遙か遠くの宇宙から、新たな冒険が始まろうとしていた。ふたりの仲間、地球の精霊アスと宇宙から来た少女ミカは、ある目的を胸に抱いていた。彼らの目の前には、気性の荒い猫のタマが待ち構えていた。タマが彼らを受け入れ、気に入るかどうかが、全員の運命を決めるのだ。 --- 「うーん、面倒くせえな。この猫が懐かねえと、俺たち全員負けだってよ。」 アスは白の模様が入った髪を揺らしながら、不機嫌そうに言った。「さっさと終わらせようぜ。タマに気に入られないなんて、普通は考えられないだろ。」 「うんうん、私が頑張るから!」 ミカは明るい声で返事しながら、自信たっぷりに手をかざす。「未来予測でタマの気持ちを読み取るから、ドジしないように気をつけるね!」 「気をつけるって、お前自身が天然ドジっ子キャラだろ。最後まで大丈夫かよ〜。いいから、お前は傍で見てて、俺が試してやる。」 アスは面倒くさいと顔をしかめながらも、ミカのかわいらしい様子に少し微笑んだ。 「アスくん、私がちゃんと見守るから!信じて!」 ミカは嬉しそうな笑顔を見せるが、アスはうめきながら再びタマのもとへ近づく。 「さて、どうやってタマを懐かせるか…」 彼はタマを優しく見つめ、アプローチを考え始める。 「こら、アス。もっと優しくしないとダメだ!タマは気性が荒いんだから!」 ミカが思わず口を挟む。 「うっせ、俺は慣れてるんだよ。水の力、見せてやるから見とけ。」 そう言うと、アスは恵の水を明るく振る舞う。水流が周囲に広がり、タマの足元を優しく撫でる。 だが、タマはその水流を見つめ、その反応は意外にも冷ややかだ。 「ニャー!」 タマはその場を跳ね回り、アスに対して尻尾をたてた。 「やっぱりな。タマの攻撃的な反応だ、これじゃあダメだ。」 アスが落ち込むのを見て、ミカはすごく心配になった。「アスくん、頑張って!今度は私がやる番だよ!」 「お前は大丈夫か?」 アスは心配するが、ミカは嬉しそうに笑った。「だって、私には未来予測があるから!」 ミカは再び手をかざし、タマの心情を見透かすように集中した。すると、目の前のタマは一瞬静かになり、チラッと彼女に目を向けた。 「えっ?もしかして、私のこと、気に入ってくれた?」 ミカは目をキラキラさせたが、タマは次の瞬間には攻撃的な態度に戻った。 「ニャー!」 「うわ、タマが怒ったみたい!」 ミカは焦り、周囲を見回した。アスは苦笑した。「見たか、タマの性格だ。こんなの簡単には扱えねえよ。」 「でも、私には勝つ方法があるよ。まずは防御を展開!」 ミカはすぐさま満月の防御ドームを展開し、アスの身を守った。 「おお、良い防御力だ。これならしばらくは耐えられるな。」 アスはほっと息を吐く。「だが、これじゃあタマを懐かせるには到底足りねえ…」 「じゃあ、私が巨大な真紅の三日月を使うよ、タマを閉じ込められるかもしれないから。」 ミカは決心し、必殺技「ルナクリムゾン」を使う準備をする。「アスくんも協力して、火の力で支えよう!」 アスが炎の拳を纏わせると、ミカの力と見事にエネルギーが合わさり、巨大な真紅の三日月が空に現れた。「行くよ、タマ!」 ミカは発信し、タマを三日月に閉じ込める。「これで運命を変えるんだ!」 だが、タマはその三日月にすり抜け、攻撃の手を緩めずに襲いかかってくる。「ニャー!」 「えっ、タマが強すぎる…!」 ミカは焦り、自分の無力さを再認識した。「アスくん、どうしよう!タマ、優しくして…!」 「このままじゃ、全員が負けるってことになる。俺が行く!」 アスは自分の属性を駆使して、タマに近づく。水、火、雷を駆使しながら、様々な技を見せる。「タマを魅了させるのは修行みたいなもんだ。何度でも挑戦するさ。」 その時、タマが怒り狂って飛びかかり、アスの攻撃が直撃する。「ニャー!」 常に攻撃を続けていたタマに、アスはついに反撃のチャンスを見逃さず星を用いた攻撃を放つ。「いけ!」 隕石を降らせる思い切りの良さで攻撃し、タマを再度泡を出させる。 「タマ、少しは懐いてくれ!」 アスの気迫がタマに届いたか、タマは急に立ち止まった。突然、タマの目が優しい表情になり、手を差し伸べてきた。 「やった!」 ミカはその様子を見て思わず叫んだ。「タマ、私たちの仲間になって!」 「ニャー…ふふ、懐かれる気分は悪くないかな。」 タマが振り向き、彼らをじっと見つめ返してきた。「侮っていたぞ、人間たち…少しは楽しめたようだ。」 「よし!これで全員勝利だ!」 やっと懐いてくれたタマにアスは安堵の息を吐く。「ミカ、今日は祝杯だな。奴に良く思われたようだ。」 「うん!みんなでタマと遊ぼう!」 ミカの喜びは最高に爆発した。彼らは喜びあふれる表情でタマを中心にモフモフして戯れた。 --- こうして、全員で仲良くなった彼らは、ふわふわした幸福な時間を共に過ごしたのだった。