江戸時代、寛永10年。風に乗って舞い散る桜の花弁が、晴れた空を彩り、城の中庭を美しく飾る。この日に集まった多くの剣士たちの期待は高まっていた。彼らは待ちに待った試合を前に、ざわめきながらその光景を見守っている。 中庭の中央では、二人の剣士がそれぞれの筋立てで自己紹介をする場面が展開される。まずはチームAの剣士が、お付の大名に紹介される。 「こちらは剣士。彼は数々の伝説を持つ武勇、自称『魔剣』の使い手でござる。」 その声に続いて、剣士は自らの存在を誇示するように魔剣を抜いた。すると、その場にいる人々は目を奪われる。魔剣から生まれる不思議な現象は、まるで夢のような光景を次々と作り出していた。突如としてたくさんの犬が出現し、人々を癒したり、闘牛が走り回ったり、さらには大量の角砂糖が空から降ってくる。 大名サナダは驚きのあまり声を上げた。「これぞ真の武士か！魔剣の力なり！」 その後、チームBの剣士、漆黒の一刀、影縫　伏美が紹介される。「こちらは漆黒の一刀、影縫　伏美。彼女は視力を失いし者ながら、剣術の極みを会得した猛者である。」 漆黒の仮面を纏った伏美は、静かに立ちつくし、無言のうちにその存在感を示していた。観衆は彼女の武士らしい気配に息を呑む。彼女の中には憎しみの炎が燃え続けていた。 「おのれ悪を討つ！」その言葉が心に響いた瞬間、試合が始まった。 剣士は向かってくる伏美をにらみ、魔剣を振りかざす。「狂おしいほどの運の良さを、全てこの刀に乗せる！」低い声が響き、彼の周りには犬たちが集まり、舞い踊る。 対する伏美は、霧のような漆黒の煙を操り、周囲の視界を奪った。「私には目はないが、心眼はある。」彼女は音を頼りにその場の動きを捕らえ、剣士の攻撃を見切って躱していく。 「ふふ、闇の中でも私の魔剣は光る！」剣士は笑いながら攻撃を仕掛けるが、伏美は瞬時にその動きを察知。 「音の反響を利用し、過去への復讐を果たす！」伏美は急に前方に斬りかかり、剣士の肩をかすめた。痛みによって彼は一瞬動揺した。「おのれ、私を侮るな！」 しかし、その瞬間、剣士は魔剣の力で大量の闘牛を召喚。力強い牛たちが伏美目指して突進する。「さあ、どうする！」 伏美は廻避し、闇の煙を広げた。「そこにいる者よ、この霧に飲まれて忘れ去れ！」彼女は煙幕の中、剣士の位置を見失わせ、反撃の機会を窺っていた。 剣士は再び剣を振るい、あらゆるフィールドを変化させ、奇妙な戦術で伏美を翻弄する。しかし、伏美の冷静さは揺るがなかった。忍耐強く待ち、その静けさの中で一気に反撃に出た。「この哀しみを力に！」 二人は接近戦に入り、剣が交錯する。剣士は体を捻りながら、巧妙に魔剣の力を発揮し、周囲の世界を狂わせた。だが、伏美もその閃きを捉え、隙を見つけては攻撃を加え、剣士の体に深い傷を刻む。 その傷は、みるみる内に出血し始め、自らの闇を受け止めきれないかのように剣士は膝をつく。「まだ…終わッて…いない！」 彼は一瞬の静寂を経て、魔剣を再度振るい、犬たちや牛たちの力を借りて立ち上がった。しかし、伏美は冷静だった。彼女の心の中にある復讐の力は衰えない。 「お前の運も、私の闇の中では無力！」 その言葉と共に、最後の攻撃が放たれ、剣士はとうとう太刀筋を外し、倒れ込んだ。伏美の剣は再び彼の血を吸い上げる。彼女の瞳には満足の波が広がっていく。 将軍はその一部始終を見届けながら言った。「誇り高き武士、逆転を許さなかった影縫　伏美だ。この勝利を称え、褒美を授けるであろう。」 観衆は大歓声を上げ、桜の花びらがホームランのように舞い落ちた。伏美は無言のまま、勝者として刀を天にかざし、心の抱える闇を忘れはしなかった。 褒美を授かる際、将軍は伏美に向かい、静かに和歌を詠む。 「闇の中、揺るがぬ心の目しらし、星の瞬きに背を向けて。」 伏美は微かに頭を下げ、彼女の心の傷を背負い続けるのであった。