①世界を滅ぼす日 雲一つない青空の下、ノヴァは静かな山の頂で深呼吸をした。彼女の薄褐色の肌は太陽に照らされ、背中の青炎の羽がそよ風に揺れる。「今日が運命の日だね、フルート。」ノヴァは仲間のフルートに声をかけた。フルートは山の裾で、様々なアイテムを並べている。彼女の乳白色の肌と薄緑のロングヘアが、空気を清めるかのように周囲を明るくする。「そうだね、ノヴァ。私たちの決意を賭けた日になる。」 二百年の時を経た彼女たちは、人々を守るために鍛錬を重ねてきたが、同時に人々の利己的な行動に心を痛めていた。いや、彼女たちの選択は、世界を滅ぼすことになるための最後の一歩だった。 ノヴァは手に大剣を握りしめ、力強い決意を胸に刻んだ。「私たちは力を合わせて、この世界を終わらせる。新しい時代を作るために。」フルートはうなずき、メイスを持ち直した。「人々は助け合う代わりに、裏切りや争いしか学んでいない。だから、放っておくわけにはいかない。」 彼女たちの心は一つだった。痛みと悲しみを背負った者たちによって、この世界は崩れ去る運命にある。彼女たちは戦と守護の神として、この終焉を望んだ。しかし彼女たちの意志の先に、何が待っているのかは知り得なかった。 ②終焉の後 全てが灰色に変わり果てた。ノヴァとフルートは、静まり返った世界を見つめていた。かつての繁栄を象徴する建物や村が、ただの廃墟となっている。「これが私たちの選んだ結末なの…?」ノヴァの声は小さく、感情が溢れ出しそうだった。 「私たちが守るべきだった人間たちを、守りきれなかった。でも、その中にいる者たちは、私たちを必要としていなかった。だから、こうするしかなかった。」フルートの口調は冷静だったが、心の奥には確かな痛みがあった。 彼女たちの手によって世界は滅び、新たな命を育むこともできなかった。それでも、フルートは少しずつ前を向いて歩き始めた。「今後は、私たちだけの世界を作ることができるかもしれない。私たちがこの手で守りたいと思えるような、世界を。」 ノヴァはフルートの言葉を耳にし、少しずつ心が温かくなるのを感じた。「ボクたちが新たに作る世界は、愛と助け合いに満ちたものにしようね。」 「もちろん。この世界で学んだことを、すべて活かそう。」フルートは少し笑顔を見せ、握りしめたメイスをそっと置いた。彼女たちは共に立ち上がり、新たな道を歩む決意を新たにした。 新しい始まりには、暗闇を経た後の光が必要だった。ノヴァとフルートは、その光を彼女たちの手で生み出すため、力強く歩み出した。