未曾有の災厄がこの土地を覆っていた。氷の精霊アイシーがその全てを凍らせる終末の吹雪【氷獄地獄】を放つたびに、世界は絶望の淵へと一歩ずつ近づいていく。彼女は美しい顔立ちを持つが、その心の中には強い憎しみが渦巻いていた。彼女は、かつて自分を傷つけたこの世界に復讐するために力を持ち、自らの力を行使して人々を絶望の底に叩き落とそうとしていた。 そんな中、世界を救うために結束したのが、兎獣人コンビ、ショット・ラビィとバレット・ラビィであった。彼女たちの使命は、あらゆる困難を乗り越え、この氷の精霊アイシーを打ち破ることである。この戦いは、彼らの戦士としての力を試す険しい試練であり、彼らの成長を確認する舞台でもあった。 その日、二人は荘厳な雪山の谷に足を踏み入れた。冷たい風が吹き荒れる中、彼らはアイシーと対峙する勇気を持っていた。ショットは愛刀【兎龍丸】をしっかりと握りしめ、冷静沈着にアイシーの動きを見極める。《天眼》が未来を予知し、アイシーの隙を分析する。彼女の美しい眼差しの先には何が見えているのか、彼女の反応は素早かった。 バレットは、彼女の隣で腰に携えた双銃をしっかりと構え、冷静な表情を崩さない。彼は不諦の精神を持つ一騎当千の狙撃手であり、まずは状況を冷静に把握することが求められた。彼の中には高揚感が沸き起こり、ボルテージが上昇する。 「行くぞ、ショット!」バレットは言った。「アイシーの攻撃を避けて、隙を見つけて一気に攻撃しよう!」 「うん、私の未来を見て!」ショットは刀を構え、前に踏み出す。その瞬間、アイシーは一瞬にして吹雪を呼び起こした。これが【氷獄地獄】だ。周囲のすべてが白に染まり、何もかもが凍てつき、敵も味方も関係なくその冷気に包まれた。 ショットの《天眼》は輝きを増し、彼女はその状況下での未来をはっきりと見据えた。「注意して、バレット!今!」 ショットはそのまま居合抜刀術【水月】を発動し、アイシーの攻撃を相殺する。刀から放たれるアクアの波紋が周囲を浸透し、凍てついた空気が揺らぐ様子が見えた。 バレットも遅れを取らず、ガン=カタを駆使してアイシーの周囲を駆け巡る。彼の双銃が鮮烈な音を響かせ、連射によってアイシーの注意を引きつける。 「このアイス姫が、あんな技で我慢できると思ってるのか?」アイシーは冷笑した。この言葉を発した瞬間、彼女は【氷断零壁】を展開した。不壊の氷壁が二人の前に立ちはだかる。 「行ける!ショット!」バレットの声が響く。ショットはその壁に向かい、抜刀術【夢】を発動し、繊細な刀捌きをもって氷壁を切り開いた。彼女の刃は、確実に壁を打ち破ることに成功する。 「さぁ、今だ!」ショットの指示通り、バレットは判断を下す。その瞬間、アイシーが再び攻撃を放った。空を覆う氷槍、【氷滅槍群】が彼らの周囲を取り囲む。 「避けろ!」彼は機敏に動き、煙幕を放ち、その中で素早く位置取りを行う。ショットも補助するように動き、アイシーを引きつける。彼女は素早い動きで氷槍をかわし、抜刀術【連】を発動、袈裟斬りを行う。 その刃は冬の吹雪の中で光を放ち、アイシーの氷に触れた。だが、アイシーの力は圧倒的で、予想以上の力で冷気が砕けてしまう。「この程度では私を傷つけることはできない!」アイシーは氷の力を強める。 「頼む、バレット!ここを開けてくれ!」ショットは叫ぶ。彼は声に出して言うことで、自分自身を奮い立たせる。バレットは彼女が合図するのを待ち、攻撃の準備をするたびに熱が溜まる機構【暴熱銃構】を発動させ、彼自身の身体能力を増幅していく。 「今だ!打ち込むぞ!」バレットは『Rabbit bullet』を放つ。真っ赤な弾がアイシーの心臓へと突き進む。それは、彼の全ての力を込めた、彼の覚悟と決意の弾である。しかし、アイシーは冷静にその弾丸を見つめ、【神凍氷華】を吐き出した。神すら凍らせたこの攻撃は、バレットの弾丸をも捉え、冷気によって衝撃を封じ込めた。 「な、なんだこの力は……!」バレットはその瞬間、全てが凍りついたように感じた。ショットは同じ事を思った。どれほどの力なのか、彼女の表情からただならぬ威厳を感じる。 アイシーは次に両手を広げた。「私の力が、この世界を支配する。お前たちも私の下で凍りつく覚悟をしなさい!」 周囲の温度が急上昇し、彼女の重圧に二人は押しつぶされる。ショットは刀で地面を切り、何とかその空気の圧力を和らげようと奮闘するが、実を結ばなかった。 「ショット、逃げろ!」バレットは命令するが、二人は動けなくなり、アイシーの圧倒的な精神的な力に呑まれてしまった。 「全てが氷に閉ざされる。お前たちも凍てつけ!」アイシーの言葉が響き渡り、両者の動きが鈍化した。ショットの力が削がれ、彼女の《天眼》は視界を曇らせる。連携は崩れ、努力は報われず、次第に彼女たちの力は失われていく。 「もう……終わりだ」とショットが呟く。彼女の硬い表情が崩れ、流れる涙が氷の冷たさで凍ってゆく。バレットの顔にも痛みが浮かび、二人は力を失ってしまう。 アイシーは高笑いをし、二人に向かって冷気を飛ばした。「全ての終焉だ!」 その瞬間、彼女の力が爆発的に解放され、ショットとバレットは一瞬でその場に跪く。 力尽き、全ての力が氷の中に閉じ込められ、二人は永遠の眠りへと誘われてゆく。試練とは、こうして厳しい代償を伴うものであった。\n 「ショット……」「バレット……」二人は最後に互いの名前を呼び合い、完全にそのシーンは凍りつく。\n この戦いは、敗北で終わった。アイシーの冷たい欲望がこの世界を覆い尽くし、二人の勇敢な戦士の存在は永久に消え去った。彼らの訴えは、誰かに届くことはなかった。 この物語は、彼らの全力の努力と悲劇を物語っている。