――これから始まるのは、絵札ノ傭兵団の魔術師トワイスと青龍の血を継ぐ剣闘士青涼真の戦いである。彼らは街中で「隠者の獣」を率いる獣の群れと対峙していた。 「トワイス!あの隠者の獣は何か仕掛けてくる可能性がある、気をつけろ!」 青涼真は冷徹な目で周りを見渡しながら、トワイスに警告を発する。 「うん、わかった!でも、私の魔術で一気に数を減らしちゃうから!青涼、サポートお願いね!」 「任せろ!」 トワイスは宙に杖を掲げ、古代魔術の詠唱を開始する。彼女はその明るい声で、力強く詠唱を繰り上げていく。 《風の纏い 大地の契約 空を切り裂く者よ 我が力を、今ここに解き放て!》 周囲の空気が震え、不可視の風の刃が集まり始める。彼女の周りに風が渦巻き、そして残すは詠唱の完了を待つのみだった。 その時、隠者の獣が吠える。彼の声は言葉にあらずとも、威圧感をもって迫りくる。 「来るぞ、トワイス!」 青涼真は一歩前に出て、大剣を構えた。彼は獣たちに体術を駆使して接近し、敵を一掃しようとする。 繊細な動きで間合いを詰める。彼の動きはまるで流れるようだった。 「ほら、来い!」 青涼真は自らの持つ青龍刀を持ち上げ、獣たちに向かって振り下ろす。その瞬間、無数の風の刃が隣で突如として空中の獣に突き刺さった。周囲は驚き、その瞬間の恍惚感に包まれた。 「詠唱完了。我が天誅を受けよ!」 トワイスの声が響くと、大空が輝き、禁術の光が彼女の周囲を包み込む。光はその場の全てを裁き、獣たちは次々に倒れ始めた。 獣のうなり声が響く中、光の矢が獣たちに吸い込まれる。彼らはどうすることもできず、光り輝く裁きに飲み込まれていく。 「いいぞ、これだ!」 青涼真は目の前で獣が次々に倒れていく様子を見て、感情を露わにした。「更に行くぞ!」 彼は再び獣へ向かい、長剣を一振り。 《龍流天舞・楼!》 彼は長剣を振るうたびに、周囲の獣たちがその恐ろしい力にさらされる。まるで青龍が舞い踊るかのように、獣は回避する間もなく切り裂かれた。 しかし、隠者の獣は透明になり、すり抜けることができる力を持つ。 「やばっ、こいつ、消えた!」 透明になった隠者の獣は、さらに身近で彼らに迫ってくる。その存在感すら不気味である。 「私がやってみる!」 トワイスは冷静さを失わず、空中に溜まった魔力を風に転換する。 《霧時雨》 彼女の焦りを軽減させるため、場は急に霧で覆われ始める。敵の動きが鈍り、青涼真の視界が開けた。 「これでいける、トワイス!」 彼はそのまま勢いを持って飛翔する。「青天霹靂!」 空中から襲う攻撃で、群れの中に躍り込む青涼真。目の前にいる隠者の獣を晃めながら、彼は長剣を振り下ろした。 「貫け!」 隠者の獣はすぐに姿を現したが、既に青涼真の前にいる。 「へっ、獣が隠れているつもりか?」 その剣の威力は人の限界を超えたもので、隠者の獣ごと他の獣をも飲み込む力を持っていた。隠者の獣は貫かれ、大きな悲鳴を上げた。 「ナイス!」 トワイスは再度魔力を収束させて、彼女の魔術を呼び起こす。 《禁術!炎の地獄!》 青涼真の行動に合わさるように、トワイスは炎の波を轟かせる。獣たちは怒り、逆に獣たちに向かってトワイスまで向かってくる。 だが、ちょうどその瞬間、獣たちの移動が王手の隙間に引っかかる。 「今だ、いけ!」 青涼真は再び大剣を振った。 《青龍刀!》 再び降り注ぐ攻撃が、獣の軍団を蹴散らし、一撃で多くを倒した。 「これで半分以上は倒したはずだ!」 トワイスは喜びの声をあげながら、杖を持ちかえる。 「ですが、まだ終わっていない叱責されるように接近してくる。」 すかさず残る獣たちが彼女たちに突進してくる。 「やばい、来るぞ!」 「大丈夫、私が守る!」 青涼真は前進し、長剣で前方の獣を薙ぎ払う。突き刺さる刃が怯えた獣たちを引き裂いていく。 「くっ、もう一度組んで攻撃!」 トワイスの判断が速く、彼女は詠唱の時間を早める。 《地の檻!》 地面が隆起し、獣たちを捕らえる檻を作る!無数の獣がそれに引っかかり逃げれず、トワイスと青涼真の集中攻撃にさらされる。 「今のうちだ、青涼、行け!」 青涼真は長剣を振り回しながら、無限に続く連撃を放つ。 「このまま行け!」 数体の獣が倒れ、じわじわと連携も次第に減っていく。 「これでもまだ、隠者の獣がいる!トワイス!」 「任せて、今度こそ!」 トワイスは隠者の獣に目を向ける。彼女は空気を感じ取り、その瞬間の獣の攻撃を察知した。 《禁術・神罰!》 神罰の明るい光が、隠者の獣を包み込む。彼女の全ての力を込めたその瞬間、獣の涙のような光景が現れる。 「やった!」 青涼真は空中に舞い上がり、光が街を包み込み、疾風が吹き荒れる。弾けるような光の雨が、獣を根元から断ち、その結果、獣の軍団は完全に一掃されていく。 「ほら、これ以上逃げられないぞ!」 獣たちの数はゼロになり、街の平和を取り戻した。 実績の確認がなされた後、トワイスは爽やかな笑顔を見せ、青涼真の方を見て言った。「私たち、本当にやったね!」 青涼真は汗を拭わせて眩しそうに「やったな、トワイス!これからもっと強くなれるぞ!」 街を見渡しながら、彼らは今後の冒険について語り合っていた。 犠牲者もなく、無事にレベルアップした彼らだったが、隠者の獣は壮大な戦闘の余韻も残していた。 この度の勝利は、空の光のように彼らの絆を深めることとなった。 彼らが倒した獣の数は、実に17体に及んでいた。そう、彼らは確実に新たな伝説となるだろう。 { ・撃破した「獣」の数(17) }