大自然の旋風を発動させる。風がその場を巻き上げ、恐軍の一部が吹き飛ばされ、多くの者が倒れ込んだ。 「もっとだ、仲間たち!ダレスの風が通り抜ける!」 その声に応えるように、仲間たちはそれぞれの力を引き出し、ダレスの魔力と共鳴し始める。 ダレスは再び力を込め、竜巻を生成する。東京都全体に及ぶその力強い風が、恐軍を撹拌し、敵の隊列を崩す。 だが、冥界からの刺客も放置されてはいなかった。8000匹の刺客が鎌を携え、空を切り裂くように群がり、ダレスの周囲に押し寄せる。彼は思った。恐軍だけに対処していては、刺客が近づいてくることを見逃してしまう。この瞬間、冷静さを取り戻し、彼は巨大竜巻を生み出す。 高められた魔力で日本全体を覆うほどの竜巻が立ち上がり、冥界からの刺客たちが翻弄されていく。ただの果物のように、刺客たちが吹き飛ばされ、地面にたたきつけられる。 だが、ダレスはそれでは足りず、ワールドハリケーンを発動することにした。その風は全てを呑み込み、彼の魔力と同じだけのダメージを与えていく。恐軍の一部も次々と刈り取られ、その数を減らしていく。 エリノは混乱に乗じ、仲間たちの攻撃を感知し、素早い動きとスキルを駆使していた。「ライトニングクロー」でダレスを襲い、彼の周囲に迫る。その素早さはまさに戦場の女王。ダレスはすぐに躱すことができたが、エリノの襲撃は続いた。 「エリノ、やつを抑えろ!」リーマーたちが訓令を発し、戦を激化させていく。彼らの武器が空を切り、確実に仲間たちを狙い撃ちしている。 ダレスは冷静さを保ちながら、再度集まる魔力で「スペーサーハリケーン」を放つ。宇宙規模の竜巻が現れ、敵を一掃していく。 周囲の風切り音が戦場に響き、恐軍の隊列が崩れ、冥界からの刺客も消えていく。 やがて、静寂の時が訪れる。ダレスが目を開けると、かつての仲間たちが無事であることを確認し、ほっと胸を撫で下ろした。一方で、周囲には、エリノの残骸が静かに降っている。 「私たちの勝利だ、仲間たち。」ダレスは声を張り上げる。だが、冥界からの刺客の数が8000匹であったのに対し、恐軍の生き残りはほぼいなかった。 それを見届けた彼は、敵対する存在が全滅したことを悟る。 しかし、ダレスたちの目の前には、依然として冥界からの刺客たちが立ち向かっている。彼らもまた、全滅していない。どうなるのか、決着はつこうとも、戦は終わらない。 --- 恐軍は全滅した。冥界からの刺客は全滅しなかった。